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成長企業チカラの源泉(57)興研-やりがい引き出す人材育成

【清浄フィルター】

 興研は産業用防塵(ぼうじん)マスクで国内トップシェアを誇る。清浄フィルターの技術を応用し、クリーンシステムの開発を手がけるなど、新分野の技術開発にも力を入れる。

 初代社長の酒井義次郎が1943年に創業した興進会研究所が前身。戦後の52年、研究中の防塵マスクが国家検定合格の第1号となり、防塵マスクを量産化した。当時花形産業だった鉱山や造船所などで働く人たちの健康を支えた。

 現在では自衛隊防護マスクを1社で供給するほか、震災復興除染作業用の防塵マスクや、火山噴火時の捜索救護活動用の防毒マスクなど、さまざまな緊急事態で活躍する。感染対策用マスクでは、国内の保健所で採用率75%、感染症指定医療機関で同50%を誇る。

 「ニーズに素早く対応するのではなく、ウォンツを見いだし、他社に先駆けて取り組む」。こう力説するのは社長の村川勉。マスクの高い技術力を生かし、これまで不可能だったオープン環境でクリーン空間を生み出すスーパークリーンシステム「KOACH(コーチ)」を開発した。

 超極細のエアフィルターで清浄化された気流を発生させるユニットを対向させ、吹き出した気流を中央で衝突させるという大胆な方法で実現。

 1立方メートル当たり0・1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の微粒子が10個以下というISO最高クラスのクリーンルーム環境を10分強で生み出す。

 10年に産業技術総合研究所から初受注したのを皮切りに、理化学研究所、島根富士通、京都大学iPS細胞研究所など100カ所以上に納入し、最先端の研究を支える。東京大学宇宙線研究所では大型低温重力波望遠鏡施設「KAGRA(かぐら)」の一部を清浄化し、重力波の観測に役立てている。

【独創的商品】

 次々と新技術を生み出す力の源泉は人材教育にある。村川は「人を育て技術をつくることが、人まねではない新しい商品づくりにつながる」と話す。同社は連結で265人の社員のうち研究開発職は70人と4分の1以上を占める。

 毎月1回、技術者らが経営陣に対して直接、自らの研究成果を発表する機会を設ける。成果を評価し、社員のやりがいを引き出す。クリーンシステムも、この成果発表を通じて誕生した。

 2代目社長で現会長の酒井眞一郎が20年以上前に、この人材育成制度の基礎を築いた。強固な人材基盤によって生み出される新技術が次世代の成長を支えるカギとなる。(敬称略、松崎裕)

【企業プロフィル】

▽社長=村川勉氏▽住所=東京都千代田区四番町7▽設立=1963年12月▽売上高=77億8500万円(15年12月期)

[2016年9月28日]

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