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失敗に秘められた創造力を発揮しよう

アメリカの会社が開発した付箋紙「ポストイット」。いまやオフィスの必需品となった同商品も、元はといえば失敗から生まれた商品だ。これも有名な話なのでご存知の方も多いかと思う。

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1969年、ひとりの研究者が接着力の強い接着剤の開発要求を受けた。実験を繰り返し、試作を重ねるうちに、ひとつの試作品を作りあげたのだが、テスト結果は期待していたものとはまったく違っていた。「よくつくけれど、簡単に剥がれてしまう」、接着剤としては明らかに失敗作。

通常こうした失敗作はすてられてしまうものだが、なぜかその時研究者はそうしなかった。フとしたことから付箋紙に変わる新商品としての活用を思いたち、その成功に精魂を傾ける。試行錯誤を加え、ついにメモ型のポストイットとして商品化に成功させた。営業も苦労したが、大企業の役員秘書たちの間で人気が高まり、ついには全米での発売にこぎつけた。なんと失敗作が生まれてから11年の月日を経た1980年のことだった。

苦手意識、あきらめの先入観、手つかずの逃げ心―。おうおうにしてはじめてのことに取り組む場合、誰にでもこのような“弱い心”がでてくる。しかし失敗を恐れず、失敗をも糧とし、新たに挑戦した時、はじめて大きな視界が開けてくる。仕事においても、生活においても、勝利へのカギはすべて自身の心の内にあると肝に銘じたい。

とともに、それを支える環境も大切となるだろう。件の研究者の執念を支えていたのが、在籍していた社の制度だった。その会社には執務時間の15%を自分の好きな研究に使ってもよいとする「15%ルール」、たとえ上司の命令に背くことになっても、自分の信じる研究をするために会社の設備を使ってもよいという「ブートレッギング(密造酒づくり)」という不文律があった。

研究者は、このルールを最大限に活用し、ポストイットの開発に邁進したというわけである。失敗という創造力を発揮するためには、創造性を醸成し、活かすだけの組織風土が必要となる。しかもそこにはただの制度づくりだけではなく、上にたつものの人間性が問われてくることになるのだ。

目次

「失敗は成功の素」―失敗というネガティブな事象に、じつは創造力が内在しているというこの言葉はあまりにも有名だ。この創造力を大いに“発揮”して商品を開発した興味深い話がある。

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