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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

夢の街創造委員会株式会社

「あったらいいな。」という想いをカタチにして届け、"夢の街"を創造していく存在に

事業内容:宅配・デリバリー専門サイト「出前館」の運営及び加盟店に対する業務支援
本社所在地:大阪府大阪市中央区北久宝寺町四丁目4番2号
URL:http://www.yumenomachi.co.jp/ 設立年:1999年
株式公開年:2006年 市場名:大証ヘラクレス
資本金(設立年):1,000千円 資本金(2008年):1,094,650千円
売上高(設立年):272千円 売上高(2008年):940,528千円
従業員数(設立年):9人 従業員数(2008年):44人
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):フューチャー二号投資事業有限責任組合(フューチャーベンチャーキャピタル株式会社)

事業概要

スピード感と多数の選択肢を両立した、宅配・デリバリーの専門サイト

「あったらいいな。」という消費者の想いをカタチにして、従来にない新しいサービスとして実現していくこと、その先に"夢の街"が自然に形成・創造されていく、という発想が創業・設立に至るきっかけでもあり、いまも変わらぬ当社の経営理念である。そうした理念や当社の社会的役割に関する認識等がベースとなる中で、まずは宅配・デリバリーの仕組みを進化させることに創業以来注力してきた結果、宅配・デリバリーの専門サイト「出前館.COM」の運営が現在のコア事業となっている。

従来型のデリバリービジネスのマーケティングは基本的にはチラシ配布(ポスティング、新聞折り込み広告)に限られており、この手法は業界全体で20数年継続しているが、近年は新聞購読率の低下やポスティング禁止のマンション増加等の影響もあり限界が現れてきていた。また、デリバリービジネスは商圏(半径2km程)が限定されている中で、同じ販促手法ではリーチできる対象は自ずと限定されてしまう。当社のビジネスモデルでは、従来型の宅配サービスではリーチ不可能であった利用者の獲得が容易に可能であり、また、課金体系が成功報酬型であるために初期投資が少なく(ファックスのみ)加盟店側のリスクがほとんど無いこと、販促費を完全に変動費化できること等が加盟店増によるユーザーの選択肢の拡大を実現している。

創業からVCに出会うまでの経緯

社名の由来:創造性発揮を企図

創業者は当社設立以前、バイク便のビジネスを展開していたが、1999年のITバブルの際にインターネット関連のデリバリービジネスができないかと考えたことが創業のきっかけであった。社名に委員会という言葉を意図的に付したのは、ビジネスのアイデアなどを自由に発想し、手を挙げた人たちが自然発生的に集って行動できる「委員会活動」のような柔軟な組織としたい、という思いを社名に載せておきたいと考えたからである。

利益計上までVCに支えられ事業継続

平成20年8月期決算時点での会員数は約188万人、加盟店数は約8,400店舗に上り、当決算期間におけるオーダー数は約460万件を達成するまでに至っている。後発者を含め、現在では同様のサイトも散見されるが、当社のみに加盟している著名な飲食サービスの大手企業も多い。会員についても、予約機能や「お届けまでの待ち時間」表示の機能など、利便性を高める各種のコンテンツがリピートオーダーを実現している。

当社のビジネスモデルでは、成功報酬型の課金体系(加盟店に対し、オーダー金額の数%を手数料として課す仕組みを採っている)であるために、会員(消費者)に多数の選択肢を提供できる環境を整えることや、一定量のオーダーが継続的に見込めるような、規模の経済がうまく機能する状況を創り出すことが収益基盤の確立には不可欠である。このため、当社のビジネスモデルは黒字化までの時間は相応にかかるが、一度損益分岐点を越えると赤字になりにくいストック型の収益構造であり、黒転化後は資金をあまり必要としない。 そうした意味合いにおいて、当社は収益基盤が確立するまでのJカーブの谷のステージをベンチャーキャピタル(以下、VC)各社に下支えしてもらった良い例ではないかと認識している。

VC等を活用した事業の拡大と成長

時機を得た出資が企業成長を促進

フューチャーベンチャーキャピタル社(以下、FVC)からの投資受け入れ時における資金調達の手段・選択肢は、事実、あまり多くなかった。また、当時は従業員も10人以下で自己資本も小さい完全な独立系の会社で、資本参画を打診できるコネクションや資金調達の手段も限定的であった。そうした状況において、FVC社からの投資受け入れが実現したことは、企業成長・拡大のタイミングを逸せずに事業継続が叶ったという以降の経緯を省みると、大きなターニングポイントの1つであったと考えられる。

FVC社からの投資資金は、サイト構築に約1年、その後黒字化まで約5年かかった間の運転資金(開発資金や人件費等)として活用したが、セカウンドラウンドでの引き受けを頂いたことを含め、担当者の熱意と川分社長の強い決断が後押ししてくれたのだと認識している。

関西に依拠するVCは数社あるが、発行体企業からすると特徴が見出しにくく投資傾向が似通っていると映ることが多い中で、FVC社のように独立系でシード段階の当社を強力に後押ししてくれる存在は希少で、非常に有り難かったという思いが実感としてある。FVC社があのタイミングで出資引き受けを英断してくれていなければ、当社は現在、存続していない可能性が高い。総じてビジネス支援機能が東京に比して弱いといわざるを得ない関西を本拠とするベンチャー企業にとって、FVC社のような関西に所在する独立系のVCは大変貴重な存在である。

最良のタイミングでのファイナンスという点以外にも、経営支援という面で、取引先の紹介や社労士・司法書士等の専門家の紹介等を受けたことが円滑な企業成長に合わせた各種の環境・基盤整備につながっていると考えられる。

IPOによる経営効果と今後の展望

ヘラクレス上場の経緯とIPOの効果

2000年10月の「出前館.COM」開設の後、2002年の予約機能の追加、2004年の「モバイル出前館」開設、「YAHOO!出前注文サービス」との業務提携、東京営業所の開設、2005年のジャパンベストレスキューシステム社との業務提携による「駆けつけ館」事業(「困ったときに、すぐ駆けつけてくれる」サービスの検索・見積・注文を行うことができる「出前館.COM」の姉妹サイトの運営)の開始等を経て、当社は2006年6月に大阪証券取引所「ヘラクレス」に株式上場を果たした。

証券市場として「ヘラクレス」を選択したのは、当社が大阪に本拠を置く企業であること(=地域経済に貢献するという考え)に加え、上場前に大阪証券取引所の社長に会う機会があったこと等を通じて、大証にはベンチャー企業に対する柔軟な理解がある、と感じたからである。なお、2007年10月に上場を果たしたナチュラム社(現ミネルヴァ・ホールディングス社)以前では、当社が大阪で唯一のインターネット関連の上場企業であった。

IPO達成による経営効果としては、知名度・信頼度の向上や、人材採用が容易になったことを実感している。上場企業の安定性に魅力を感じて応募・入社してくる者も多く、現在の従業員約50名中、実に40名以上が上場後に入社したという事実が、IPOの経営効果を如実に物語っているように考えられる。知名度の向上に加えて、給与水準も意識的に上げているため、コア人材については著名な企業に勤務した経験を有する即戦力となる人材が採用できるようにもなっている。

人材の獲得と育成に今後とも注力

ベンチャー企業は中途採用を中心に人材戦略を練らざるを得ず、当社も現在のところ中途採用のみとなっているが、2010年入社から新卒採用を開始する予定である。

中途採用の場合は即戦力採用、あるいは情報システムの技術や経理実務に関する知識・経験等の専門性での採用となるが、ベンチャー企業における人的資源に欠かせない視点として、いずれの職種においても、ビジネスに対する感応度や環境適応の柔軟さを有していること、事業を創造することへの興味を失わないような就業観を有していることである。

企業として永続的に成長するためにも、ビジネスマインド(収益に対する意識)を持った専門家を採用・育成することが経営課題の1つであると認識している。

今後の展開

当社のコア事業であるデリバリー支援サービスは一種のライフラインを形成しているものであり、ソーシャルネットワークやオークションサイトなど、インターネットを活用したサービスという意味では同義であっても、時流に大きく影響されるビジネスモデルであるか否かという点で、当社のビジネスモデルはそれらとは異なり、時流に左右されることなく安定的な発展が見込めるものと考えている。

しかし、それは当社のたゆまぬ経営努力が大前提に描かれる将来像であって、創業からの理念である、「あったらいいな。」という消費者の想いをどのようにカタチにして実現していくのか、IPO後も変らぬ想いと使命感で"夢の街"の形成・創造に向けて取り組んでいきたい。

現時点において具体的に描かれる事業展開の方向性としては、十分に開拓できているとは必ずしもいえない地方都市でのデリバリー支援サービスの強化や、美容室・病院の予約等、会員の自宅周辺での新たなサービスの提供に取り組みたいと考えている。当社のサイトが基点となって、消費者の生活が開かれ、つながれるよう、委員会活動の柔軟さやスピードを規模拡大の過程で決して失うことなく、"夢の街"の実現に注力しつつ、その達成感を社員一同で共感・共有していける会社であり続けたい。

代表者プロフィール

代表取締役社長 中村 利江
代表取締役社長
中村 利江
1964年 12月16日生(富山県出身)
1988年 株式会社リクルート 入社
1998年 株式会社ハークスレイ 入社
2001年 有限会社キトプランニング 代表取締役
2002年 夢の街創造委員会株式会社 代表取締役 就任(現任)
2006年 大証ヘラクレスに上場
将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

「出前館」の事業をもっと広げていきたいですね。今は10億でもやがては30億、100億円規模になる可能性があるビジネスだと思っています。当社のビジネスの特長は、相手先とWINWINの関係であることです。どちらか一方だけが儲かる仕組みよりも、お互い儲かる方が、より大きな成果を期待できると思います。

ビジネスの成功の鍵は行動力。行動することで思考力も養えると考えています。いくら知識を貯めていても、行動に移さなければ結果は出ません。行動することで失敗することもあるでしょうが、「失敗は成功への過程」と考えてチャレンジしていくことが重要だと思います。

ベンチャーキャピタルの声

同社に投資をするに至った判断のポイント

ブロードバンド時代到来にあたり、手軽にインターネットを利用する環境が整いつつある中、時刻・地域に応じた配達可能店の検索機能、顧客へのアンケートメール広告などの機能付加など、競合社に比べてビジネスモデルが先行していたことから投資を決定しました。

VCの視点からみた同社の成功要因

中村社長の強いリーダーシップの下、(1)インターネットの注文を電話やFAXに変換して届けるシステムを開発するなど顧客満足度を高めながら事業拡大を行ってきたこと、(2)ヤフー(株)や(株)インデックスとの提携により顧客の裾野が広がっていったことが成功の一つの要因であると考えています。

2008年度取材事例
掲載日:2009年10月 6日
この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。 従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。

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