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富士通、レノボと事業統合へ-パソコンにメス

 富士通は2月に分社したパソコン事業の新たな展開として、中国レノボ・グループと合弁会社を設立し、事業統合する方向で最終調整に入った。合弁会社への出資比率はレノボ側が過半数を握る見通し。富士通のパソコン事業はレノボの傘下に入るが、長年培ってきた自社ブランドと、工場などで働く従業員の雇用は維持する意向。月内の合意を目指す。(編集委員・斉藤実、梶原洵子)

 利幅の薄いパソコン事業を連結から切り離し、全社の経営資源を"強み"のシステム・サービス事業に集中する。富士通側ではすでに議論し尽くされ、残るは実行あるのみだった。同社は2015年6月に田中達也社長が就任し、改革路線を加速。この間、水面下で進んでいた東芝やVAIOとの合弁構想が白紙撤回となるなど迷走もあったが、「甘えの構造を排す」(田中社長)との強い覚悟で臨み、ようやく着地点が見えてきた。

 パソコン事業を合弁会社に移管して自社ブランドを残す方式は、NECとレノボのパソコン合弁契約と枠組みが重なる。この当時、社長だった山本正已会長はレノボ―NEC連合の誕生に「皆、考えることは似ている。我々がやりたかったことだ」と漏らしていた。

 今回の富士通とレノボとの顔合わせは意外性もあるが、あるべき選択肢の一つではあった。レノボ側もブランドが何であっても、製造したパソコンの販売台数が増えれば御の字。国内市場でNECや富士通が持つブランド力は絶大で、レノボ側の思惑と合致する。田中社長が経営方針説明会などで何度も繰り返してきた「ビジネスの質と形を変える」との思いが、ようやく実を結び始めた格好だ。

 9月には富士通テンへの出資比率を引き下げ、デンソーが子会社化することで合意。11月には東西の地域系システム構築(SI)子会社など主力3社を11月1日付で合併吸収し、主力のシステム・サービスの強化に乗り出す。今回のパソコン事業の連結外しは本丸であり、今後は全社レベルで攻めの体制づくりが急がれる。

■レノボ、日本の基盤固め狙う

 中国レノボ・グループがこれまで実施してきた買収は、規模の成長だけでなく、ブランドの取得にも大きな意味があった。05年に事業買収した米IBMのパソコン「シンクパッド」はビジネスに強く、11年に事業統合したNECの「ラヴィ」は日本市場に強い。スマートフォンでは「モトローラ」をそのまま残した。

 複数ブランドの保有は非効率な面もあるが、「多様性がレノボの個性。適材適所の切り札を持つことで、世界市場で成長できた」(レノボ・ジャパン広報)。特に独自の嗜好(しこう)を持つ日本市場では、NECの事業統合がなければトップシェアにはなれなかった。

 富士通のパソコン事業も傘下に収めればシェアは40%を超え、日本での基盤は強固になる。

 国内市場は縮小しており、大幅なコスト削減が不可欠で、富士通は年間出荷5600万台(16年3月期)のレノボ・グループ入りで部品の調達価格を下げて競争力が高まる。

 また、レノボは家庭用パソコンの価値をホームIoT(モノのインターネット)の中核として再定義するなど、コンピューターを生活の中に落とし込んで利用拡大を狙う。

 日本市場は欧米と並び、早い段階でのIoT普及が見込まれる。日本市場に強いブランドの取得は、この施策を後押しするとみられる。

[2016年10月 7日]

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