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事業継続マネジメント 地震や取引先の倒産など不測の事態を乗り切るため、事業の継続を図る経営(BCM)、その計画(BCP)、実際の事例を紹介します。


危機を克服した企業事例

第7回 メーンバンクが破綻、連鎖倒産の危機をMBOで乗り切る
[リフリック]

旧興亜製作所時代、メーンバンクの破綻により連鎖倒産。その危機をMBOで乗り越えた、リフリックの礒部社長(左端)

旧興亜製作所時代、メーンバンクの破綻により連鎖倒産。その危機をMBOで乗り越えた、リフリックの礒部社長(左端)

メーンバンクの経営破綻、旧会社からの独立、大手産業機械メーカーの傘下入り。波瀾万丈の道を歩みつつ、事業を継続している企業がある。栃木市で冷凍機器の製造・販売を手がけるリフリックだ。現在は産業用機械大手のオリオン機械の東日本における重要な生産子会社である同社。近年は植物工場やバイオメディカル分野などに経営資源を集中している。だがここまでの歩みには多くの苦労と挫折があった。

倒産は時間の問題だった

発端は2003年、メーンバンクであった足利銀行の経営破綻にさかのぼる。当時、同社の前身である旧興亜製作所はバブル崩壊で負った金融負債や過剰な設備、雇用の対応の後処理に追われ、企業として生きるか死ぬかの戦いを強いられていた。銀行の融資が続く限りは何とか食いつなぐことができたが、03年、足銀の破綻で資金源が絶たれたことで倒産は時間の問題となった。

バブル崩壊後、経理部長として入社した礒部錬太郎氏(現社長)の対応は素早かった。第二会社を新設し、倒産させずに事業継続による再生を図ったのだ。その時にとった手法がMBO(経営者・従業員による企業買収)だった。

その理由について、礒部社長は「経営は結果責任」という自らの信条を挙げる。「本業外への投機行為そのものが許しがたかったし、その借金は事業で返せる額ではなかった。そもそも経営者の失敗を従業員の努力で積み上げてきた利益で消失するのはフェアではない」と礒部社長はいう。MBOは資産査定時にその会社の本当の収益力を査定する。これまで築いてきた取引先を失うことを避けるため、事業継続に本当に必要な資産だけを時価買い取りし、旧経営陣は退陣してもらった。

再出発をしたものの

04年、礒部社長は資本金1000万円で、新会社「リフリック」を新設した。従業員を全員移転させ、再出発を遂げた。通常、企業再生には当初のメーンバンクが関ることが通例だが、礒部社長は「旧足利銀行も経営に失敗した企業」と静かに語った。

独立後は旧会社が過去に振り出した手形が不渡りにならないよう、4カ月かけて決済資金を立て替えた。この時は新たにメーンバンクとなった群馬銀行などの融資が助け舟となった。礒部社長は「資金の用立てなど信用もない会社を支援してくれた関係者には感謝してもしきれない」と振り返る。

ただし、独立後も依然として経営課題を抱えていた。1つは資産の名義を興亜製作所から変更できていなかったことだ。製造業を続けるには興亜製作所の生産設備を自社名義に変更する必要があった。この過程では訴訟を起こされるなど大変な苦労を伴った。

もう1つは顧客の海外移転が予想以上に進展していたことだ。国内に残った仕事も地元のライバル企業との価格競争で利益がほとんど出なくなっていた。経営刷新したものの、従来の延長線上ではじり貧に追い込まれていくだけだった。

興味を引いたひと言

1年以上悩み続けたある日、知り合いの銀行員の一言が礒部社長の興味を引いた。
 「オリオン機械のグループに入る気はありませんか」
 06年、リフリックはオリオン機械のグループ入りした。理由は人材を重視する経営理念にあった。オリオンは創業以来、業績悪化など会社の都合によるリストラを断行したことがない。過去、ピーク時の約350人から半分以上をリストラした苦い経験を持つ礒部社長にとって、人材を重視するオリオンの姿勢には強くひかれるものがあったという。

この決断がもたらした効果は大きかった。冷凍機器の販売からアフターサービスまで限界に感じていた自前主義がオリオンの力で一気に解消された。社内体制の改善、設備更新、人材育成でも精力的に力を尽くしてくれた。

オリオングループのもと新しくスタートを切ったリフリック。すでに新工場が稼働し、同社が力を入れる完成品冷凍機器の重要な戦略拠点となる。経営を取り巻く環境は厳しさを増しているが、従業員とともにグループ総力を挙げて勝ち抜く決意だ。

企業データ
企業名 株式会社リフリック
代表者 礒部錬太郎
所在地 栃木市皆川城内町2989-10
業種 製造業(冷凍冷蔵機器などの設計・製造)
掲載日:2011年11月30日

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