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事業継続マネジメント 地震や取引先の倒産など不測の事態を乗り切るため、事業の継続を図る経営(BCM)、その計画(BCP)、実際の事例を紹介します。


危機を克服した企業事例

第8回 中核社員の大量離脱、技術者からようやく経営者に
[スキルインフォメーションズ]

本社ビルで当時を振り返る杉本浩社長。当時の苦い経験が「人を育てる」企
業のきっかけとなった

本社ビルで当時を振り返る杉本浩社長。当時の苦い経験が「人を育てる」企業のきっかけとなった

「社員から慕われている、尊敬されていると思い込んでいる経営者は意外と多いのではないか。私自身がそうだったように」
 スキルインフォメーションズの杉本浩社長はかつての苦い経験を振り返る。成長軌道に乗っていた同社に突然訪れた社員の大量離脱。「今思えば必然だっただろうが、当時は理由がまったくわからなかった」
 経営者としての行動や姿勢が足りなかったと気づくまでに2年かかった。

サークル感覚で急伸

同社は入退院管理など医療機関向け管理システムや、組み込みシステムと呼ばれる産業機器などにあらかじめ搭載されるシステムの受託開発などを手がける。子会社の医薬関連メーカーを含め、2011年のグループ年商は約16億円。システム開発会社で同僚だった杉本社長ら3人で1986年に立ち上げた会社、シックが同社の前身だ。

 「サークル感覚で始めたが、業績は右肩上がりで伸び、何の苦労もなかった」というのが当時の状況だ。交通情報や金融関連など開発案件は次々に寄せられ、94年8月期の売上高は2億4,000万円、創業初年度の10倍を超えた。

大量離脱はこの94年に起こった。創業メンバーの1人が社員を引き連れて独立したのだ。役員会議をしたいと杉本社長は呼び出され、そこで待っていたのは離脱した創業メンバーと社員たち。突然の社員総会に変わった。自信満々に「自分ならもっと優秀な社長になれる」と経営計画を披露する姿に圧倒され、何が起こっているのか理解ができなかった。

ビジョンが見えず

なんとかその場を収めたつもりでいたが、1週間後に退任を告げられた。当時24人いた社員のうち10人を引き連れて独立するという衝撃的なものだ。しかも10人すべて経験豊富な技術者ばかりで、会社に残るのは新人ら経験の浅い社員ばかり。すでに根回しも終えており、どうすることもできなかった。「海水浴や忘年会などコミュニケーションは十分にやっていたはず」という思いだけが残り、自分に何が足りないのかわからずじまいだった。

皮肉なことに、事業環境はフォローで受注案件は数多い。仕事はあるのに人がいないため受注できないという状況に陥り、95年8月期は1億2,000万円と売上高は一気に半減してしまった。そこでようやく気づいたのが「経営者でなく技術者のままだった」という事実。人材育成や経営ビジョンを示してこなかった。「開発での社員サポートはアドバイスするのでなく、手を出して自分でやる」という技術者のスタイルを変えていなかった。

自分なりに導き出した解決策は経営書籍を読みあさる、異業種交流で多くの意見をもらう、というものだった。予算や原価計算など経営の基礎から、人脈のつくり方、社員とのコミュニケーション、企業ガバナンス、経営ビジョンなど多くのアドバイスを得ることができた。「離反したメンバーに負けたくない。残ってくれた社員に報いたい」という思いが原動力だ。

人の成長が会社の成長

経営とは「人が育つように支援すること。社員が喜ぶ会社にすること」。判断は「損得でなく、善しあしで」に落ち着いた。責任を与えて自らの成長につなげる。人の成長は会社の成長となり、やりがいという喜びになるからだ。業績も回復基調に戻り「ようやく経営者らしくなってきた」と納得できるようになった2000年4月、社名を現在のスキルインフォメーションズに変更した。会社が変わったことを宣言したい、そんな思いを込めた。

入社式も兼ねる4月1日の創立記念日には、株主や取引先を招くのが恒例だ。新入社員紹介、各部門の目標発表会などを行い、式典は社員が輪番で担当する。毎年、人や会社の成長がひと目で見て取れると杉本社長は目を細めている。

企業データ
企業名 スキルインフォメーションズ株式会社
代表者 杉本 浩
所在地 大阪市東淀川区東中島1-17-26
業種 製造業(システム開発、医療コンサルティング、ほか)
掲載日:2011年12月28日

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