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経営!一歩前へ!


真剣な面持ちで仕事に励む外国人

今後の展開が気になる国際研修制度

水産加工の製造現場を取材した際、真剣な面持ちで仕事に励む外国人を目にした。これは、国際研修制度を利用して日本で学ぶ研修生たちだった。この制度は国会などで不法滞在者増加につながっているのではないか等の懸念が問題にされるが、しかし、製造業者は募集をしても日本人の若者が集まらない現状を、この制度を有効活用することで打破しているケースがあるという。この制度の現場を取材し、今後も製造現場の労働力確保の観点から、慎重に議論してもらいたいと切に感じた。

研修生受け入れの実態

我が国には、企業が海外から研修生を受け入れるための入国資格制度がある。3カ月程度の座学を中心にした短期研修から、1年以上にわたる技術実習を含む実務研修(最長3年間)まで実施できる。

数万人規模で入れ替わり立ち替わり国内企業にやってくる研修生の出身国は、アジアを中心にさまざまだ。しかし、何と言っても圧倒的に多いのは中国。全体の7割前後になる。

ところが、この国際研修制度、国会等で何かと問題にされることが多くなった。「研修生の名目で、不足した労働力を安価に補っている」「エスケープ(研修放棄)で不法滞在者が増える」「研修費や給与が不当にピンはねされている」等々...。こうした声があがると、なぜか入国管理局は突然、研修生の入国審査全般を厳しくし、計画的に研修生受け入れをしている企業があおりを受け、研修中断という事態が多数生じている。

国内企業での研修生受け入れの実態は、どうなっているのだろうか。実際に大企業や中小企業で話を聞いてみた。
 「やはり3K業種というか、手や体を動かす職場には若い担い手が来ないのですよ。研修生の形でも、若い人たちが職場に入るとベテランを含めた社員のモチベーションがあがるのです」――こう語るのは、東海地方の水産物加工会社の社長。

「特に外国から来るというと、日本人は親切だから何かと世話をやくんですね。それに"模範になろう"という気持ちが出て、職場全体が締まるというか、とにかくお金を負担して研修してもらう以上の効果があるのですよ」(同)

ちなみに、この会社は最近、受け入れ国を東南アジア諸国から中国へと切り替えた。「やはり、漢字文化の共有が大きいですよ。機械のマニュアル等も飲み込みが早い。それに、ゆくゆくは中国で営業展開を考えていますから、研修生を将来の現地幹部候補生にとも考え始めているのです」(同)

有効に活用され効果をあげている

大企業の職場では、また違った事情があった。ある大企業の地方事業所で短期研修を終えて帰国する研修生の歓送会に出席し、受け入れを統括する海外事業交流担当者と話をした。

「うちの場合は、中国の貧しい地方から研修生を受け入れることで、あちらの政府にも協力してもらっています。当社が中国の貧困克服プロジェクトに協力することで、現地との信頼関係を築き、事業活動のネットワークづくりに繋げています」

実際、この企業は中国では各省ごとに事業シェアを確実に伸ばしている。すでに20年以上にわたり、中国各地からの研修生を受け入れ、その都度に現地進出を果たしてきているのだ。今回帰国する研修生も中国西域奥地の若者たちだった。

このように、企業の規模や業種によって研修生を受け入れる意図や効果は異なるようだが、いずれにしろ国際研修制度は有効に活用され効果をあげているという印象をもった。

政権交代がなったいま、「研修制度で質の低い外国人労働者が入る」という近視眼な発想ではなく、この制度を有効利用して生産の担い手を確保している製造業が多いことを認識し、主役であるそれら中小企業がより多くの利益をあげられるような制度として管理・運用してもらいたいものだ。


掲載日:2011年1月11日

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