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SaaS & ASP 活用術

知っておきたいSaaS&ASPサービスの基本と特徴

04.SaaS/ASPサービスの実例(3)-会計/財務系

SaaS/ASPの実例として、最後に会計/財務系のSaaS/ASPについて、いくつかのサービスを見ておこうと思います。今回はいずれも、小規模事業者向き(分野にもよるが、従業員数が十数人から数十人程度)で、月額数千円程度から導入できるものをいくつか取り上げてみました。

  1. 4.1 ネットde会計
  2. 4.2 clearwork
  3. 4.3 ドコデモ会計
  4. 4.4 東京会計ソフト

基本的な機能はパッケージ版の会計ソフトウェアと大差はなく、パッケージ版会計ソフトウェアの機能をネットワーク越しに使えるようにしているという位置付けと考えてもよいでしょう。

つまり、技術的にはSaaSというよりもASPであり、Webの特質を活かした連携機能や拡張機能をプラグインできるようなカスタマイズ性はあまりありません。

したがって、これらのASPサービスを導入するか、パッケージ版会計ソフトウェアを使うかは、以下のような点を考慮する必要があります。

  • 自社内でハードウェア(といっても通常のPCやプリンタ)を用意したり、データのバックアップを取ったり、ハードウェア/ソフトウェアの保守をしたりすることがどれだけ大変か
  • 多くのパッケージ版会計ソフトウェアは保守料金を払い続ける必要があるが、保守料を含めた導入費用とサービス利用料はどちらが経済的か
  • 顧問税理士の必要性はパッケージ版もASP版も変わらないので、顧問税理士がどちらを可とするか(あるいは顧問税理士を変えてもよいか)
  • 特殊な在庫処理、給与や銀行取引など他のシステムとの連携を必要としているかどうか
  • サービス提供事業者の信頼性をどう評価するか

以降では代表的なそれぞれのサービスを簡単に見てみます。なお、以下の記述は各サービスを比較したり、詳細を説明するためのものではなく、ASPによる会計サービスの典型例のイメージを把握していただくためのものです。実際の導入決定に当たっては各ASP提供者から最新情報を入手して下さい。

4.1「ネットde会計」

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図4-1 初期設定の流れ 図4-1 初期設定の流れ

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図4-2 会計期間の設定 図4-2 会計期間の設定

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図4-3 勘定科目体系の設定 図4-3 勘定科目体系の設定

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図4-4 消費税情報の登録 図4-4 消費税情報の登録

30日間無料試用がWebサイトからその場で可能です。実際の利用料は年間42,000円。これには二人分の利用アカウント(ID)が付いており、追加アカウントも年間5,250円で利用することができます。

利用にはInternet Explorer6以上が必要です。月間累積24時間以上の使用不能時間がある場合には、時間数に応じた返金がありますが、それ以上のサービス・レベルは特段定義されていません。通信はSSLを用いて暗号化されています。

実際に使ってみた感想ですが、まずは簡単な初期設定が必要です。

初期設定の流れ
会計期間の設定
勘定科目体系の設定
(科目の変更は後から可能)
消費税情報の登録

非常に単純で今まで会計を行っていれば困ることはないと思われます。その分、独自の勘定科目などは後で再設定する必要があります。


【メニュー】

実際に利用を開始すると、大きく分けて毎日の伝票入力や元帳の確認を行う「日常業務」、固定資産の管理を行う「固定資産」、決算書類を出力する「決算業務」、勘定科目や開始残高、基本情報などを管理する「基本情報登録」の四つのメニューに別れています。

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図4-5 基本情報登録サブ・メニュー 図4-5 基本情報登録サブ・メニュー
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図4-6 決算業務サブ・メニュー図4-6 決算業務サブ・メニュー

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図4-7 固定資産サブ・メニュー図4-7 固定資産サブ・メニュー
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図4-8 日常業務サブ・メニュー図4-8 日常業務サブ・メニュー

【伝票】

いちばんよく使う日々の伝票入力では、デスクトップ版パッケージやオフコンなどで使われている会計ソフトウェアに近く、非常に使いやすい入力画面となっています。特にASPであるためのユーザ・インタフェースの不備や欠点、もたつき感などは見当たりません。

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図4-9 伝票入力画面(単一仕訳)図4-9 伝票入力画面(単一仕訳)
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図4-10 伝票入力画面(複合仕訳)図4-10 伝票入力画面(複合仕訳)

【出納帳】
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図4-11 出納帳入力(現金・預金) 図4-11 出納帳入力(現金・預金)

出納帳や残高試算表、決算書など、各種帳票はPDFかCSV形式で出力できます。CSVで出力すれば、Excelなどに読み込ませて、各種資料の元データとして使うことができます。

全般にシンプルではありますが、完成度も高く、通常に使う限りは、従来のパッケージ版会計ソフトウェアに置き換えても違和感を感じさせないことが大きな特徴だといえます。


4.2.clearworks会計ASP

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図4-12 ホーム画面 図4-12 ホーム画面

無料試用はできませんが、デモを見ることはできます。実際の利用料は初期登録に5,250円、月間2,940円で二人分の利用アカウントが付いています。追加アカウントも月間1,470円で利用することができます。

また有償で電話サポート、訪問指導などのサービスも提供されています。利用環境としてはInternet Explorer5.5(SP2)あるいは6(SP1)以上が必要です。

サービス提供時間は年末年始を除き、毎日午前6時から翌朝2時となっていますが、それ以上のサービス・レベルは定義されていません。BLADEという認証と暗号化通信を行っています。


【ホーム】
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図4-13 会計日次処理サブ・メニュー 図4-13 会計日次処理サブ・メニュー

この画面から分かるように、clearworksには給与、販売機能もあり、会計機能と連動するようになっています(機能ごとに月額2,940円、追加アカウント1,470円が必要)。

また通常のパッケージ版会計ソフトウェアのように会計担当者が従業員の出した伝票類を元に仕訳を起こすだけでなく、各従業員が日報の形で経費を提出し、承認を得るというような簡易ワークフロー的な機能もあります。


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図4-14 給与メニュー図4-14 給与メニュー
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図4-15 日時設定メニュー図4-15 日時設定メニュー

【メニュー】
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図4-16 日報入力 図4-16 日報入力

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図4-17 振替伝票入力 図4-17 振替伝票入力

かんたん日報メニューからは図4-16のような日報入力が、伝票メニューからは図4-17のような伝票入力ができます。

【入力】

入力時に勘定科目なども参照できますが、通常のパッケージ版会計ソフトウェアに較べると、迅速大量の伝票入力には向いていないかもしれません。

出納帳や残高試算表、決算書など、各種帳票は直接印刷するか、CSV形式で出力できます。CSVで出力すれば、Excelなどに読み込ませて、各種資料の元データとして使うことができます。

clearworksは統合機能を特徴としており、さまざまなデータを使い回すことができるようになっています。従来の会計ソフトウェアの枠を超えている部分もあると言えます。


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知っておきたいSaaS&ASPサービスの基本と特徴目次

  1. 01.さまざまなシステム導入方法 - SaaS/ASP (1)[2008年2月22日]
  2. 02.SaaS/ASPサービスの実例 (1)-オフィス系(google、zoho)、グループウェア系(Cybozu)[2008年5月27日]
  3. 03.SaaS/ASPサービスの実例(2)-業務系(SalesForce)[2008年5月27日]
  4. 04.SaaS/ASPサービスの実例(3)-会計/財務系[2008年7月4日]
  5. 05.オープン・ソース・ソフトウェアとユーザ指向 〜SaaS/ASPの先へ[2008年8月12日]
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