J-Net21レポート

04.まだ間に合う!
   小規模企業の経営者の強い味方「小規模企業共済」

いよいよ年末の足音が近づいてきました。年末に向けていろいろと忙しくなるなか、今回ご紹介するのは、中小機構の「小規模企業共済」。
 この「小規模企業共済」、実はこの時期だからこそご紹介したい施策。なぜ「この時期」なのか?それはこの施策の最大のメリットが「税金の控除」、つまり「節税対策」にあるから。ご存知の通り、税金の対象となるのは今年度中のお金。来年の納税に向けて、少しでも節税したいのが企業のこころ。アレやコレやと頭を悩ますぐらいなら、まずはこの施策を知ってもらいたい。
 今回のキーワードは、「年末に向けて、まだ間に合う」ですよ!

 

個人事業主・会社役員のための制度 小規模企業共済とは?

まずは、「小規模企業共済」って何? ということですが、「小規模企業共済」というのは、個人事業主や会社の役員の方が、事業をやめたときや退職したときに備えて、生活の安定や事業の再建のために準備しておく共済制度のこと。会社勤めの方であれば、厚生年金に加入して、退職後に受給しますよね。ただし、厚生年金は個人事業主本人や会社の役員は加入できません。でも、個人事業主や会社の役員にとっても、退職後の生活の安定や、事業の再建に備えることは、小規模企業の活性化においても重要だということで、何と昭和40年に発足した制度。長い実績があります。

その制度がなぜ、節税対策に? にわかには結びつかないことでしょうが、確定申告をしたことがある方ならコレに見覚えがありませんか?

確定申告書の使用区分別記載例(PDF)(※1)

そう、「所得から差し引かれる金額」の欄、社会保険料控除の一つに「小規模企業共済等掛金控除」があります。

ちなみに、小規模企業共済の掛金は「全額」が所得控除の対象。掛金は毎月、1,000円から70,000円までの範囲を500円刻みで選ぶことができます。なので、年間で最大84万円を控除することができるのです。

関連情報

中小機構の「小規模企業共済」の詳細については、こちらをご覧ください。
小規模企業共済制度(中小機構)






※1 
国税庁「確定申告書の記載例

節税対策に効果を発揮

さて、あらためて「控除」のメリットというのを確認しておきましょう。ポイントは2点。まずは、「控除」されるのですから、控除額は課税対象外であるということ。働いて稼いだ大事なお金です。できれば有効に使いたい。小規模企業共済ならば、課税対象となることなく、そのまま控除分を将来の備えにできるのです。

二つ目は、これも当り前のことですが、課税対象となる所得金額というのは、総所得金額から、基礎控除、扶養控除、社会保険控除等を控除したもの。だから、控除の額を大きくするということは、課税対象の「所得金額」自体を減額することにつながります。もちろん課税対象の所得金額が低いほうが、課税率が低いのはご存知のことと思います。

というわけで、例えば、掛金を月額3万円(年間36万円)とし、年間課税所得を400万円とした場合のシミュレーションをしてみると、なんと「108,000円」も節税になるのです。

関連情報

加入シミュレーションを使うと、小規模企業共済制度への加入によって受け取ることができる共済金(共済金A・共済金B)と加入後の節税効果を試算することができます。
 加入シミュレーション(小規模企業共済/ご案内)

まだ間に合う加入手続き

本来は、退職後の生活の安定を支援するのが主たる目的なのですが、節税対策としてもメリットの大きいこの制度。でも、月ごとの掛金ということは、年初から開始していないと来年の納税分には間に合わない?と思われた方、朗報です。

冒頭でも紹介したように「まだ、間に合う」のです。というのも、年内に加入手続きを行い、加入時に「1年以内の前納掛金」の制度を活用すると、加入時に納付した掛金全額がその年の所得控除の対象になるのです。

少し具体的に説明してみましょう。平成21年12月に加入手続きをして、月額3万円で平成21年12月から22年11月までの1年間の掛金36万円を加入時(12月中)に払い込みますと、この36万円が平成21年中に払い込んだ掛金として全額21年の所得からの控除対象となるのです。
そこで、平成22年2月から始まる確定申告の際に、前述の確定申告書の該当欄に「36万円」と書いて、掛金の領収書を添付し、申告手続を行ないます。

小規模企業共済の加入の申し込みは、商工会・商工会議所・中小企業団体中央会、中小企業の組合、青色申告会・金融機関の本支店などで受け付けています。
 最近では、商工会や商工会議所、組合の会員でない個人事業主の方も多いでしょう。そんな方には、近くの取引先金融機関での手続きがおススメです。都市銀行、信託銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、商工組合中央金庫の窓口で受け付けているので、当該金融機関に口座をお持ちで取引があれば、スグに加入手続きをしてくれます。
というわけで、どんなに簡単で早いか。実際に手続きに行ってきました。

関連情報

加入条件の詳細については、こちらをご覧ください。
 加入条件(小規模企業共済/よくあるお問い合わせ)




加入の申し込みの詳細については、こちらをご覧ください。
 加入の申し込み(小規模企業共済/よくあるお問い合わせ)

実際に加入手続きに行ってきました

持参したのは、

  • 申込書
  • 前年度の確定申告書
  • 通帳
  • 銀行印
  • 納入金(現金)

こちらが「申込書」。赤い枠の部分を見てください(画像をクリックするとPDFファイルが開きます)。

小規模企業共済 契約申込書

小規模企業共済 契約申込書


「小規模企業者であることを確認」する欄というのがあります。ですので、個人事業主であることを証明できる資料として、確定申告書を持参しました。(重要です)
 銀行に行って、相談員に「小規模企業共済に加入したいのですけれど」と説明すると、「○○番」の窓口でお待ちください・・・と言われ待つことしばし。
 自分の番になって、書類等を提出して、あっという間に手続き完了。手続きにかかった時間は10分程度でした。
 いやいや、本当に簡単です。

手続きをスムーズに進めるポイントは、事前に申込書を手に入れて、よく読んで「必要事項を事前に記入」しておくことでしょうか。

また、これがとても重要なことなのですが、加入手続きをした時に、領収書をもらいます。10月〜12月の間に納入した場合は、この領収書が、確定申告書に添付する書類になるので、紛失しないようにしてください。(※2)

と、今回は小規模企業共済の「節税効果」に焦点を当ててお話しましたが、この制度のメリットはコレだけではありません。次回からは、節税対策以外のメリットについてもご紹介いたします。

関連情報

(※2)
 本年9月までに申し込みをした場合は、12月ごろに「掛金払込証明書」が発行されます。 詳細については、こちらをご覧ください。
 「年末調整や確定申告の所得控除に使用する掛金の証明書はいつ届きますか(よくあるお問い合わせ/確定申告 )

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