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SaaS & ASP 活用術

知っておきたいSaaS&ASPサービスの基本と特徴

03.SaaS/ASPサービスの実例(2)-業務系(SalesForce)

前回はおもに、オフィスで個人やグループを中心として利用するSaaS/ASPの実例をいくつか見てきました。例えばワード・プロセッサ、表計算、スケジュール管理、メール、情報共有などです。

これらの機能は非常に一般的で、おそらくどのような会社でも誰もが容易に利用する可能性があるものです。もしこれらのサービスを利用するためのコストと、利用によって生じるリスクがバランスしたものと考えられるのならば、そしてこのようなサービスを使うことに対する慣れが生じてくれば、導入の決断もしやすくなります。

一方で、これらとは異なる分野のSaaS/ASP製品もあります。利用する業種や職種が限られていたり、場合によっては企業のコア・コンピタンス (源泉となる競争力) や競合他社に勝つノウハウそのものが関係してくるようなITシステムです。

このような製品は、これまで典型的にカスタム開発やパッケージを購入した上でカスタマイズされることが多かった分野です。SaaS/ASP製品への移行には、慎重さが求められる分野でもありますが、今回はこのような分野に属するSaaS/ASP製品を紹介します。

3.1.SalesForce

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図3-1 SalesForceのWebサイト 図3-1 SalesForceのWebサイト

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図3-2 SalesForceの利用登録 図3-2 SalesForceの利用登録

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図3-3 SalesForceのアカウント登録 図3-3 SalesForceのアカウント登録

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図3-4 SalesForceのToDoリスト図3-4 SalesForceのToDoリスト

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図3-5 SalesForceのホーム画面図3-5 SalesForceのホーム画面

SalesForceは、SaaSという言葉で表されるもっとも典型的なサービスです。実際、SalesForceを提供している、米セールスフォース・ドットコム社は、マーク・ベニオフという非常にカリスマ性の強いCEOの下、SaaSというコンセプトをひっさげて、ここまで展開してきた立役者です。

SalesForceは、その名前の通り営業職向けのポータル・サイト、情報共有システムのようなものです。Sales Force Automation(SFA=営業支援システム)やCutomer Relationship Management(CRM=顧客関係管理システム)などと呼ばれることもあります。

従来の日本の会社でいえば、営業日報と顧客台帳をIT化したようなものと考えればよいでしょう。現在では世界中に巨大なユーザ・ベースを持っており、2007年末の時点で有償ユーザが100万人を超えているといいます(会社数では数万社)。

最近では日本郵政グループの郵便事業株式会社(旧日本郵政公社の郵便局)がSalesForceを利用した大規模なシステムを構築したことが話題になっています。

SalesForceを利用するのは、アマゾンやグーグルのサービスを利用するのとほとんど変わりません。使い方は、SalesForceのサイトから期間限定の30日間無料トライアルを試してみることから始まります。

利用規約を読んで必要項目を記入したら、すぐに電子メールで仮パスワードが送られてきます。この仮パスワードを利用して、SalesForceにログインすると、4名分までのライセンス(アカウント)を登録することができます。登録が終われば、もうその場でサービスを利用することができます。

試用期間中に正式契約をするのも簡単で、ページ上にある[正式契約のお申し込み]をクリックして、指示に従って入力していくだけです。

サービスには数種類のバリエーションがありますが、普及レベルのサービスの場合はユーザ (ライセンス)当たり月額7,500円です。支払い単位は毎月/毎四半期/毎年で、クレジット・カード、口座振替、振込(年間契約の場合のみ)が使えます。つまり(会社の)クレジット・カードさえ使えれば、すべてオンラインで契約ができ、そのまま利用できるようになっています。

3.2.SalesForceのサービス

SalesForceの普及レベルの契約では以下のようなサービスが提供されています。それぞれが画面上部のタブから直接アクセスできるようになっているほか、関連する情報は張られたリンクをたどることでさまざまな場所からアクセスすることができます。

【ホーム】

ログインしたときに表示される画面です。個人やグループのスケジュールやTo Do (作業リスト) を管理できます。


【リード】
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図3-6 SalesForce 顧客管理(リード)

図3-6 SalesForce 顧客管理(リード)
図3-6 SalesForce 顧客管理(リード)

リードとは見込み客や商談会で会った潜在的な顧客のことです。グループの誰が担当しているか、リードに対してどのようなアクションを取ったか(レポート機能)、どのような状況にあるかなどを個人やグループの単位で管理することができます。


【取引先担当者】
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図3-7 SalesForce 取引先担当者管理(取引先責任者)図3-7 SalesForce 取引先担当者管理(取引先責任者)

取引先の担当者を管理することができます。例えば「今日誕生日の取引先担当者は誰か」なども一覧できます。


【取引先】
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図3-8-1 SalesForce 取引先管理

図3-8-2 SalesForce 取引先管理
図3-8 SalesForce 取引先管理

取引先を管理することができます。それぞれの取引先に関連して、商談、ケース(顧客からの苦情や質問など)、活動予定、活動履歴、パートナー(この取引先の商談を進めるのに関わる他企業)などを記述します。


【商談】
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図3-9-1 SalesForce 商談管理

図3-9-2 SalesForce 商談管理
図3-9 SalesForce 商談管理

自分の担当、今週登録されたもの、成立した商談、今月または先月完了した商談などに分けて、商談と内容を管理することができます。内容は、この商談に関する活動予定、活動履歴、メモ、取引責任者の役割、パートナー、競合、商品、フェーズ(進捗の状態)の履歴などがあります。


【契約】
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図3-10 SalesForce 契約管理図3-10 SalesForce 契約管理

商品取引に関して締結された契約を管理します。


【商品】
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図3-11 SalesForce 契約管理図3-11 SalesForce 商品管理

自分たちが持っている商品の一覧、価格表、納品した商品(どの取引先にいつ何を)などを管理することができます。価格は取引先や取引量による調整などはできません。


【ドキュメント】
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図3-12-1 SalesForce ドキュメント管理(ドキュメントのフォルダ管理)

図3-12-2 SalesForce ドキュメント管理(ドキュメントのフォルダ管理)
図3-12 SalesForce ドキュメント管理(ドキュメントのフォルダ管理)

任意のドキュメント(Word、Excelファイル、画像、PDFファイルなど)をアップロードして、フォルダに整理して格納することができます。また誰に対して公開するかも設定できます。


【レポート】
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図3-13-1 SalesForce レポート管理(商談レポートとフォーマット指定)

図3-13-2 SalesForce レポート管理(商談レポートとフォーマット指定)
図3-13 SalesForce レポート管理(商談レポートとフォーマット指定)

上に挙げたさまざまな活動、商談、売上、取引先などについてレポートを作成します。作成したレポートは印刷用のHTMLで表示したり、保存しておいたりすることができます。自分で独自の条件から独自のフォーマットのレポートを作成することもできます。またそのフォーマットをグループ内で共有することもできます。


【ダッシュボード】
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図3-14 SalesForce レポート管理(商談レポートとフォーマット指定) 図3-14 SalesForce ダッシュボード (各種活動の進捗度合いのグラフィカル表示)

ダッシュボードは現時点での商談の進み具合などの状況をグラフィカルに一覧するページです。2008年2月現在では、ほとんどは英語表示になっています。


【その他】

デフォルトのタブには表示されませんが それ以外にもキャンペーン、ケース (前述)、ソリューション(顧客が持つ問題とその解決策)などがあります。どれをタブに表示するかは、ユーザごとにカスタマイズすることができます(注釈↓)。

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知っておきたいSaaS&ASPサービスの基本と特徴目次

  1. 01.さまざまなシステム導入方法 - SaaS/ASP (1)[2008年2月22日]
  2. 02.SaaS/ASPサービスの実例 (1)-オフィス系(google、zoho)、グループウェア系(Cybozu)[2008年5月27日]
  3. 03.SaaS/ASPサービスの実例(2)-業務系(SalesForce)[2008年5月27日]
  4. 04.SaaS/ASPサービスの実例(3)-会計/財務系[2008年7月4日]
  5. 05.オープン・ソース・ソフトウェアとユーザ指向 〜SaaS/ASPの先へ[2008年8月12日]
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