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8月の経常収支、26カ月連続黒字-輸出減も原油安が追い風

 財務省が11日発表した8月の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノ、サービス、資金の取引を示す経常収支は2兆8億円の黒字で、26カ月連続の黒字だった。原油安により輸入が前年同月比18・3%減と大幅に減り、貿易収支が前年同月の赤字から黒字転換したため。ただ貿易収支の黒字が定着するかは不透明。原油価格の上昇による輸入額の増加、さらに世界経済の成長鈍化による輸出の低迷が同収支の足かせとなる懸念がある。

 8月の経常収支の黒字額は前年同月比23・1%増。貿易・サービス収支が1907億円の黒字で、前年同月の2871億円の赤字から黒字転換した影響が大きい。貿易・サービス収支のうち、貿易収支は2432億円の黒字(前年同月は3292億円の赤字)、サービス収支は525億円の赤字だった。

 サービス収支のうち、旅行収支の黒字額は同27・8%減の543億円。円高により訪日外国人旅行者の消費の伸びが鈍化している。

 貿易収支のうち、輸出は同9・6%減の5兆3019億円、輸入は同18・3%減の5兆587億円。輸出は自動車が同9・4%減、中国の過剰生産が懸念される鉄鋼が同20・4%減。一方の輸入は原油が同35・7%減、液化天然ガス(LNG)が同34・6%減と大幅に減少した。

 海外で得た利子・配当などを示す第1次所得収支の黒字額は、円高の影響もあって同2・8%減の1兆9853億円と減少した。

 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「年明けには単月ベースで貿易赤字に転じる可能性がある。低迷している輸出が良くなる要素は少なく、輸入額も原油価格の上昇により増加する」と指摘。

 ただ為替相場は「米国は年末に利上げするとみており、円安基調になると思う」と予測する。

[2016年10月12日]

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