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経営!一歩前へ!


確信となる何かを得る

不運なら、運不運を忘れるほど仕事に熱中してみよ

世情が不安定になると将来への不安が社員の目を曇らせていきます。不安が強いと目の前の仕事に精魂を使えなくなるものです。そういうときは、社員が目の前の仕事に誰よりも精魂をかたむけることができよう差配してあげることが、経営者や上司の役割ではないでしょうか。

ゼネラリストかスペシャリストか

政権が民主党に移ってから稲盛和夫氏の名前をよく見かけるようになり、著書や関連本に気を配っていると、会社の将来を担うような20代、30代の社員に対する厳しくも温かい言葉がいくつもありました。

「不運なら、運不運を忘れるほど仕事に熱中してみよ」という言葉には、失われた10年といわれた90年代に社会人としてのスタートを切り、仕事と家庭の維持に四苦八苦している30代には大きなヒントになります。

さらに「20代、30代のときには、どんなことでもいいからとことん突き詰めて究めることが大切だ。ひとつのことに精魂をかたむけ、どんなことでもいいから確信となる何かを得ることだ」とも教えてくれる。どの分野でも少しでも精魂をかたむけたことがあれば合点がいくはずでしょう。

稲盛氏ほどの成功を手にすることでなくとも、"確信"というものはあるのではないですか? 仕事をする上で簡単には負けないというある感覚というか、センスというか自分だけに見えているような核心めいたものです。

20代、30代からゼネラリストになろうとすることが必ずしも悪いとは思いませんが、突き詰めなければ見えてこないものがありますし、取材で経営者に多くお会いすると、経営を担っている世の経営者は十人十色に逞しい確信の持ち主だと実感します。富士通の山本卓眞顧問は「突破力を身につけるには得意分野を掘り下げなくてはいけない」「若いうちからゼネラリストを目指すような人間は、これからはもういらなくなる」と厳しく言っていました。

こういった大人物たちのいわゆる金言名言を社長や上司が部下にただ言うだけでは、あまりに遠すぎて、部下にとっては「んー、まあそうなんだけど...」となってしまいます。これらの言葉にある、「精魂をかたむける」「得意分野を掘り下げる」ということが、部下たちにとっては何か自分のやっている仕事とはレベルが違うと感じ、遠いことのように思ってしまうものです。「いま取り掛かっている目の前の仕事のことなのだな」と感じてもらうことが大切でしょう。

精魂をかたむけることの重要性

佐藤栄作元首相や、オードリー・ヘップバーンなど国内外の要人が愛して止まない靴磨き職人に井上源太郎氏という方がいます。「精魂をかたむける」「得意分野を掘り下げる」の究極のような人です。ホテルの地下3階にある三畳の店に世界中の有名・著名人がやってくるのです。井上氏のことを書いている『サービスの達人たち』(野地秩嘉/新潮社刊)にこんなくだりがあります。

「源ちゃんは金さえ払えば客だと思っているようなケチな根性が大嫌いなのだ。靴さえ磨いてもらえばいいという態度でしか人とコミュニケートできないようなしみったれた野郎とつき合うことは我慢できないし、そういう人間は結局、靴を大切にしない馬鹿野郎だと見抜いている」
  「靴を磨いているときにはお客さんの姿をイメージしながら仕上げるんだよ。だからその人の姿が思い出せないようになったら、仕事したくないんだ、うん、それが人と人とのつき合いってもんでしょう」

井上氏だって、アルバイトのようにホテルに入り、偶然はじめたのが靴磨きなのです。目の前にある多少なりとも性に合ったことを突き詰めた。そうしたら格別に好い「人と人とのつき合い」(コミュニケーション)が可能になったということです。確かに金を払えば客だと思っているような人は、客の立場でもこんなに好い人と人とのコミュニケーションは味わえないのではないでしょうか。

突き詰めるものは目の前にいくらでもあります。仕事机の整理ひとつとっても突き詰めればプロフェッショナルでしょう。社員のひとりひとりが何でもよいから稲盛氏のいう「確信」となる何かを得ることができれば、会社の可能性は大きく広がると思うのです。


掲載日:2011年3月 7日

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