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大学編

NO.170
2.2 染色 2.2.1 染色
研究者名 濱田 州博
所属 信州大学 繊維学部 素材開発化学科 素材修飾化学 教授
研究テーマ 超分子機能繊維の創出と実用化
ケブラーの染色機構解明と最適染色加工法の構築
概要(文献3)超分子機能繊維の創出と実用化

1. 超分子機能繊維の創出と実用化

近年、染色加工分野でも環境負荷軽減が叫ばれており、廃水低減を目指した新たな染色法の確立が課題となっている。本グループではこの目的のために染料と助剤の高次錯合体を繊維中に構築する超分子染色機能加工法の開発といった新規染色法 (超分子染色加工法)の研究開発を行っている。この他、廃水低減のために染料を効率よく取り込む、新規助剤の開発や導電性超分子を繊維中に構築するなどの超分子機能繊維の創出と実用化を目指し研究開発を行っている。


超分子染色・加工法の概念図 染料・助剤錯合体の模式図
超分子染色・加工法の概念図 染料・助剤錯合体の模式図
綿への染着量に及ぼす新規助剤の効果/ボウ硝による効果との比較 超分子系を利用した染料廃液処理
綿への染着量に及ぼす新規助剤の効果(●)
ボウ硝による効果(▲)との比較
超分子系を利用した染料廃液処理

2.  ケブラーの染色機構解明と最適染色加工法の構築

ケプラーは、これまでその染色や加工は容易ではなかった。近年、特殊な紡糸により作成されたケプラー繊維は分散染料等で容易に染色できることが明らかとなっている。そこで、本研究では、その染色機構を明らかにするとともに、ナイロン等のポリアミド繊維の染色で用いられる酸性染料や綿の染色で用いられている反応染料による染色を試みた。酸性染料や反応染料による染色を可能にすることにより、他の繊維とケプラーを混紡した場合の染色も容易となり、さらに使用用途の拡大を目指すことが可能となる。このために、染色助剤としてさまざまな構造を有するボラ型電解質を助剤として使用し、酸性染料や反応染料の染着量に及ぼす効果を検討した。

両末端にさまざまな官能基を有し、連結基にさまざまな長さのアルキル基を有するボラ型電解質を使用し、酸性染料や反応染料を用いて、ケプラー®繊維の染色を80℃で検討した。繊維に染着した染料の収着量を顕微紫外可視近赤外分光計により見積もった。その結果、助剤として使用したボラ型電解質の末端基構造や連結鎖長により染料収着量が変化することが分かった。また、酸性染料の構造や反応染料の構造によっても染着量を大きく変化した。さらに、特殊紡糸したケプラー®繊維の履歴(紡糸後の時間や保管状態)によっても染色性が変化することが明らかとなった。今回、反応染色が可能となったことで、より強くケプラー®繊維に染料を結合することが可能となった。これによりさまざまな堅牢性が向上するものと思われる。

下図は、ケブラー®繊維をオレンジ色の酸性染料で染色したときの顕微可視スペクトルである。助剤の種類により染まる濃度は変化するが、酸性染料で十分な染着が行われることが分かる。また、水溶液中での最大吸収波長よりも長波長側に吸収が見られ、ケブラー繊維の構造が発色に影響することが明らかとなった。


ケブラー繊維・顕微可視スペクトル

キーワード 高分子・繊維材料, 機能材料・デバイス, 高分子化学, 機能物質化学, 物理化学, 複合材料・物性