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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

リアルコム株式会社

ナレッジワーカーの生産性と価値創造力を高めることで企業競争力を強化する

事業内容:ナレッジマネジメントに特化した企業向けパッケージソフトウェアの開発・導入・コンサルティング
本社所在地:東京都台東区柳橋1-4-4 ツイントラスビル6階
URL:http://www.realcom.co.jp/ 設立年:2000年
株式公開年:2007年 市場名:東証マザーズ
資本金(設立年):65百万円 資本金(2008年6月末):767百万円
売上高(設立年):0百万円 売上高(2008年6月末):588百万円(連結)
従業員数(設立年):0人 従業員数(2008年6月末):65人
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):投資事業有限責任組合KF-インキュベーションフアンド(ニュー・フロンティア・パートナーズ株式会社)

事業概要

ナレッジマネジメントの戦略立案から変革実施、さらに運用定着までも支援する包括的なサービスを提供

当社は、ナレッジマネジメント(KM)による新たな付加価値の創造を、「診断・戦略立案」から「変革実施」、「運用定着化」までの3つのフェーズで捉え、それらフェーズに必要なサービスを包括的に提供する体制を整えることで、ソフトウェア導入ありきのベンダーやKM理論の紹介・構想支援に留まるコンサルティング会社とは一線を画すビジネスモデルを構築している。

当社では、この3つのフェーズを確実に踏むために、「コンサルティング」、「ITソリューション」、「KPO(ナレッジ・プロセス・アウトソーシング)」、「教育・研修」の4つのサービスを用意しており、システムを導入しても「現場がKMに対して消極的で情報が集約できない」、「文書作成スキルにばらつきがあり、分かりにくい文書が社内に氾濫している」と言ったKMの導入倒れの問題を未然に防ぐスキームを保有している。

なかでも、情報流通のモニタリングや社内ヘルプデスク、社内テンプレート作成等のドキュメンテーションなどを代行する「KPO」サービスは、KMを推進していく担当部局にとって、最も労力とノウハウを要する部分のアウトソーシングとなり、同業他社が行ってきた従来のKM導入支援サービスと差別化できる当社の強みの1つである。

「人中心」の情報共有マネジメントを志向

急速なIT化に伴い、オフィスにおける情報流通量の増大は、その適切な処理に多大な時間と労力を費やす結果をもたらし、創造的な仕事の時間を圧迫する傾向にある。その中で、当社の考えるナレッジマネジメントとは、単なるITを活用したツールの導入ではなく、従業員のワークスタイル変革に主眼を置いた業務プロセスの改善であると認識している。単なるITツールの導入では、ユーザー(企業)を迷走させるだけで、KMという「手段」は「成果」に繋がらないと考えている。

当社では、2000年の創業以来、ともすると技術志向になりがちなソフトウェア開発を、ユーザー(人中心)視点に立ち続けてきた。結果、企業におけるナレッジマネジメントを実現するための主力ソフトウェア「KnowledgeMarket」の開発に成功し、これまでにNTTソフトウェアや三菱商事などの大手企業等200社以上に導入されている。

「KnowledgeMarket」開発の根底には、「最も価値のある重要な情報は、人に紐づいており、コミュニケーションを通じて、いかに文章やデータに落とされにくい価値情報をあぶりだしていけるか」という問題意識があった。当社は、常に「人中心」という開発理念を重視し、ナレッジワーカーの生産性と価値創造力を高め、企業の競争力強化に寄与していきたいと考えている。

創業からVCに出会うまでの経緯

シリコンバレーのワークスタイルを日本企業で実現させたい

当社は2000年4月に設立された。創業者で代表取締役社長である谷本は、MBA取得後、日本で戦略コンサルティングファームに所属していたが、1994年に米国シリコンバレーに渡り、北米のベンチャー企業に対して、日本及びアジア企業との業務提携を軸とした新規事業開発支援を行うコンサルティング会社に転職した。シリコンバレーの地場のVCとの情報交換を密にしながら、主にハイテク・バイオ分野の最先端の技術を持つVBを発掘する等、戦略コンサルティングとは一味違った業務に従事した。そこでは、IT関連の技術専門家や法律、会計などの様々な専門家が集まり、会社の壁を超えて結集すると、世の中の社会変革を促すようなビジネスのアイディアが生まれていくシリコンバレーのダイナミズムを体感した。このようなシリコンバレーの「ワークスタイル」を実現させるようなツールを開発して、日本企業で働く人たちのワークスタイルを変えて、馴染みのVCに事業プランをぶつけ議論し、練り上げていった。その後、2000年に日本に戻り起業した。

VC等を活用した事業の拡大と成長

信頼できるベンチャーキャピタリストの支援を前提とした投資受け入れ

VCからの最初の資金調達は、創業して2ヶ月後の2000年6月のことであり、個人的な付き合いのあったキャピタリストが所属していた日本ベンチャーキャピタル株式会社から50百万円の投資を受けた。その半年後の同年12月にも第三者割当増資を実施し、総額249百万円を調達した。増資に応じてくれたのは、米国シリコンバレーに本拠地を置くVCの日本法人である株式会社イグナイトジャパン、米国のVCであるエイパックスグループとグロービス株式会社の合弁VCであるエイパックス・グロービス・パートナーズ株式会社(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)、株式会社NTTソフトウェア、株式会社ジャストシステムの計4社であった。当社は谷本がシリコンバレーで経験してきた米国流の投資スタイルにならい、信頼できるキャピタリストが投資後も支援してくれることを前提として、投資を受け入れた。イグナイト社からは酒井裕二氏、エイパックス・グロービス社からは仮屋薗聡一氏の2名を社外取締役として迎えた。

具体的な成果として、イグナイト社の酒井氏からはソフトウェア開発者としてのキャリアを持つ視点から助言を得ることができ、エイパックス・グロービス社の仮屋薗氏からは、技術のマネジメント能力を有し、当社の中核となるような人材の紹介を受けた。この増資により、当社の主力製品である「KnowledgeMarket」等の次世代バージョンの開発やマーケティング体制の大幅な強化を図ることができた。

公的支援の性格を持つファンドから投資を受けた意味

中小企業基盤整備機構(以下 中小機構)出資ファンドであるKF-インキュベーションファンドから投資を受けたのは、2001年12月であった。総額183.15百万円の増資のうち、KF-インキュベーションファンドを運営するニュー・フロンティア・パートナーズ株式会社(当時国際キャピタル)に70株(31.5百万円)を引き受けてもらい、当社の資本政策の実効可能性を高めてくれた。  

結果論ではあるが、いわゆるブラックマネーの問題への対応として、東証の公開審査時にはこれまでの株主及び投資事業有限責任組合の出資者を報告する必要があったが、中小機構出資という公的な性格を持つKF-インキュベーションファンドから投資を受けていた事実そのものは、当社の信用力を向上させてくれたものと容易に想像できる。

投資担当者との率直なディスカッションを重ねることで「気づき」を得る

VCとの付き合いのなかで最も助けとなったのは、投資担当者との率直なディスカッションであった。投資担当者の「なぜそれを行うのか、その判断に至った理由は何か」といった類の質問に答えていくことで、ともすれば狭くなりがちな経営者の視野を広げることができた。

当社もVCに包み隠さず情報を公開することを心がけており、取締役会のあった日の午後にはニュー・フロンティア・パートナーズを含む投資担当者に集まってもらい、午前中の議論内容やデータ等の説明を行うようにした。発言権などの制約を受けない自由な会議を設けることにより、各担当者との率直なディスカッションが可能となり、経営上の重要な「気づき」の機会を得ることができた。

IPOによる経営効果と今後の展望

日本発の世界で通用するソフトウェアメーカーに

当社は、2007年9月に東京証券取引所マザーズに上場した。もともと当社は、従業員1,000人以上の大企業が顧客の中心であり、すでに東京海上日動や三菱商事などの業界のリーディングカンパニーを支援してきたこともあり、既に営業上の一定の信用力を有していた。しかし、経済状況が逆風のなかの上場は、想定していた額には十分に至らない資金調達となったものの、後の金融機関からのデットファイナンスに繋がる信用力を得られたと考えている。一例をあげると、海外での事業展開の拠点を確保すべく、2008年3月に米国に連結子会社.を設立、4月には米国でナレッジマネジメント事業を営んでいたAsk Me Corporationの同事業を買収したが、その買収に係る資金は、期待通り、銀行からの融資でまかなえた。このように株式公開を果たしたことは、当社の海外展開を間接的に後押してくれる結果となった。

今後の展望としては、日本、米国のみならずインドの開発拠点において効率的な研究開発が行える体制を築いていき、世界で通用するソフトウェアを提供する日本発のグローバルなエンタープライリューション企業となることを目指していく所存である。

代表者プロフィール

代表取締役社長 谷本 肇
代表取締役社長
谷本 肇
1964年 生。1989年 慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了、MBA取得。同年、 日本ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンに入社。1994年 AZCA,Inc (米国シリコンバレー)入社
1998年 米国シリコンバレーにてコンサルティング事務所CareSelf設立
2000年 リアルコム株式会社設立 社代表取締役社長 就任(現任)
将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

リアルコムはまだ創業9年になったばかりのベンチャー企業です。ナレッジマネジメントの分野で新しい常識を作り上げることで世の中に大きなインパクトを与えることができる企業へと成長していきたいと思っております。

今後企業を目指される方には、企業の売上げ、利益を考える前に、業界の常識や競争ルールを変えることに値する、どれだけ大きなインパクトを日本のみならずグローバルで生み出すことができるか、どれだけの人々を幸せにできるか、を目標にしていってもらいたいと思います。

ベンチャーキャピタルの声

代表取締役社長 鮫島 卓
代表取締役社長
鮫島 卓
同社に投資をするに至った判断のポイント

・シリコンバレーで培われた谷本社長のビジネスセンスの良さ。
・「人中心」の理念の下で開発された、今までに無い使い勝手の良いKMツール。
・力強い支援が期待出来る、リードVC2社の存在。

VCの視点からみた同社の成功要因

・ディスクローズの徹底による問題の共有と早期解決を行ってきた。
・マーケットニーズに合った製品開発と、初期に大手ユーザーを獲得できた。
・大企業(日本IBM社)とのアライアンスで、信用補完と効果的な販売戦略を実現。
・谷本社長の強いリーダーシップと、優秀なマネジメントチームが存在した。

2008年度取材事例
掲載日:2009年10月 6日
この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。 従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。

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