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大学編

NO.176
2.3 機能加工 2.3.2 その他の加工
研究者名 堀 照夫
所属 福井大学 大学院 工学研究科・ファーバーアメニティ工学専攻 教授
研究テーマ 超臨界流体を用いる繊維・高分子の機能加工
電子線グラフト反応を用いる繊維・フィルムの機能化
概要(文献5)

1. 超臨界流体を用いる繊維・高分子の機能加工

繊維や高分子の機能加工は、その繊維重量の約100 倍量の加熱水中で(80〜130℃)行われる。廃液中には、加工に用いた化学薬品、機能剤などを多く含み、この処理コストも大きい。このようなプロセス用の媒体として超臨界二酸化炭素(scCO2)を用いると、廃液処理が不要になる、助剤を必要としない、乾燥工程がいらない、従来加工できなかった繊維・高分子の高機能な加工できるようになる、加工速度が迅速でエネルギーが少なくて済む、などのメリットを有することを見出してきた。我々のこの研究成果は、繊維・高分子工業を活性化し、業界にブレークスルーを与えることで世界から注目されている。

新規性:繊維・高分子材料は衣料や日用品のみならず、電子材料、情報送信用材料、人工臓器、医療材料、超高性能電池材料から航空機や宇宙ステーション建設材料まで利用されるようになった。超臨界流体を用いる加工技術を利用すれば、従来不可能であった材料の機能化加工、より高性能で新規な加工が、低環境負荷で、省エネルギー的に行うことが可能となる。

応用例:ポリプロピレンやアラミド繊維など従来染色不可能であった染色の実用化、各種繊維・高分子の機能化(親水化、抗菌加工、メタル化など)、繊維ワイヤーの製造、光ファイバーの高性能化


グラフィカルな社会還元までのチャート

2.電子線グラフト反応を用いる繊維・フィルムの機能化

繊維・高分子に電子線を照射することで高分子の主鎖または側鎖に活性菜ラジカルが生成する。これを利用し、色々な繊維・高分子にビニルモノマーなどを作用させることでグラフト重合が容易に進行する。これまでにこの反応を有効に進行させるために加工する織物を上下からフィルムでシールする「フィルムシール法」を開発し、ポリエステル、ポリプロピレンなどの繊維の高機能化(親水化、超撥水化、電子伝達機能の賦与など)技術を開発してきた。さらにこの方法を発展させ、繊維表面で無機物と複合化する技術も研究し、PET 繊維やPP 繊維とハイドロキシアパタイトとの複合化に成功している。キレート機能を有する官能基を導入すれば金属イオン捕捉繊維の調製も容易に行える。

新規性:不活性な汎用高分子および繊維の表面に色々な官能基をできるだけ化学薬品を用いずに機能化できるこの方法は新規性が高く、省資源・省エネルギープロセスとして注目され、NEDO の助成金を得て、実用化の研究が進んでいる。応用例:各種疎水性繊維の親水化加工、各種繊維の抗菌加工・防炎加工、消臭加工などの機能加工、金属イオン吸着繊維の調製、高性能フィルターの調製、電池材料の調製など。


キーワード 超臨界流体、機能化、電子線、グラフト反応、金属捕集、廃液処理