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著者登場/鶴田明三氏『これでわかった!超実践 品質工学』(日本規格協会刊)

―開発や生産の評価技術である品質工学を試みても、多くは途中で挫折すると言われます。

 「品質工学は設計品質の『見える化』や改善に役立つが、なかなか広がらない。社内外で品質工学を推進してきた立場から、何がハードルなのか考えてきた。例えば、ほとんどの技術者は品質工学の過程にある直交表実験を、人手や時間、コストの制約で実行できない。品質工学で重要な『機能』(製品の働き)の考え方を正しく教わらず、間違った実験もしている。データを処理する計算も現場にはレベルが高すぎる」

―出版の動機は。

 「自分なりに解決策を築き、発表すると、強い共感を得た。そこで『最速で実践でき、成果も出る』品質工学を体系的にまとめ、世の中に広めたいと構想していた」

―解説本は数多くありますが、どのように差別化したのですか。

 「品質工学を発明した田口玄一氏の哲学や数理を初心者が理解するのは難しい。入門書も最適設計を予測する『パラメータ設計』の手順が中心のものや読み物的なものが多い。読んで試しても立ち止まってしまう。そこでパラメータ設計の手順以前に大切な箇所や、迷ったり間違えたりしそうな点を現場目線で丁寧に解説した」

―品質工学で主要な概念の「基本機能」という用語をあえて使っていません。分かりやすい半面、考え方の割り切りや造語が多く、批判も招くのでは。

 「根本的な基本機能までさかのぼるのは難解。代わりに『エネルギー変換機能』と『制御型機能』という造語を提唱した。この二つで、ほとんどの機能をカバーできる。関西品質工学研究会が考案した『エネルギー比型SN比』(SN比=機能の安定性を測る物差し)を含め、品質工学会でも主張してきた。否定的な読後意見はまだ、聞いていない」

―読みどころは。

 「とかく前面に出されるパラメータ設計の前に、基礎となる設計品質の見える化と開発への導入に焦点を当て、実践に裏打ちされたノウハウとこつを紹介した。機能の定義、短時間の評価に有効な『ノイズ因子』(機能をばらつかせる主因)の設定では、パターンや指針も示した。エネルギー比型SN比も詳しく説明した。知人の推進者は早速『研修のテキストにぜひ使いたい』と連絡をくれた」

―自分にとって品質工学とは。

 「統計的品質管理(SQC)や実験計画法も活用したが、ばらつきを手の内に入れ改善するという点ではしっくりしなかった。しかし1999年に社外セミナーで品質工学を知り、基板実装工程の初実験で不良率をいきなり50分の1に低減できた。SN比だけで性能や品質を評価・改善でき、品質とコストを結びつけて考えることにも衝撃を受け、ライフワークとなった」

―ほかの有益な方法論と異なる魅力は。

 「技術士なので多くの方法論も知っているから、品質工学だけを勧めはしない。だが考えが深く、異なる視点や高い概念を学べる。正しい課題設定や、どのような課題でもある程度の議論や助言ができるようになる」

(南大阪支局長・田井茂)

◇鶴田明三(つるた・ひろぞう)氏 三菱電機 先端技術総合研究所グループマネージャー

【略歴】94年(平6)京大院工学研究科修士修了、同年三菱電機入社。生産技術センターや先端技術総合研究所品質工学センターを経て、13年から先端技術総合研究所環境・分析評価技術部信頼性基礎評価グループマネージャー。兵庫県出身、47歳。

[2016年10月 4日]

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