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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

株式会社リミックスポイント

ビジュアルコミュニケーションがもたらす新たな価値の創造へ

事業内容:デジタル画像・映像に関するアプリケーション・ソフトウェアの開発及び周辺サービスの提供
本社所在地:東京都千代田区二番町11-7住友不動産二番町ビル2F
URL:http://www.remixpoint.co.jp/ 設立年:2004年
株式公開年:2006年 市場名:東証マザーズ
資本金(設立年):10百万円 資本金(2008年):429百万円
売上高(設立年):2百万円 売上高(2008年):940百万円(連結)
従業員数(設立年):役員=3名 従業員数(2008年):88人(連結)
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):ジャイク・大学発最先端産業育成壱号投資事業有限責任組合(日本アジア投資株式会社)

事業概要

画像・映像に特化したワンストップ・コミュニケーションシステムの構築

当社は2004年に設立された。

「現代社会は普遍的な価値観が揺らいできており、その影響によって様々な問題が発生している。そうした状況に対して、ビジュアルコミュニケーションが1つの解決策となるのではないか。我々が次世代に何を残すのかと考えた際に、新しいビジネスを安全に安心して使えるような世の中を作っていきたい。人間社会の新しい価値観や付加価値といったものを創造できるツールを提供することに社会的な意義があるはず」と考えた上での創業であった。

当社では「言語の壁を越えて世界中の人々が捉え得る画像の直観性」に着目し、画像・映像を用いたコミュニケーションの進化に貢献するためのアプリケーション・ソフトウェアとシステムフレームワークの提供をコアビジネスとしている。

現代においては市場性のある事業全体を一社のみで担えることは少なく、当社が関わるソフトウェア市場においても複数企業が連携して市場性の高い製品を提供している現実があるが、当社は複数企業にわたる技術等を「再構築・再編成」する結節点(remix point)としての役割担うことを経営理念としている。

『進化するコミュニケーション、共鳴する価値観』という問題意識に立脚しながら、デジタル画像の認識・解析・補正・保存・保護・管理・配信などあらゆる画像関連技術・ノウハウを駆使し、インプットからアウトプットまでを一元化した高度なソリューションを提供していく。

創業からVCに出会うまでの経緯

設立時よりVCを資金調達先に想定

ベンチャー企業は一般的に信用力に乏しいため、市場における信用力向上を企図して有力な事業会社の支援(株式取得による資本参加を契機とした提携等)を受けることが少なくない。しかし、有力企業の支援にも限界があり、また、支援自体も相手先の業績や事業戦略に左右されることが多いなど、事業会社の支援に偏重することはベンチャー企業の資本政策上、不安定さを生じさせることにもなり兼ねない。

このため、当社では当初より、外部資金の調達先としてVCを想定していた。事業会社と異なり、VCはキャピタルゲインの獲得を目的としている以上、最終的には取得した株式を手放すと予測することが可能であるため、発行体としては、中長期的な観点から一定程度の株式の流動性を見込んで資本政策を策定できるメリットがある。

こうした考えに基づき、当社では外部資金の調達についてはVCを中心に資金調達を行っており、事業会社からの調達は、当社と事業上のシナジーが期待できる場合に限定しており、資本構成上数%程度と少額に留まっている。

創業後に旧知のVC等から打診

前述した通り、当社では資本政策上、VCを有力な資金調達先と位置付けていたが、当社からVCへコンタクトしたわけではなかった。国内外を問わず、VC等の投資家については、いずれも先方からの打診によるものであった。

実際、投資を受け入れたVC等は、当社の吉川代表取締役が前職在籍時から付き合いのあった担当者を通じて打診があったものであり、当社の創業時にIPOへの意向を問われた際に「企業成長における一つの通過点としてIPOを考えている」旨を伝えたところ、各社から出資の意向が示されたという経緯がある。当社からVCに出向いて出資の要請をしたことはない。

なお、調達資金の使途は研究開発やアプリケーションのバージョンアップ等に充てられたが、当社は創業時から比較的順調に受注を確保できていたため、運転資金の逼迫等、特別な資金ニーズがあったわけではなく、むしろIPOに向けた資本政策上の観点よりVCからの出資を受け入れたのである。

VC等を活用した事業の拡大と成長

VCの役割と位置付け

当社のようなベンチャー企業はリソースが潤沢ではなく、どうしても営業面がウィークポイントとなることが少なくないため、VCの支援機能の中でも、各VCが保有するルートやネットワークを活用したビジネスマッチング等については期待するところである。

しかし、当社では基本的な考えとして、特定のVCに頼ったり主導されるのではなく、あくまでも発行体である当社が経営のイニシャチブを握り、資本政策についても自社で策定した上で各VCと交渉するスタンスを採っている。

VCとしてのVB育成への強い意志

当社が出資を受けた日本アジア投資(株)は独立色が非常に強い上に、「VCとして日本のベンチャービジネスやベンチャー企業をどう育てていくのか」ということを純粋に考え、志向されているように感じている。系列会社のVCと比較して、ベンチャー企業を育成しようとするマインドを強く感じる。

アーリーステージのベンチャー企業の視点からすると、日本アジア投資や(株)TSUNAMIネットワークパートナーズ等は当該業界や市場全体の成長可能性を捉え、そこに賭けているようであり、こうした捉え方はベンチャー企業側のIPOストーリーやマーケット感覚に近いとも感じている。提携や協働の可能性のある企業の紹介を受ける場合でも、独立系のVCは出資先の業務内容や事情等を踏まえ、「事業上のシナジーを見出せる企業」ということを第一に選定、紹介してくれる安心感がある。

産学連携事業への取り組み

当社が出資を受けた日本アジア投資のファンド(「ジャイク・大学発最先端産業育成壱号投資事業有限責任組合」)は大学発ベンチャーなど、大学等の研究機関発の技術の産業化を目的として組成・運営されているものであるが、当該ファンドからの調達資金の使途先であるか否かを問わず、当社では積極的に産学連携に取り組んでいる。

立命館大学を始めとする多数の大学との連携実績があるが、当社単独でコア技術を一から開発することには限界・制約があるため、当社の研究開発ニーズとマッチしそうな大学・研究室をインターネットや学会資料等から見つけ出し、共同で研究開発や特許取得(共同出願)等を行っている。

当社が研究開発費を負担し、大学の研究者・学生と当社のR&D部門が共同で研究開発を行う。一般的に、大学の研究者は研究結果(精度、スピード等)の向上を追求するもので際限がないが、マーケットが要請する品質については我々事業者がその妥当性を判断してゴール(商品化のための落としどころ)を設定し、時機を得た商品化に資する技術開発に注力している。

IPOによる経営効果と今後の展望

企業のパブリック化を促進する手段としてのIPO

新興市場への上場(IPO)はあくまで事業や企業成長の過程であり、上場は新しいステージやラウンドに至るスタートに過ぎないと当社は認識している。

吉川代表取締役は当社創業に際し、「企業がパブリック(=公共性・社会性を有する経済主体)とならなければ起業する意味は無いのではないか」と考えていた程である。

企業はその時々の社会情勢や外部環境の影響を必然的に受けるものであり、また、雇用・納税等で社会的責任をも背負うものである。特に当社のようなR&D型のベンチャー企業では、IPOをすること自体が自社(の存在意義)や業務内容を世間に対して問い掛け、同時に広く認知してもらう手段でありステップであるはず、と考えている。

また、社内に対して「IPOする」と明確に意思表示することが目的意識の醸成・共有化やモチベーション向上の観点からも有用であると認識している。

IPO後の経営効果については、IPOしている事実が市場における信用力の裏付けとなって、金融機関等からの資金調達の際に有利な条件での取引が実現している他、上場企業等との様々な付き合いが自然と増え、IPO前は同じテーブルに着くことができなかったビジネスパートナーとの接点が持てるようにもなってきている。

経営基盤及び財務基盤の一層の強化

近年、ビジネス領域の拡大と早期の事業化を企図して、事業上のシナジーが期待できる領域でM&Aを進めているが、買収企業との統合メリット見出すため、グループ再編等を行い、経営基盤を安定させることが当期の課題である。次期は財務基盤の安定化を進める予定である。

また、今後強化したい事業領域として、検査機器の市場が挙げられる。現在は提携先のメーカーに担ってもらっている部分も多いが、制御系やネットワーク関係のエンジニア、チームを強化する必要があると認識している。

代表者プロフィール

代表取締役社長 吉川 登
代表取締役社長
吉川 登
1965年 5月6日生(大阪府出身)
1989年 (株)聖建築事務所 入社
1996年 住商ファイングッズ(株)(現:住商インテリアインターナショナル(株))入社
2001年 (株)デジタルパブリッシングジャパン(現:(株)セラーテムテクノロジー)入社
2002年 (株)セグレイト 取締役 就任
2003年 (株)セラーテムテクノロジー 代表取締役 就任
2004年 (株)リミックスポイント設立、代表取締役社長 就任(現任)
将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

起業にあたっては他人の意見に左右されず、自分のやりたいことを真っ直ぐ考えながら進んでいくことが一番だと思います。ひとつずつ着実に前進し、できるだけスピーディに判断する。起業してすぐに大企業に成長することはなく、経営上の成功や失敗を何度も繰り返す中で判断力を養うことが重要です。成否に関らず自分で判断を下して、後悔のないようにして下さい。

現在誰もが認める大企業の創業者でさえ、創業当時に現在の状況を予測できていたわけではありません。成長過程における都度の経営判断が積み重なった結果として現在の姿に繋がっているはずです。その時々の判断を着実に行えば、仮に失敗したとしても次回につながる経験として活かすことができます。勢いやノリだけで進んでいくと、失敗した原因を市場やその他の外部要因のせいにしがちですが、原因は必ず自分と自己の判断にあると考えるべきです。

社会性に照らし合わせながら自分たちがやるべきこと、為すべきことをひとつずつ着実に進めるべきであって、利益だけが目的になるとブレが生じてしまい、それはより本質的なリスクを自ら抱え込むことに他なりません。

ベンチャーキャピタルの声

同社に投資をするに至った判断のポイント

元々別の投資候補先のヒアリング先として同社に接触。その時点においては、まだ会社の規模は小さかったものの、セラーテムテクノロジー社の一事業部が母体となっていたこともあり、吉川社長をはじめとした経営陣がIPOの経験を有しており、また事業基盤も確立していたことから、既に収益化していました。加えて投資検討のプロセスにおいても、取引先から同社に対する評価の高さ・将来性を聞くことができたため、最終的に投資の決定に至った次第です。

VCの視点からみた同社の成功要因

上記投資判断とも重なりますが、設立間もないながらも、重要なポジションに事業経験・IPO経験のあるメンバーがいた点、既に事業基盤が確立され一定の収益を出せる顧客を保有していた点、などが挙げられます。上場過程においても、過去の経験を背景に証券会社等に対して強い自信を持って交渉に臨めていたことも成功のポイントかと考えます。また吉川社長自身、本文記載にもある通り、「起業した以上はパブリックな存在を目指すのは当然」という非常に強い意思をお持ちになっていたことが、基本的な部分でのIPO達成要因ではないかと思います。

2008年度取材事例
掲載日:2009年10月 6日
この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。 従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。

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