J-Net21レポート

05.共同でチャンスを広げる高度化事業

高度化事業を活用した事業の事例を見ていると、普段よく使っているショッピングセンターや、商店街の名前がちらほらと。本当に身近で活用されていることに驚かされます。
  今回は、この高度化事業をもっと身近に感じて、活用していただけるよう、毎回恒例となっている担当課インタビューに行ってきました。

高度化事業の優遇措置

J-Net21編集部(以下J-Net):こんにちは。こちらが「地域経済振興部 地域振興企画課」ですね。今日はよろしくお願いいたします。
  高度化事業ときくと、その名称から、どうしても「難しい」というイメージがあって、なんだか遠い存在に思っていたのですが、いろんなところでこの施策を活用した事業が展開されているんですね。びっくりしました。
  こんなに活用されているのは、やはり使いやすいからだと思うのですが、その特徴は何でしょうか?

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高度化事業を活用した事業の事例については、こちらをご覧ください。
活用事例(ハウトゥー高度化)

地域経済振興部 地域振興企画課 西課長代理

地域経済振興部 地域振興企画課 西課長代理

西課長代理(以下 西):そうですね。大きな特徴は貸付条件が非常に優遇されていて、利用要件の幅が広いことでしょうか。
  高度化事業というのは、中小企業の方々が共同で経営体質の改善や、経営環境の変化への対応を図る事業に必要な資金を融資する施策なのですが、例えば、事業規模については下限も上限もない。つまり、貸付額の下限も上限もないんです。

J-Net:上限がないんですか?

西:はい。それで、貸付対象は事業を実施するのに必要な土地、建物、構築物、設備などの施設となるのですが、その施設を設置するための資金の80%以内であれば、貸付けができます。(注1)

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貸付条件の詳細については、こちらをご覧ください。
貸付条件(高度化事業への支援)


注1
中小企業の振興に係る関係法律の認定等を受けて実施する事業においては90%以内の場合もあります。

J-Net:貸付は、中小機構から直接受けるのでしょうか?

西:いえ。貸付の窓口は都道府県です。
  貸付を受けるにあたって、事業者は事業実施計画書を都道府県に提出して、計画の妥当性や実現性について診断を受けます。診断の結果、計画内容に改善が必要な場合は改善策を提出していただくこともあります。改善策の内容がOKとなると、中小機構から都道府県に必要な資金の貸付けを行い、都道府県がさらに資金を加えて、事業者に貸付けが行われる仕組みです。

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高度化事業に関する申込・相談窓口は都道府県の中小企業担当課です。
また、中小機構の本部・各地域本部でもご相談いただけます。

J-Net:貸付の上限はないとか、診断も受けられるとか、なんだかここまでのお話だけでも十分優遇されていることがうかがえるのですが・・・

地域経済振興部 地域振興企画課 中島課長

地域経済振興部 地域振興企画課 中島課長

中島課長(以下 中島):高度化事業というのは、国は中小企業政策に、都道府県は各自治体の産業政策に基づいて、国と都道府県とが共同して実施する事業なので、その点で政策性の極めて高い融資なんです。ですから、他の制度融資では通常見られないような優遇措置がたくさんあるんですよ。
  そうですね、そのほかには法律の認定(注2)を受けた事業や、災害復旧を図る事業の場合は「無利子」になるとか、地方自治体によって異なりますが、その地方独自の税制優遇が受けられるといったこともあります。
  もちろん、償還期限が最長で20年あるとか、金利は償還期限まで固定されているといったことも高度化融資の特徴ですね。

J-Net:融資額もさることながら、返済も長期でかつ低利というのは、資金調達手段としては本当にありがたいですよね。
  ところで、貸付を受ける場合、事業の実現に向けてそのスピードが大事だと思うのですが、事業規模が大きいとどうしても審査などの手続きに時間がかかって着工が遅れるというイメージがあります。どれくらいの期間で貸付が受けられるのでしょうか?

中島:事業実施計画書の提出から事業決定、すなわち貸付が内定して着工するまで、最短だと4か月です。
  ちなみに、手続きに時間がかかるわけではないんですよ。事業計画が固まっていれば手続きは早いんです。時間がかかるのは事業計画の策定で、こちらは時間がかかるというよりは、むしろ、事業を成功させるためにもじっくり行っていただかなくてはならないと考えています。

J-Net:それは事業の規模もそうですし、共同事業という性格上、中小企業にとっては未体験なだけに、重要になってくる部分でしょうか。

中島:そうですね。共同で行うという場合、やはり中小企業1社での経営とは違った面があって、一緒に取り組むという体制づくりが重要になります。事業計画の策定を通じて、事業の目的、各々の役割、ビジネスモデルを明確にして共有していくことが必要だと思います。

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高度化事業の優遇措置について、詳しくはこちらをご覧ください。
高度化事業のメリット〜優遇措置〜(ハウトゥー高度化)


高度化融資制度の金利について、詳しくはこちらをご覧ください。
高度化融資制度の金利について(ハウトゥー高度化)

注2
該当する法律は、
・中小小売商業振興法
・流通業務総合効率化法
・中心市街地活性化法
・中小企業新事業活動促進法などです。

アドバイザーが事業をサポート

静岡県浜松市の技術工業団地。異業種が集まったことで技術交流が活発化し、施設の充実により研究開発部門も大きく成長した。

静岡県浜松市の技術工業団地。異業種が集まったことで技術交流が活発化し、施設の充実により研究開発部門も大きく成長した。

J-Net:こうした事業計画の策定ってハードルが高いのではないですか? ここで時間がかかりすぎてしまったり、計画策定の段階で頓挫してしまうという危険性も高いように思えますが。

中島:たしかに、こうした計画の策定には戸惑われる方のほうが多いと思います。それで、これが高度化事業のもう一つの大きな特徴ですが、事業計画の策定の段階から専門家によるアドバイスが受けられるようになっているんです。

J-Net:専門家というのは、どういう方々ですか?

西:中小企業診断士、一級建築士、技術士、商業施設士、販売士、ITコーディネーターといった方々に加え、再開発プランナーといった方々です。

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専門家によるアドバイスが受けられるアドバイザー派遣事業の詳細については、こちらをご覧ください。
アドバイザー派遣事業(高度化事業への支援)

J-Net:どんなことをアドバイスしていただけるんでしょうか?

西:そもそも高度化事業というのはこういう施策なんですという概要やその進め方、事業計画の作成の仕方など、初歩的で基本的なことからアドバイスします。

J-Net:ということは、とりあえずアイデアはあって、なんとなく一緒にやるメンバーも決まっているんだけれどという段階でもいいわけですね。

中島:そうですよ。まずは、そうしたアイデアを構想としてとりまとめてから事業計画に落とし込んでいくんです。ここでは事業計画書の作り方、書き方などもアドバイスを受けられますが、この過程で、事業規模・内容からみて本当に収益が確保できるのか、事業規模に対する投資額や資金調達手段は適切なのか、返済計画は妥当なのかといったことをきちんと見ていくことになります。また、実際に図面等を見ながら、これではこの場所にトラックが入れず作業の効率が悪いとか、この店舗の配列だとお客の動線が悪いとか、レイアウトなどのこともアドバイスいたします。
  また、先ほども「一緒に取り組む」という体制づくりが重要と申し上げましたが、話をすすめていくなかで、意見がくい違って、なかなか進まなくなることもあります。そうしたことを調整しながら、一緒に運営するということはどういうことなのかといった「組織づくり」についてもお手伝いすることもあります。

J-Net:そこまでいろんなアドバイスをいただけて、しかも無料なんですね!ええっと、無料っていっても、さすがにアドバイザーの旅費などは負担しなければならないですよね。

西:いえ。旅費も含めて中小機構が負担しますので、無料なんですよ。ですので、気軽に活用していただければと思います。

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アドバイザーによる支援を活用した事業の事例集です。支援の具体的な内容などがわかります。
企業連携支援アドバイザー事例集(ハウトゥー高度化)

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