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大学編

NO.185
2.3 機能加工 2.3.2 その他の加工
研究者名 高麗 寛紀
所属 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 教授
研究テーマ 環境有害微生物の制御と応用に関する研究
概要(文献10)

1.環境調和型微生物制御剤

人類が健康で快適な長寿社会を維持するためには有害微生物を効果的に制御し,感染の危険性を低下させることに加えて耐性菌を出現させない化学療法剤の開発が非常に重要である。一方、スペースシャトルのステンレスパイプに細菌腐食による穴の発生事故,金属材料,無機材料,プラスチック,石油製品,電子材料,接着剤,塗料,繊維,ゴム,香料,油脂,医薬・化粧品,木材,皮革,食品および紙製品等が微生物劣化により多大の経済的損失を被っている。これらを防止する抗菌剤の開発も重要である。しかしながら,抗菌剤は少なからず毒性を有していることより,低毒性で環境に優しい抗菌剤の開発研究が必要である。 我々の研究グループは,環境への拡散を防止した無毒性「固定化抗菌剤」,無機結晶物質に銀を強固に担持させた光触媒系「固体殺菌剤」,環境中で速やかに生分解性構造に変化する「ジェミニ型第四アンモニウム塩殺菌剤」およびポスト抗生物質「ペプチド系抗菌剤」の開発研究を行なっている。


2.抗菌剤に対する細菌の耐性化機構

病原微生物は抗生物質と同様に様々な抗菌剤や消毒薬に対して耐性を獲得し、医療や高齢者介護現場、また食品や医薬品生産現場を汚染して我々の生活を脅かすことが問題になっている。本グループでは日和見病原菌の代表格である緑膿菌が第四アンモニウム塩系抗菌剤(いわゆる逆性石鹸類)に対して耐性化する機構を研究しており、外膜タンパク質の一つOprRが深く関与するシステムがその耐性化機構の大部分を占めることを明らかにした。 さらにOprR の機能についても研究を推進している。 また緑膿菌以外にも病原性大腸菌等の病原性細菌の抗菌剤耐性化機構の検討を進め、これらの耐性化分子機構を明らかにすることによって、耐性を生じない強力でかつ環境に優しい新規抗菌剤の開発を目指している。


3.ジェミニ型第四アンモニウム塩系殺菌剤の殺菌機構

ジェミニ型第四アンモニウム塩系薬剤(gemini-QAC)は、大腸菌表層に存在するマグネシウムイオンとの置換反応により細胞内に侵入し、電子伝達系を担う呼吸系酵素群を阻害すると同時に細胞表層にブレッブを形成する。このブレッブが剥離すると、細胞表層に小さなポアが形成され、そこからLPS、ポーリンタンパクのような細胞膜構成成分及びATPが漏洩する。さらに、細胞内部まで侵入したgemini-QACがペプチドグリカンを破壊し、細胞表面に形成した大きなホールから細胞内物質を漏洩させることが細菌に対する致命的な攻撃であることがこれまでに解明されている。また、gemini-QACは一般的に使用されている各種殺菌消毒剤よりも非常に高い溶菌作用を有し、この溶菌作用はオートリシンのような酵素が関係した反応ではなく、物理的細胞破壊作用が関係した溶菌であることも明らかにした。現在は、より高い機能を有する殺菌消毒剤の分子設計に関する情報を得るために、グラム陰性細菌だけでなく、グラム陽性細菌、酵母、黴に対するgemini-QACの殺菌機構についても検討を進めている。



キーワード 生物有機化学,応用微生物学,生物・生体工学