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事業継続マネジメント 地震や取引先の倒産など不測の事態を乗り切るため、事業の継続を図る経営(BCM)、その計画(BCP)、実際の事例を紹介します。


危機を克服した企業事例

第5回 取引先の協力で生産設備を調達
[岩機ダイカスト工業]

津波が町を飲み込んだ

アルミ溶融の散乱が懸念された本社工場だったが4月には完全復旧した

アルミ溶融の散乱が懸念された本社工場だったが4月には完全復旧した

「町の将来計画を考える意見交換会に参加するため、地震発生時は町役場を訪れていた。経験したことのない大きな揺れ。思わず会議資料で頭を守り、床に伏せた。あわてて車を飛ばし、高台にある本社工場に戻ると、眼下で津波が町を飲み込んでいた」
 自動車関連などアルミダイカスト部品を主力とする岩機ダイカスト工業の横山広人常務は、東日本大震災の瞬間を振り返る。

同社は山元町内3カ所に製造拠点を持つ。3工場とも高台や海から離れた場所にあり、津波の直接被害は免れた。だが、地震による建物の損壊やインフラ面で大きな被害を受けた。3工場で働く280人の従業員に大きなけがはなかったものの、49人の自宅は津波で流された。そんな中、斎藤吉雄社長は「早期に復旧しなければ顧客が困る」との一心で復旧を急いだ。

心配だった火災の発生

地震発生時、横山常務の頭をよぎったのは、地震の揺れでダイカストの設備から溶解したアルミの湯が散乱し火災が発生することだった。工場に戻ると従業員の機転により火災の発生は防げた。

しかし、停電のため、電気炉で溶解した湯が装置内で固まってしまう問題が生じた。町内の変電所は津波で冠水しており、電気の復旧は遅れた。その間、ダイカストの設備内で固まったアルミを取り出すことができず、復旧作業の大きな妨げとなった。

そこで同社は、ディーゼル発電機と発電機の燃料の確保に奔走。取引先の協力などを得ながら、発電機を計9台確保し、震災発生から12日後の2011年3月23日には、一部での操業開始にこぎ着けた。

ただ、全工程の復旧にはしばらく時間がかかると判断した斎藤社長は、震災直後の時点で、一部の金型をほかの企業に渡すことを決めた。そうしなければ「部品供給に大きな障害が生じ、取引先に迷惑がかかる」と考えたからだ。

想定以上の急回復

5月にはほぼすべての設備を回復し、フル操業できる体制も整った。自動車メーカーの生産調整などから5、6月の操業度は落ち込んだものの、回復のピッチは想定以上に早く、秋には震災前の生産水準を取り戻した。自動車メーカーの生産動向は先行きに不透明感も残るが、「従業員の表情は明るい。皆が前向きになれば復興は果たせる」(斉藤社長)と、社内ではコスト低減など不断の努力を継続している。

企業データ
企業名 岩機ダイカスト工業株式会社
代表者 斎藤 吉雄
所在地 宮城県亘理郡山元町鷲足字山崎51-2
業種 製造業(ダイカスト成形、金属粉末射出成形)
掲載日:2011年10月 5日

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