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雇用情勢改善も個人消費回復せず-背景に先行き不安

 雇用情勢が改善しているのに、個人消費が回復しない状況が続いている。厚生労働省がまとめた8月の有効求人倍率(季節調整値)は、24年10カ月ぶりの高水準だった6月と同じ1・37倍だった。一方、総務省が発表した8月の家計調査(速報)では、2人以上世帯の消費支出は実質で前年同月比4・6%減と6カ月連続で減少した。所得の伸び悩みや景気の先行き不安が背景にある。原油減産で輸入物価が上昇すれば、消費者マインドはさらに停滞しかねない。(編集委員・神崎正樹)

 雇用情勢は、確かに改善している。正社員の有効求人倍率も0・88倍と、3カ月連続で過去最高水準。総務省がまとめた8月の労働力調査(速報)でも、雇用者数は前年同月比83万人増の5722万人と、44カ月連続で増えた。

 ただ、正規の職員・従業員数(役員を除く)が8月末で前年同月比24万人増、非正規が同56万人増と、非正規の増加幅が大きい。全従業員の4割弱を占める非正規の処遇改善が進んでいないことが個人消費に影響している。

 総務省の家計調査によると、8月の消費支出(実質)は同4・6%減。勤労者世帯の同月の実収入(同)が同1・5%増の微増にとどまったほか、円高基調や景気の先行き不透明感から消費の回復力が鈍い。

 今後、注目されるのが為替相場と原油価格の行方。石油輸出国機構(OPEC)が減産で基本合意したことで原油価格が上昇すれば、個人消費にはマイナス要因。一方、円高基調は輸入物価を抑えるものの、輸出主導の日本企業の収益を悪化させるジレンマがある。

 日本は事業費28兆円超の大型経済対策により、どこまで内需を拡大できるかが景気浮揚のカギを握りそうだ。

[2016年10月 3日]

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