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SaaS & ASP 活用術

SaaS&ASPサービス導入マニュアル

Step4.ビジネスからシステムへ エンタプライズ・アーキテクチャ

4.1.手渡し

今までに「自分たちは何を目指しているのか(why)」「自分たちがやっていることは何か(what)」を明確にすることがIT導入への第一歩であるということを説明してきました。このような作業は発注側である皆さんが中心になって行うことです。もちろん私たちのようなユーザ企業と開発組織の橋渡し役の人間がお手伝いすることはできます。

しかしいずれにしろ、これだけではまだITとのはっきりしたつながりはできていません。この二つを元に、「ITを使えば何ができるのか」「どうすればITが目指していることに役立つのか」を導き出さなければなりません。

実際のIT導入の過程ではその答えを元に提案依頼書 (Request for Proposal、RFP)というものを作成して、発行します。「こういうことを実現したいのですが、どうしたらいいか、皆さん、提案をして下さい」ということです。この作業は情報システム部門/担当者などを含めた発注側だけで行う場合もありますが、客観的な評価や一般的な事例との比較を行うには、外部の人間が手助けになる場合もあります。

今回はこのビジネスからITシステムへの「手渡し」の部分について、お話ししようと思います。

4.2. 三つの手渡し

「手渡し」と簡単に言いましたが、実はそこにはいくつかの小さい手渡しがつながっています。

まずは「現状(as-is)」から「理想(to-be)」への手渡しです。前回ビジネス・モデリングで「何」を明確にする、ということを述べたのですが、そこでの「何」は業務の現状がどうなっているか、ということでした。もちろんそれは現状を知るために重要なのですが、IT導入後にはどういう「何」になっているべきか、というビジネス・モデリングも重要です(図4-1)

前者をas-isモデル、後者をto-beモデルと呼ぶことがあります。モデリングそのものは同じですが、対象が現状の業務ではなく、頭の中の理想像の業務になるわけです。どんなto-beモデルならば、whyで明確したような目標に近づけるのか、ということを考えます。

「(as-is)」から「(to-be)」への手渡し 図4-1 「(as-is)」から「(to-be)」への手渡し

もう一つはビジネスの世界からITシステムの世界への手渡しです(図4-2)。現実の世界は曖昧で、無意識のうちに行われていることも多く、人によって捉え方が異なり、場合によっては矛盾していることさえあります。現実のビジネスはたいてい、それでも破綻なく動いています。

ところが、ITシステムの世界は矛盾があっては動きませんし、明確になっていないことはITシステムとして作りようがありません。混沌とした業務の世界からすべてはビットの上で動いているITの世界への手渡しが必要になります。前回、ビジネス・モデリングとしてお話ししたのはその部分でした。

ビジネスからITシステムへの手渡し 図4-2 ビジネスからITシステムへの手渡し

ビジネスの世界からITの世界への手渡しにはもう一つの視点があります。それは「何をしたいか」から「どうやって実現するか」への手渡しです。大きい人間の世界から、コンピュータの中の小さい人の世界への手渡しと言ってもいいかもしれません。

したいこと(要求)を実際に動くようにする(実現)するためには、実際には何通りものやり方があるはずです。その中から最適と思えるやり方を考え、見つけなければなりません。その探し方、対応表のひとつの例がエンタプライズ・アーキテクチャと呼ばれているものです。

what・whyからhowへの手渡し 図4-3 what・whyからhowへの手渡し

この三つの手渡しのうち、今回は最後のひとつ、whatからhowへの手渡しを中心に考えます(図4-3)

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SaaS&ASPサービス導入マニュアル目次

  1. Step1.経営にとっての情報化 何のためのIT化なのかを考える[2007年12月26日]
  2. Step2.ビジョンとミッションを明確にする[2007年12月26日]
  3. Step3.業務を可視化する[2007年12月26日]
  4. Step4.ビジネスからシステムへ エンタプライズ・アーキテクチャ[2007年12月26日]
  5. Step5.IT化を推進する道筋 ― システムのライフサイクル[2008年01月18日]
  6. Step6.さまざまなシステム導入方法 ― カスタム開発、パッケージ[2008年02月22日]
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