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書窓/日本乾溜工業社長・沢井博美氏「判断の重要性見た『花かげの物語』」

 自分は本を読まない方だと思う。小さいころは漫画か雑誌くらい。今は書店で興味を引くタイトルの本を見付けると買うこともあるが、普段は経済誌程度。そんな自分が感動し、社員に読んでほしくて各部署に1冊配ったのが『花かげの物語』(土居善胤著)だ。

 内容は1980年代の春、福岡市で実際に起きた話。道路工事で伐採されることになった桜の木に「花あわれ せめてはあと二旬 ついの開花を ゆるし給え」と書いた色紙が掲げられた。20日待ってくれれば花は咲き終える。切るならそれからにしてほしいとの願いだ。それを見た人たちが心を動かし、知り合いに教えて話が広まる。ついには市役所に伝わり市長を動かし、伐採は中止になった。

 心に残ったのは、工事に関係した市役所の人を含め、この件に関わった一人ひとりが控えめなこと。桜の言葉は伐採中止を直接的に求めてはおらず、粋を感じる。その言葉に触れた人の縁で話が広がってゆき、小さな行動が大きくなっていく様子に人の縁の不思議を思った。市役所や市長の対応も粋だった。

 当社は公共工事を手がけるから分かるが、始まった工事を変更するのは大変なこと。工程も予算もある。色紙が無視され伐採されても当然だった。また伐採が中止され、工事が変更になっただけではない。話は全国に広まり、現在でも語り継がれ、その桜を見るために今でも全国から人が集まることに驚く。

 社員、特に若い人に読んで知ってほしいのは本に登場するような公務員がいるということ。役所は融通が利かないイメージもあるが、そうではない人が今でも必ずいる。

 私は市長の行動からトップの判断と振る舞いの重要性についても考えさせられた。この本を手にしたのは13年。実は本を読む前から登場人物の中に知る人がいて、話は聞いていた。著者とも偶然会ったことがある。そんな自分自身の縁にもつくづく不思議を感じる。

【余滴/「縁」と「つながり」】

 沢井社長は「縁」「つながり」への意識が強く、人の縁を大切にする。仕事に生かせる"人脈"というものを抜きに、肩書がない趣味の集まりでも積極的に交流を図る。
つながりでは自然や次世代とのつながりを思うことが増え、歴史がある京都や老舗企業への関心が高まっている。そして自社の永続性に思いをはせる。(西部・関広樹)

[2016年9月26日]

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