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SaaS & ASP 活用術

SaaS&ASPサービス導入マニュアル

Step1.経営にとっての情報化 何のためのIT化なのかを考える

1.1.中小企業におけるITの現状

私は、ユーザ企業と開発組織の間を、どちらかというとITの視点から橋渡しする役割をすることがあります。ここ数年、中小企業のITについては以下のような状況が目につきます。

  • 1990年代前半に導入した情報システムがリース切れ、保守終了などで代替システム導入の必要に迫られている
  • ここ2〜3年で業務のあり方が大きく変わったが、情報システムがそれについていけていない
  • 情報システム部門/担当者を通さない、勝手なPCの導入とデータの勝手な処理が進み、全体としての業務が混乱している
  • 従業員個人はWebや携帯電話によってITリテラシが高くなっているが、社内で使われている情報システムの使い勝手、ユーザ・インタフェースは旧態依然としたものである
  • 情報システム担当者の固定化/高齢化により、新技術の導入が難しい
  • 内部統制、法遵守などやらされることが増える一方で手が打てない

つまり経営と情報という視点からは、1995年ごろの技術革新 (PCやWebの普及)、次にこの技術革新をベースとした2006年ごろの組織革新 (フラット化、モバイル化、Web2.0) という、技術的、組織的に大きな二つの断層が存在しており、多くの企業はその二つを乗り越えるためにもがき苦しんでいる、といった構図が見えてきます(図1-1、1-2)

技術革新と組織革新の断層 図1-1 技術革新と組織革新の断層

この点では大企業でも似たような状況にあるのは確かです。しかし大企業では中小企業に較べて

  • 使えるIT予算が相対的に大きい (情報システム開発にかかる費用はデータ量や利用人数に正比例するわけではないので)
  • 支社/事業部門など小さい単位で管理、運用されている情報システムも多く、全体としてはある程度なだらかな移行が行われている
  • 情報システム部門も増強や刷新が進み、少しずつでも新技術への対応が行われている

というような点での優位性があるとも考えられます。

中小企業のIT化の現状 図1-2 中小企業のIT化の現状

一方で本来は、中小企業ならではのIT投資に対する優位性もあるはずです。この連載では、中小企業がどのようにして、IT戦略を立て、IT投資を行い、ITシステムを本業に活用し、その結果を評価して、次のIT化、ひいては本業の躍進につなげていけばよいか、中小企業が大企業に負けない、いやITを使って大企業の先を行くためにはどうすればよいかを探っていきたいと思います。

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SaaS&ASPサービス導入マニュアル目次

  1. Step1.経営にとっての情報化 何のためのIT化なのかを考える[2007年12月26日]
  2. Step2.ビジョンとミッションを明確にする[2007年12月26日]
  3. Step3.業務を可視化する[2007年12月26日]
  4. Step4.ビジネスからシステムへ エンタプライズ・アーキテクチャ[2007年12月26日]
  5. Step5.IT化を推進する道筋 ― システムのライフサイクル[2008年01月18日]
  6. Step6.さまざまなシステム導入方法 ― カスタム開発、パッケージ[2008年02月22日]
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