J-Net21レポート

05.共同でチャンスを広げる高度化事業

ほかの制度融資では見られない優遇措置や、長期の償還期間に低い金利。しかも、専門家によるアドバイスが無料で受けられるという、至れり尽くせりの高度化事業。平成16年度には制度の見直しも行って、さらに使いやすくなりました。

事業の運営もアドバイス

J-Net:さらにお聞きしたいのですが、このアドバイザー派遣は、貸付け後も受けられるのですか?

中島:はい。貸付け後は、組合の運営に関することや事業の進め方についてもアドバイスしますよ。

J-Net:それは定期的に行われるものなのですか?

地域経済振興部 地域振興企画課 中島課長

地域経済振興部 地域振興企画課 中島課長

中島:事業決定後は、円滑に事業が遂行されているか、問題はないかなど、県を通じて年1回程度、定期的に診断することはありますが、専門家の派遣はそれとは別に希望があればアドバイスを行います。
  ですので、定期的な診断の際に「実は、こういうところがうまくいってなくて…」といったことを、都道府県の職員に何気なくお話したことから、「それでは、アドバイスを受けてみては?」ということで、専門家派遣を利用されることもあるんです。

J-Net:利用の申し込みは都道府県を通じて行うのですか?

中島:そうですね。事業計画の提出も都道府県と一緒になって行いますが、そこでなんでも気軽に相談できる関係ができていると、さきほどの例のように、問題の芽が小さいうちに解決の糸口が見つかったりしますから、事業を継続していく上で、都道府県とのコミュニケーションは非常に重要だと思います。窓口は各都道府県の中小企業担当課ですので、気になることはなんでもご相談いただければと思います。

地域経済振興部 地域振興企画課 西課長代理

地域経済振興部 地域振興企画課 西課長代理

西:それから、一体となって取り組む体制ができているかが大事だとお話しましたが、そうした体制の維持や組織づくりのために、なかには中小企業大学校の研修を利用されている企業などもあります。毎年恒例にしていて、どの企業も同じ時期に休みをとって、大学校の研修に参加するのだそうです。幹部が参加することで親睦を深めたり、ちょうど抱えている課題の解決に役立つものを各企業の従業員が一緒に受講することで共有化を図ったり、事業を10年も20年も継続していくとなると、代替わりもありますので、事業承継を円滑にすすめたりするのに非常に役に立っているときいています。

J-Net:親睦を深めたり情報を得るのにゴルフ大会を開催するという例はよくききますが、大学校の研修を利用するとはいいアイデアですね。たしかに勉強にもなるし、人吉校なら、ゆっくり温泉につかりながらという楽しみもありますね。(笑)

西:そうですよね。

関連情報

各都道府県の中小企業担当課(相談窓口)






中小企業大学校では、中小企業の人づくりのため、中小企業支援担当者等に対する研修、中小企業の経営者・管理者等に対する高度で専門的な研修を実施しています。
人材支援(中小機構)

ニーズに合わせてさらに使いやすく

J-Net:ところで、事業の継続ということでお聞きしたいのですが、20年、30年と経過すると、建設した設備が老朽化するとか、環境変化に合わせて変更したい、追加したい設備というのもでてくると思うのですが、リニューアルなどにも高度化事業は利用できるのでしょうか?

中島:できますよ。高度化事業は昭和42年から実施されている事業ですが、状況の変化や寄せられる要望を受けて、制度の見直しや改善を行ってきました。リニューアルについても、制度の見直しを行った点の一つで、従来は限定的な運用にとどまっていたのですが、「施設再整備貸付」として積極的に行うようになりました。

埼玉県熊谷市の流通センター。コンピューター制御などの最新システムによる物流業務が可能となり、情報・物流機能を大幅に強化できた。

埼玉県熊谷市の流通センター。コンピューター制御などの最新システムによる物流業務が可能となり、情報・物流機能を大幅に強化できた。

J-Net:リニューアル以外に、事業の見直しや改善で変更されたのは、どういう点なのでしょうか?

中島:ご存知かと思うのですが、高度化事業は、「集団化事業」、「集積区域整備事業」「共同施設事業」「施設集約化事業」といったように、事業の主体や形態によって分けられているのですが、各事業において付されていた細かな定義、例えば、集積区域だと、どういうものが集積区域に該当するのかといったことに細かな定義があったのですが、そうしたものが廃止されました。

J-Net:事業の見直し・改善によって条件が緩和されて、さらに活用の幅が広がったということですね。こうやってみてみると、たしかに事業の形態別に分類されていますが、ほぼどんな事業にも活用が可能なのではないですか?

西:そうですね。事業を分類してご紹介していますが、こうした事業にしか活用できないということではなくて、むしろ、いろんな事業に利用できますということをお伝えできればと考えています。
  想定している事業では高度化事業の利用は難しいのではないか、ではなくて、事業のアイデアがあれば気軽に都道府県に相談していただきたいと思います。都道府県の窓口で相談することで、いろんな情報が得られますし、アイデアもふくらみます。県の職員にはノウハウがありますから、事業をみきわめて、こういう形態で事業計画を提出したらいいのではないか、こういう施策も利用できるのではないかということを一緒に相談できますので、事業化への道が開けてくると思います。

J-Net:なるほど。とにかく、事業のアイデアがあれば、何はともあれ、相談に行くのがよさそうですね。お話をうかがっていて、高度化事業というのは古くからある施策なのに、すごく新しいというか、どんどん事業の可能性が広がっていく施策という印象を受けました。事業化することで雇用が生み出されて、そこに暮らすひとびとのくらしが豊かになる。実際に、こんなにも身近にあって役立っていること自体が、やはり「政策性が高い」施策である証拠だと思いますが、今後は、今までなかったような事業がこの施策を活用することで実現されるのも見てみたいですね。
  本日はありがとうございました。

関連情報

リニューアル事業の推進と高度化事業の主な改正点について詳しくは、こちらをご覧ください。
・見直し・改善について
(高度化事業への支援)

・地域商店街活性化法第10条に基づく市町村の高度化事業について

前へ

J-Net21レポートのTOPへ戻る