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事業継続マネジメント 地震や取引先の倒産など不測の事態を乗り切るため、事業の継続を図る経営(BCM)、その計画(BCP)、実際の事例を紹介します。


危機を克服した企業事例

第3回 ステークホルダーの強い結束が復旧を支えた
[伊藤鋳造鉄工所]

何か行動しなくてはと誰もが思った

東日本大震災で損傷した溶解炉を入れ替えた

東日本大震災で損傷した溶解炉を入れ替えた

伊藤鋳造鉄工所は、建設機械や鉄道車両用などの部品に使われる鋳物を手がけている。先の東日本大震災で震度6クラスの地震に襲われた同社では、工場周辺の地盤が最大で15cm程度沈下。だが、作業場のシャッターが一部破損するなどの被害が見られた以外には、建屋には大きな被害は見られなかったため、地震発生当日はすぐに社員を家に帰し、3月12日、13日も社員に休んでもらった。

3月14日の朝、作業服を着た社員たちがヘルメットを被って工場の前で立っていた。「会社が心配だ。まずは会社を復旧させようとの思いがあったのだろう」と、伊藤社長は社員の行動をこう解釈する。

14日から3日間を臨時休業にして、復旧作業を進めた。春分の日が近かったにもかかわらず、朝晩はまだ寒い日が続いていた。「電気も水も止まったなか、作業員が真っ黒になった顔をペットボトルの冷たい水で洗っていた」と当時の様子を思い出す。

その間、取引先や建築業者、電気会社など関係企業が相次いで訪れ、復旧作業を支えていた。伊藤社長は「(当社に関係する)誰もが何か行動しなければと思ってくれたのだと思う。勇気が湧いた」とステークホルダーの強い結束に感謝する。関係者の強い思いを追い風に、連休明け22日から工場の操業を再開した。

事故を想定した危機管理対策が活きる

震災による同社の最大の被害は溶解炉に見られた。地震発生時、3機のうち1機では鉄スクラップなどの溶解が終わり、湯釜から湯を出す直前だった。地震の揺れで水道や電気が停止し、冷水を送りだす冷却用ポンプも損傷したため、1500℃の湯が炉の周りのコイルを溶かしてしまった。

幸いにも事故を想定した危機管理対策としてコイルを含む予備の炉体1機を保有していたため、工場操業の約1週後の3月28日、この1機も再稼働した。

同社は今、震災を機に「生産拠点の複数化、早期復旧体制の確立、社員の安全が大事」(伊藤社長)と、生産体制の見直しを進めている。

まず取り組み始めたのが、海外生産比率向上による生産・出荷のリスク低減だ。国内2工場とベトナム子会社の工場などグループ全体の生産能力は現状を維持しながら、ベトナム工場の生産能力を2011年度内に現行比20%引き上げる。

国内工場では長時間の停電対策として、8月までに自家発電機3基を導入。溶解炉用冷却ポンプモーター、電気炉を傾ける油圧モーター、湯を流し込む注入場のクレーンなどの電力源にする。また、地震対策としては、工場内のクレーンの外れ止めや、配管のつなぎ目のフレキシブル化などを推進している。

社員の安全確保対策も進めている。緊急地震速報端末や放射線量計測器を導入したほか、自家発電機を停電時の誘導灯や携帯電話の通話確保などに役立てる。また、緊急連絡網もこれを機に作成。昼勤・夜勤ともに連絡・安否確認が取れる体制を整備した。緊急用燃料や飲料水・食料も備蓄し、震災に負けない強い会社を目指している。

企業データ
企業名 株式会社伊藤鋳造鉄工所
代表者 伊藤 幸司
所在地 茨城県那珂郡東海村村松3129-43(平原南部工業団地内)
業種 製造(エレベーター、ポンプ、産業機械などの鋳物部品の製造、販売)
掲載日:2011年7月27日

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