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SaaS & ASP 活用術

SaaS&ASPサービス導入マニュアル

Step2.ビジョンとミッションを明確にする

2.2.ステークホルダ

企業経営はその会社だけで成り立っているわけではありません。お客様があり、パートナ企業があり、投資家/株主/銀行などもあって始めて成り立っています。まず、会社の経営にはおもに誰の利害が関係しているかを考えてみましょう。

課題に関する利害関係者をステークホルダと呼びます。場合によってさまざまだと思いますが、典型的には少なくとも次のようなステークホルダがいるはずです。

  • (法人としての) 会社
  • お客様
  • (経営者としての) 自分たち
  • 従業員

バランス・スコア・カードという考え方では、これらを

  • 財務の視点 (会社)
  • 顧客の視点 (お客様)
  • 内部プロセスの視点 (自分たち)
  • 学習と成長の視点 (従業員)

というふうに捉えています。これらがバランスよく、どの視点も排除することなく (つまりすべてのステークホルダがwin - winの関係であるように) 戦略を決めていくわけです。

バランス・スコア・カードではこの四つの視点 (ステークホルダ) を重視しますが、この四つだけにこだわる必要はありません。なかにはパートナ企業が重要になる場合もあるでしょうし、調達元が潰れては元も子もないかもしれませんし、会社の立ち位置によっては業界全体の成長がキーとなる場合もあるかもしれません(図2-2)

バランス・スコア・カードで重視する4つのステークホルダ 図2-2 バランス・スコア・カードで重視する4つのステークホルダ

2.3.因果関係

我々はある目標があったとしても、一足飛びにその目標を達成できるわけではありません (そうなら簡単なのですが・・・)。ある大きな目標を達成するためには、より具体的な行動を起こさなければなりません。この行動を実現するためには、より詳細な計画と実施が必要になるでしょう(図2-3)

前回考えたビジョンとミッションをこのようにして具体化、つまりwhatとhowに落としていきます。

まずは一枚の大きめの紙を用意して、大きな目標 (前回考えたビジョンやミッション) から上の方に書いていきます。多分一つか二つ、そんなに多くはないはずです。この段階ではITと直接関係がなくても構いません。重要なのは、抽象的な目標ではなく、具体的なイメージや評価が可能な目標であることです。

書いているうちに 「いや、これは本当の最終目標じゃないな」と気付くことがあるかもしれません。その時には上にさらに大きな目標を書きます。目標を達成するためにすべきことをその下に書き、上の目標に向かって矢印を引きます。

さらにそれを実現するために必要なこと、というようにどんどん下に伸ばしていくことができます。かなり具体的な行動指針にまで落とせたら、お絵描きはお終いです。

因果関係の明確化 図2-3 因果関係の明確化

この絵が出発点になります。なかには「上の目標を達成するためにはこれだけはしてはいけないこと」もあるかもしれません。その時には矢印にXを付けます。また条件や時間的制約があることもあるかもしれません。その時には矢印の脇にコメントとして書き入れます。どのステークホルダに関係する目標かを書いておくのもいいと思います。

絵はあまり細かくする必要はありません。ざっと1時間か2時間、せいぜい半日くらいです。 ある程度できたら、今度はその絵をチェックしてみます。

  • 目標とその実現の間に飛躍はないか?
  • 矢印のなかでもっとも役立つものは何か? あまり役立たないものやコストの掛かりすぎるものは消す
  • 目標を実現するためにやることが多すぎたり、足りなかったりしないか?

絵の全体は上を根っこにした、逆さまの木のようになるはずです。チェックの過程で枝を刈り込んだり、逆に枝を付けていきます。一通りチェックが終わったら、これが前に挙げた時間枠の中でそれぞれどこまで実現可能か、イメージしてみます。

箱の中身は、経営上の課題もあるでしょうし、各チームや担当者が解決すべきこともあるでしょう。

ITが解決してくれそうだな、と思えるものもあれば、ITが一体どうやって関係するのか分からない、そもそも実現可能なのか、どれくらいコストが掛かるのかも分からない、けどこんなことが実現できれば、目標の実現にとても役立ちそうだ、というものあるでしょう。

さて、そろそろ専門家の出番です。ここで書いたような「意志」があれば、ITとして何をすればいいか、我々橋渡し役にも少しは伝わりやすくなります。

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SaaS&ASPサービス導入マニュアル目次

  1. Step1.経営にとっての情報化 何のためのIT化なのかを考える[2007年12月26日]
  2. Step2.ビジョンとミッションを明確にする[2007年12月26日]
  3. Step3.業務を可視化する[2007年12月26日]
  4. Step4.ビジネスからシステムへ エンタプライズ・アーキテクチャ[2007年12月26日]
  5. Step5.IT化を推進する道筋 ― システムのライフサイクル[2008年01月18日]
  6. Step6.さまざまなシステム導入方法 ― カスタム開発、パッケージ[2008年02月22日]
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