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経営!一歩前へ!


能力×時間×効率

吉越浩一郎著「デッドライン仕事術」に学ぶ

赤字が続いていたトリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長に就任し、19年連続増収・増益、最終的には70人で500億円を売り上げるプロ集団に鍛え上げた同社元社長の吉越浩一郎氏。著書には、経営者だけでなく社員も自分を鍛えるヒントがあふれていた。

一にも二にも“集中”

“残業禁止令”に代表される数々の施策を断行し、19年連続増収・増益を成し遂げた経営者として有名な、元トリンプ・インターナショナル・ジャパン社長の吉越浩一郎氏。

吉越氏に対して、“組織力”“ワンマン経営者”“欧米式経営信奉者”のイメージを持っていたが、最近になって著書『デッドライン仕事術』(祥伝社新書)を改めて読み、イメージの誤解を恥じるとともに、経営者のみならず会社員にとっても具体的な指導に富んだものであると実感した。

吉越氏は、「仕事というのは基本的に『個人の営み』である」という。だから、よくある和やかで和気藹々とし、会話のあるオフィスを必ずしも肯定しない。よい仕事をするためには、一にも二にも“集中”であって、雑談だのお茶だのと思考の集中を止めていていい仕事ができるはずがないと考える。

ワイワイガヤガヤからいろんなアイデアが生まれてくる、ということは極々稀なことで、ほとんどの場合ろくなアイデアなど生まれてこない。会社にいる8時間は徹底的に集中しろ、ということなのだ。忙しければ残業だと言っている人間は本当に8時間集中しているか? すべての仕事に明確な締め切り日時を決めてやり切っているか? と吉越氏は問うている。

確かにと頷いてしまう。本当に真剣に企画や記事を練っているときに、上司からどうでもいいようなことを“あれ、どうだったっけ?”などと聞かれることが頻繁であれば、たまったものではない。なぜなら、作り上げ組み上げていた思考がその都度中断され、また少し前からやり直しだからだ。吉越氏はそういう時間こそワイワイガヤガヤの弊害であり、無駄だという。

明確な日時設定がなければ、よい仕事はできない

しかし集中があって残業がなくなるのではなく、デッドラインがあってこそ集中力と効率がアップするというのだ。“一日”というあいまいな定義ではなく、9:00~17:00と明確なデッドラインを決めるからこそ、効率があがるという。

余談ながら本書を読むにつけ、米メジャー・リーグで活躍するイチロー外野手を思い出した。本書中、仕事のできる人間として例に出されているのは、タクシーの運転手や板前、社員の大勢いる場所に何の仕切りもなく机を置いている現場そのものの社長など、皆が“職人”である。イチロー外野手もまた、スポーツの世界における“職人”といえるのではないか。

アウトプットは「能力×時間×効率」である

また吉越氏は、組織の潤滑油のような存在として評価を受けることの多い“調整バランス型いい人”についても、注意を促している。いい人だから仕事ができないということはないが、仕事のできない人に共通する項目でもあるというのだ。逆に、「実際、人当たりがきつくて嫌味な感じのするビジネスマンで、仕事のできない人間にはあまり会ったことがない」と実感を述べている。

そして、リーダーたるもの潤滑油的人材を多くしすぎてもダメで、「多少愛想が悪くとも、仕事さえできれば認める姿勢を持つことが、残業をなくして効率化を進める上でも不可欠だと思う」と言っている。

組織に属する会社員は一般的に言う“2-6-2の法則”が概ね実感として正しく、優秀な2割、可もなく不可もない6割、ぶらさがりの2割はという割合は、人を増やしても減らしても変わらない。そして、「できる人間は最初からできる。誰に教わるわけでもなく自分で盗み会得していく」という。

要するに、吉越氏は会社に入社してくるような年齢に至って、仕事に関して人間の能力というものは決まっているというのだ。ただし、アウトプットは「能力× 時間」ではなく、「能力×時間×効率」であるから、能力が高い人間が自分より能力の低い人間よりよい仕事ができるとはいえないといっており、こここそが組織力を高める上で大切な視点であろう。「能力差は『効率アップ』で逆転可能だ」というわけだ。

経営者にも社員にも求められる仕事力が年々高くなっているいま、吉越氏の著書の価値はより高まっていると感じる。吉越氏のように今一度、「時間」を徹底的に考え抜くべきではないだろうか。


掲載日:2011年2月 7日

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