本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > こうして活用しよう 中小企業向けファンド > 企業事例

こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

株式会社ストリーム

高収益率を誇る国内トップクラスの家電・PCインターネット通販専業事業者

事業内容:インターネット通販「ECカレント」の運営事業、中国での塗料・太陽電池関係機械・食品添加剤の販売
本社所在地:東京都千代田区外神田2-15-2
URL:http://www.stream-jp.com/ 設立年:1999年
株式公開年:2007年 市場名:東証マザーズ
資本金(設立年):10百万円 資本金(2008年):620百万円
売上高(設立年):3.6百万円 売上高(2008年):28,094百万円
従業員数(設立年):4人 従業員数(2008年):64人
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):東京投資育成4号投資事業有限責任組合(東京中小企業投資育成株式会社)

事業概要

電子機器部品販売からインターネット通販への参入

当社社長の劉海涛は、1995年、ある電子部品商社に入社し、アジア向け輸出事業を担当していた。しかし、99年にその会社が買収され、担当していた業務から撤退することになってしまった。

インターネット通販ECカレント ホームページのイメージ
http://www.ec-current.com/

そこで、その会社の商圏を譲り受け、同年7月に、社長を含めた4名で当社を設立した。設立時には、譲り受けた香港を中心とした中国向けの日本製パソコン及び周辺機器の輸出業務を手がけていた。しかし、生産拠点を中国にもつ台湾・韓国のパソコンメーカが台頭し「日本製」パソコンの需要が減少し、パソコンの輸出事業は徐々に縮小していった。一方で、市場の急成長が見込まれると判断し、創業年の12月には早速国内外向けECサイト「Sunshine」を立ち上げ、インターネットでのパソコンの通信販売事業に参入した。

家電・PCネット通販トップクラスに成長

2002年1月、ECサイト「Sunshine」を「ECカレント」にリニューアルし、さらに通販事業を本格化させていった。現在は、「ECカレント」のほか、クレジットカードも利用可能な「カレントプラス」、「ECカレント楽天市場店」、モバイル通販「ECカレントモバイル」、その他の提携ECサイトを販売チャネルとして有する、家電・PC分野のインターネット通販専業で国内トップクラスの規模に成長した。

業務効率化により低価格と素早い納品を実現

当社は、提携サイトやコミュニティサイト、仕入先、金融機関、運送会社などとオンライン接続する自動連携システム(シームレスモデル)を導入し、受発注、決済、顧客管理などを一元管理している。このように充実したシステムを構築していることから、運営コストと流通コストを最小限に抑えることが可能になり、他社と比較して安い価格で、短期間での納品が実現されている。

中国での事業展開

当社は、中国において、主に塗料・太陽電池関連の機械・部材を販売する「上海思多励国際貿易有限公司(上海ストリーム)」と日本製の食品添加剤を中国国内で販売する食品添加剤専門商社「思多励貿易(上海)有限公司」の2社を通じて、中国での事業を実施している。

創業からVCに出会うまでの経緯

銀行融資を中心とした資金調達

99年の創業の頃から数年の間は、信用保証協会からの保証や、銀行等の金融機関からの融資を受けて、資金調達をしていた。

業績拡大からIPOを意識

当社は99年頃からネット通販事業を開始したが、その頃から、ネット通販の市場規模はどんどん拡大していった。そうした時代の背景もあり、当社の売上は2002年には年間23億円程度であったが、翌2003年には47億円、さらに2004年には同83億円強に急拡大するなど、順調に業績を伸ばしていった。

このように事業が大きく拡大し、業績を伸ばしていく中で、徐々にIPOというものを現実的なものとして考えるようなっていった。

業績拡大による設備投資の必要性

業績が急拡大するなかで、顧客のニーズに応えられるよう、ネット通販のシステムを改善・増強する必要性が高まり、よりよいシステム構築のためにも大規模な資金調達の必要が生じた。

IPOに向けた意識も芽生えていたことから、VCからの資金調達によるシステム開発を考え、2004年のはじめ頃から銀行や証券会社等の取引金融機関から紹介を受けるなどして、全部で15社程度のVCにコンタクトをとり、資金調達を目指した。

ネット通販ビジネスを理解してくれたVC4社からの資金調達を実現

数々のVCとコンタクトをとり、当社のビジネスの将来性に理解を得ようと努力をしたが、当時はまだ「ネット通販」、「ネット小売」という業態自体が認知されておらず、なかなか理解が得られなかった。

しかし、中小企業基盤整備機構が出資するファンドを運用する東京中小企業投資育成(株)をはじめ、全部で4社のVCが、当社のビジネスの将来性を理解してくれた結果、2004年8月に投資が実現した。

VC等を活用した事業の拡大と成長

信用の補完に寄与

直接的に売上に貢献したかという観点から言えば、明確ではないものの、東京中小企業投資育成(株)は、もともと、中小企業投資育成株式会社法に基づいて設置された投資会社であるという、公的な要素を持つVCであることから、「東京中小企業投資育成(株)が出資している会社ならば、きちんとした会社なのだろう」という目で見てもらえていたように感じる。

自力での事業拡大や上場準備をVCがサポート

当社は、VCとコンタクトをとる前から、「IPOの前に、ネット小売ビジネスのためのシステムは完成させる」、「IPOの前に借入金はすべて返す」、「効率的な業務フローを追求する」など、自社としての問題意識を持ち、改善策を考えながら事業展開をしていた。上場準備に関しても、VCとコンタクトをとる前の段階から、会社の組織体制や規程の整備を開始するなど、指示されるまでもなく、問題意識を強く持って業務にあたってきた。

そうした地道な努力の結果、市場の拡大と共に、事業が順調に拡大していったことで、基本的にはVCに依存することなく、IPOに向けた事業の拡大や上場に向けた準備を進めていった。

しかしながら、初めてのことで対応がわからないこともあるため、東京中小企業投資育成(株)の担当者などに相談し、アドバイスをもらうこともあった。

IPOによる経営効果と今後の展望

早期のIPOを実現

投資受け入れから2年半が経過した2007年2月、当社は東証マザーズ市場に上場した。

VC投資受け入れからこれだけ短期間で上場できた背景には、いくつかの要因があるが、第一は、社歴が浅く、利害関係者が少なかったことから、公開準備を進めるにあたって準備が順調に進められたことが挙げられる。

第二は、「ネット通販」、「ネット小売」ビジネスが拡大基調にあり、市場拡大の波に乗って公開できたということがある。

第三は、前項で述べたように、投資受け入れ前の段階から、当社自身がIPOを意識し、社内の準備を進め、自覚を持って業務に取り組んでいたことも、IPOの早期実現に寄与したと自負している。

IPOによる信用力向上を目指す

当社がIPOを目指した最大の目的は、会社の信用力の向上であった。

ネット小売ビジネスでは、顧客は「きちんと商品が届くのか」ということに対して非常に敏感ではあるが、上場会社であるかどうかはそれほど意識しておらず、おそらく、直接的な売上への貢献は大きくはない。

しかし、商品の仕入先からの信用という点では、公開企業であることは有利に働くと考えられる。

また、人材の採用に関しても、まだ効果が出ているという段階ではないが、公開企業の方が応募者も安心して応募できるということもあり、今後、目に見える形での効果が現れるものと期待している。

ネット小売ビジネスインフラの整備へ

「ネット小売」ビジネスを展開するにあたっては、(1)ネットインフラ、(2)物流インフラ、(3)決済インフラの3つのインフラが必要である。

(1)ネットインフラは個別企業が努力で補うことではなく、社会の発展と共に発展していくものである。

また、(2)物流インフラは、ヤマト運輸や佐川急便などの物流企業及び倉庫会社と提携し、以前よりは顧客にとって利用しやすいインフラを整えることができつつある。しかし、社内の業務フローを含めて、改善できるところはさらに改善を進め、より早いデリバリーの実現など、顧客の満足度と利便性の向上に努めていきたい。

(3)決済インフラについては、最も改良の余地が大きいと考えている。これは、銀行の決済システムに代わり最近はカード決済や物流企業が提供する代引きサービスが台頭してきており、当社もこれらのサービスを利用できる環境を整え、今後、顧客にとって、より利用しやすい決済インフラを整えていく必要があると考えている。

代表者プロフィール

代表取締役社長 劉 海涛
代表取締役社長
劉 海涛

1968年、中国安徽省生まれ。95年、東京商船大学卒業後、(株)亜土電子工業入社。99年7月、当社を設立し、代表取締役社長に就任(現任)。2002年11月に上海思多励国際貿易有限公司董事長、2004年7月に欧利生塗料(天津)有限公司董事、2005年5月に思多励貿易(上海)有限公司董事長に就任(すべて現任)。

将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

これから検討していく段階であり、具体的な内容は明確ではないが、将来的にはパソコンや家電などに限定せず、多様な商品を扱う「総合ネットショップ」を目指し、取扱商品を拡大して行きたい。そのためにも、様々な業種種の企業と協力関係を築いて、どのような事業展開の方法があるのかを検討していきたい。

IPOを目指す方には、外の人が見ても中身がわかりやすい会社、「行儀のよい会社」になるよう、社内の業務フローを見直していくことが重要だということを伝えたい。業務の見直しはいつまでも終わるものではなく、常によりよいものを目指して改善していく努力を続けることが必要である。

ベンチャーキャピタルの声

東京中小企業投資育成(株) 業務第四部 主任 根深 恒
東京中小企業投資育成(株)
業務第四部
主任

根深 恒
同社に投資をするに至った判断のポイント

一般消費者によるインターネットを活用した購買活動が普及しはじめていた当時、受注から商品提供までの社内インフラおよび他社との協力関係をいち早く構築し事業基盤を固めていたことが判断のポイントとなった。ベンチャー企業でありながら、斯業でトップを狙える競争力を有していた点を高く評価した。

VCの視点からみた同社の成功要因

成功要因は、顧客ニーズに合った商材提供および効率的なシステム作りにある。取扱商材については、PC・家電のネット販売分野で一定の知名度を得た現在においても流行や消費者動向に即した商材の提供を追求している。また、システムについては、VCから調達した資金を活用して受発注機能を刷新させ、業容拡大と並行して業務の効率化を見事に実現した。

2008年度取材事例
掲載日:2009年10月 6日
この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。 従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。

前の記事次の記事



このページの先頭へ