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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

株式会社MICメディカル

医薬品・医療品開発をトータルにサポートするCRO

事業内容:医薬品・医療機器等開発の支援、薬事申請支援、CRA・MRの教育研修等
本社所在地:東京都文京区湯島4-2-1 杏林ビル
URL:http://www.micjp.co.jp/ 設立年:1986年
株式公開年:2007年 市場名:ジャスダック
資本金(設立年): 資本金(2008年9月期):695.2百万円
売上高(設立年): 売上高(2008年9月期):3,401百万円
従業員数(設立年): 従業員数(2008年9月期):341人
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):ライフサイエンス2号投資事業有限責任組合(MBLベンチャーキャピタル株式会社/株式会社レクメド・ベンチャーキャピタル)

事業概要

海外メーカー向け薬事コンサルタント・薬事申請業務支援企業として創業

当社は、1986年、海外医療機器メーカーの日本進出時の薬事コンサルタント、薬事申請資料作成などを支援するCRO(Contract Research Organization=開発業務受託機関)業務を営むため、医療産業(株)として設立(2006年に現社名に名称変更)された。

CRO業務の全面展開

2000年11月より、医薬品・医療機器開発等のCRA(Clinical Research Associate=治験モニタリング担当者)・QC(Quality Control=品質管理)要員の派遣業務を開始し、CRO業務を拡大していった。その後、医薬品メーカー等から治験の全部又は一部を受託し、モニタリング業務・データマネジメント・統計解析等を行うCROの受託業務にも取り組み、現在は派遣と受託の両業務を組み合わせた事業モデル「ハイブリッド型CRO」を構築するに至っている。

CRO事業を受託業務と派遣業務の双方で実施することで、要員の稼働率を高く維持することができ、たとえば派遣要員を受託業務でOJT(On-the-Job Training)を実施、あるいは受託業務担当者を派遣業務に従事させ効率的にスキルを身につけさせるなど、人材育成面でメリットがあるだけでなく、リスクに応じた安定的な収益性確保が可能なビジネスモデルとなっている。

2009年6月現在、240名強のCRAを中心として、約300名の治験関連要員を常勤社員として雇用し、社内の研修制度により高度なスキルを身につけた社員がCRO業務にあたっている。

医薬品・医療機器のトータルCROへ

当社はCRO業務のなかでも、特にモニタリング業務に注力していたが、最近は、データマネジメント・統計解析・医用画像解析、QC、QA(治験の監査業務)、教育研修サービスにも領域を拡大しており、医薬品・医療機器とも各企業の要望に応えられるよう、すべてのCRO業務に対応できるトータルCROを目指している。

業務範囲のみならず、対象となる疾患領域の拡大を図り、最近では、臨床開発においてあらゆる疾患領域をサポートしており、「癌、中枢神経、循環器、整形外科領域」に強みがある。

このように、医薬品及び医療機器のCRO事業(派遣及び受託)を中心として、会社設立時から行っている薬事申請業務に係るCRO業務、さらにはその他事業として医療関係有資格者を対象とした治験に関する知識やスキルを身につけるための研修事業等、CROに係わる業務をトータルに行っている。

トータルサポートCROとしての事業領域

トータルサポートCROとしての事業領域

CACとの業務提携によるサービス充実

2009年3月、当社は、株式会社シーエーシー(以下、CAC)と資本業務提携契約を締結した。

CACは、ITを活用した企業向けサービスを提供しており、なかでも医薬品開発支援サービスに関する豊富な実績を有する。

一方、当社はCRO業務のなかでも、特にモニタリング業務に強みを持つが、データマネジメント業務や統計解析業務を行う体制の強化を図ろうとしていた。

今回の資本業務提携により、CACが優位性をもつITを活用したデータマネジメント業務や統計解析業務を補完・強化することが可能となり、また営業協力や人材育成等での連携を通じた事業拡大やサービスの充実を図っていく予定である。

創業からVCに出会うまでの経緯

IPOを目指した業容急拡大から業績悪化

当社は、創業から早い段階でIPOを意識し、5社以上のVCから投資を受けた。

事業内容についても、海外医療機器メーカーの日本進出時の薬事コンサルタント、薬事申請資料作成などを支援するCROだけでなく、国内メーカー向けの医療機器のCRO業務を展開するなど、事業の拡大を急いだ。

事業再生からの再出発

しかし、事業拡大を急ぎすぎた結果、2000年頃に経営が苦しくなり、2001年3月にオリックス(株)からの投資を受け入れた。この時、オリックス(株)には発行済み株式数の49%程度を保有していただいた。

同社からの投資受入と前後して、今後の事業規模拡大、さらにはIPOに向けて再挑戦するためには、市場規模が小さい医療機器だけではなく、より市場規模が大きな医薬品を対象にしたCRO業務の展開を図ることが必要であるとの結論に至り、徐々に医薬品分野に進出し、現在のビジネスモデルを構築していった。

IPOに向けた株主調整でVC等から投資受入

事業再構築の成果が出て、少しずつ業績が回復し、2005年秋頃にはIPOに向けた株主構成を念頭において、筆頭株主であるオリックス(株)が保有する株式の売却先を探し始めた。

ある程度長期間保有してくれる可能性高い企業等に保有してもらいたいと考え、知り合いのいる事業会社や事業会社系VCを中心に探し、2006年に複数回に分けて、事業会社やVCに売却していった。そのなかの1社が、中小企業基盤整備機構が出資するファンドを運営する(株)レクメド・ベンチャーキャピタルであった。

(株)レクメド・ベンチャーキャピタルは、創薬系ベンチャー企業である(株)レクメドの子会社であることから、当社の業界の様々な情報提供や有益なアドバイスが得られると考え、知人である同社の投資担当者に投資を依頼した。

VC等を活用した事業の拡大と成長

専門人材や経理担当者の紹介

医薬品分野のCRO業務を手がけることになったが、当社には医薬品分野のCROに精通した幹部層の人材が不足していた。そこで、間瀬社長をはじめ、医薬品分野のCRO業務の専門人材やマネジメントなど様々な人材をオリックス(株)主導で招聘した。

また、IPO後の社内体制整備の一環として経理部門を強化する必要があり、経理マネージャーを採用したいと考えていた。そのような折、(株)レクメド・ベンチャーキャピタルから適任者を紹介いただき、体制強化を実現することができた。

研修事業の拡大や各種情報提供

(株)レクメド・ベンチャーキャピタルの親会社(株)レクメドで治験を担当する社員を当社が開催する研修に受講者として派遣してもらい、当社の顧客となっていただいた。

このほか、投資受入時の期待通り、(株)レクメド・ベンチャーキャピタルから、バイオ業界に関する最新の情報提供を受けることができた。

IPO準備支援

(株)レクメド・ベンチャーキャピタルに限らず、VC各社は、常に上場審査の最新情報を入手しているため、規則だけではわからない、審査において求められることや整えておくべき書類等、IPO準備の様々なアドバイスをいただいた。

IPOによる経営効果と今後の展望

地道な努力でIPOを実現

当社は、2007年11月にジャスダックに上場を果たした。

一度は経営状況が悪化しながら、会社を立て直してIPOを実現できたのは、1つには業界の市場環境がよかったということがある。しかし、それだけではなく、むしろ、事業の再構築・上場準備の過程で、コンプライアンスを遵守して、やるべきことを真っ当にやるという地道なことを、傲ることなく続けた結果と考えている。

財務の健全性や会社の透明性確保

IPOを目指した目的には、第一義的には資金調達という意味合いが当然ある。

しかし、当社としては、その次の目的として、業界再編を見据えて、他社との合従連衡のしやすさを考えて、IPOを目指した。

CRO業界は比較的安定した市場であり、業界として安定した時代が続いていたが、いずれ淘汰の波が来ることは避けられないと予想していた。

淘汰の波が来たときに、たとえば当社が買収する側となる場合には買収資金の調達がしやすい、反対に買収される側となった場合でも、IPOしていれば各種情報を公開しているため会社の透明性が担保され、当社の評価をしてもらいやすいなど、買収側・被買収側のいずれの立場になるにしても、他社と合従連衡がしやすいというメリットがあると考えた。

2009年3月にCACと資本業務提携を締結したが、提携交渉が順調にできたのも、開示情報を元にスムーズに審査をしてもらえたためであり、株式公開を果たしていたからこそできたことであるといえる。

また、合従連衡だけでなく、治験に係わるビジネスの特殊性から取引先となる製薬・医療機器メーカーからの信用を得るためにもIPOにより会社の透明性を確保し、財務的な健全性を明らかにしておくことが重要である。それは、治験には複数年かかることが多いという業務上の性質があり、途中での倒産のおそれを排除するためにも、健全な会社に発注したいという意向が強く働きやすいためである。

人材確保面での効用

さらに、優秀な人材を確保するためにもIPOは有用である。

当社の事業は、法律で定められたルールに従って、業務を適切に行うという意味で、原則的にはどの会社が行っても内容は同じである。そこで、他社との差別化を図るために重要になるのは「人財」であり、優秀な人材の確保は非常に重要な課題である。3年前から新卒採用を行っているが、特に新卒を採用するときに大手と互して、優秀な人材を確保するためには、最低限IPOをして、会社の透明性を確保する必要がある。

医用画像解析などで他社との差別化を目指す

現在、医薬品・医療機器に関するCRO業務で様々なサービスを提供しており、今後も当該業務を中心に、地道にサービスを提供していく。特に、市場のニーズが強い抗癌剤関連のCRO業務には今まで以上に注力していく予定である。

さらに、医用画像解析は、数あるCRO業者のなかでも、現在日本では当社にしかできない事業であると自負しており、他社との差別化のためにもこの業務を強化していく予定である。

そのためにも、今回、CACと業務提携したことで、強力なITパートナーを得、サービスの強化がスムーズに行えるものと考えている。

代表者プロフィール

代表取締役社長 間瀬 正三
代表取締役社長
間瀬 正三

1980年4月、大正製薬(株)入社。95年12月 ベーリンガー・マンハイム(株)(現:ロシュ・ダイアグノスティックス(株))、98年8月 ファイザー製薬(株)(現:ファイザー(株))、2000年10月 ボシュロム・ジャパン(株)入社。平成15年3月当社入社、取締役臨床開発本部長に就任。2003年8月 総合SMO(株)代表取締役社長を経て、同年12月に当社代表取締役社長に就任(現任)。2005年10月、ミックインターナショナル(株)取締役に就任。

将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

IPOは、成長分野の事業でなければ、なかなか実現が難しいものです。これからIPOを目指す方は、自社の成長戦略をじっくりと定め、目先のゴールに惑わされず、コンプライアンスを遵守して、その成長戦略に沿って地道にコツコツとやるべきこと実行することが大切だと考えます。

2009年度取材事例
掲載日:2009年10月 8日
この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。 従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。

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