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書窓/シブヤパイピング工業社長・渋谷春寿氏「人間の生き方を教えてくれた『老子』」

 書道や絵画などに押す篆刻(てんこく)を彫るようになって、かれこれ40年程になる。書道を習っていた先生から勧められたのがきっかけで、いつのまにか書道よりも篆刻の方に興味が移ってしまった。篆刻を始めてから中国の書画関係者との交流が生まれ、日中書画篆刻交流会の副会長を務めるなど親好を深めている。

 手に取る書籍も、篆刻に彫る文字を探すためのことが多い。孔子の『論語』など中国の思想家が残した古典をよく読んだが、特に『老子』の教えの中には篆刻に使う有名な言葉がたくさんある。

 老子の教えを一言で言えば"無理せず自然体であれ"。自然の摂理に学び、無理をいさめ、柔軟で謙虚なことの大切さなど人間としての生き方を教えてくれる。周囲のモノは全て自然に帰るという意味の「帰朴」、しゃべり過ぎずに人の話に耳を傾けるべきだとする「稀言草堂」、水のように自然に生きることを善しとする「上善如水」など名言が多い。

 篆刻の影響かもしれないが、美術品を題材にした本にも自然と興味が向く。『桃花紅』(細野耕三著)は最初、知人から借りて読んだが、気になって買い求めたもの。桃花紅は中国清朝窯芸の粋を尽くした焼き物で、日本でも人気の中国古陶磁器だ。色彩の繊細さから作り方が非常に難しく、現存するものは少ない。

 写真で見たが、薄い紅色など微妙な色彩がきれいに表現されていて、その美しさにまつわる数々の伝説が残されている。著者はさまざまな伝説を丹念に調べ上げており、その努力は相当なものと想像できる。読みながら、本当に感心したものだ。

 高校から大学にかけては、海外文学を相当読んだ。トルストイなどのほか、バルザック全集も読破した。特定の分野にこだわらない乱読だが、若い頃に良質な文学に触れることができたのは恵まれていた。偏らず、幅広い視野を養うことができたのは読書のおかげだ。

(名古屋市中区大須1の22の51)

【余滴/長寿のゆえん】

 シブヤパイピング工業は工場の空調設備などの設計・施工を手がける。創業100年の老舗で、渋谷社長は「誠心誠意、顧客に向き合ってきた」と振り返る。

 「我々が知る歴史は勝者の歴史だ」と言う。書いてあることをそのまま信用せず、多様な考え方を取り入れることが大切だ、というあたりに、長寿企業たるゆえんを感じる。(名古屋・鈴木俊彦)

[2016年10月 3日]

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