J-Net21レポート

02.事業の拡大は「出会い」から
   〜日本最大級のマッチングイベント〜

これだけ大規模のイベントであれば、出展するだけで効果がある。でも、出展の効果を、2倍、3倍にするのは、企業側の取り組み方次第。
  今回は、出展効果をさらに向上させる、イベントのサポートポイントについて、うかがいます。

出展企業の営業力を結集

J-Net21編集部(以下J-Net):実際に、企業としては、どういう姿勢で取り組むとより効果が上がるのでしょうか?

綿引課長(以下綿引):中小機構としましては、出展の効果がより高くなるよう、いろんな取り組みをしているんです。ですので、それをうまく活用していただければと思っています。
  例えば、「マスコミの取材が増えるよう、メディアへの来場を促進する」「招待状ハガキを使った来場者の促進」とか、出展者説明会をキックオフミーティングと呼んでいるのですが、そこで、「出展手法などのセミナーを開催」して、当日の出展企業による「プレゼン企画」を見直していただく機会を提供しています。

J-Net:あの〜、招待状ハガキによる来場者の促進って何でしょう?
  この招待状ハガキに対する出展企業の満足度がことのほか高いようなんですけど、どういうことなんでしょう。素人考えだとハガキを送るような企業がないから、出展するように思うのですが・・・

綿引:コレはですね〜。
  いやね、営業が難しいといっても、だいたい、1企業あたり、数十社以上のお取引先とか、知り合いの会社ってありますよね。そこに、「今度、うちの企業、こういうイベントに出展しますよ〜」という案内のハガキを出していただきます。
  だいたい出展企業が200社あるとします。それで、少なくとも1社あたり、50枚のはがきを送るとなると、少なくとも全部で10,000社に、イベントの案内が届くわけでして、そのうちの何割かが、来場者としてお見えになる、と。

J-Net:あっ、なるほどね、わかりましたよ! 出展企業が従来持っているお取引企業を集結させて、その威力をイベントのPRや、来場者の促進に活用するんですね。大規模イベントだからできる、一石二鳥なPR作戦ですね。

綿引:まさに参加企業さんの人のつながりで成り立っているんですよ。だから、1通でも多くの企業にこのハガキを送っていただきたい。

J-Net:しかも、これなら、いままで知らなかった別の出展企業のお知り合いが、自分のお取引企業になってくれる可能性がありますもんね。これなら、意外な出会いの組み合わがおきることがよくわかります。まさに、出展企業同士の力を借り合う、よくできた仕組みですね。
  ところで、来場は無料ですか?

綿引:無料です。

J-Net:であれば、出展ハガキも送りやすいですね。

綿引:ちなみに、去年使用したハガキはコレです。

「ベンチャーフェア Japan 2009」の来場募集ハガキ

「ベンチャーフェア Japan 2009」の来場募集ハガキ

J-Net:あっ、ビックリマーくんじゃないですか!
  えっ、全部ハガキは中小機構が用意してくれるんですか?

綿引:そうなんです。切手は、企業さんにお願いしています。
  出展者説明会のときに、だいたい1社あたり、50枚くらいのハガキをお渡しして、それ以上は、お好きにお持ち帰りくださいといって、会場に用意しております。

J-Net:でも企業にとったら、こういう案内のハガキを作ること自体、結構手間がかかりますし、これは、嬉しいですね。
  しかし、よく、こういうことを思いつきますね・・・これが、長年このイベントを手がけてきた中小機構のノウハウなんですね。
  ところで、こうしたアイデアは、出展企業からいただくことも多いんですか?

綿引:そういうこともありますよ。みなさん、真剣に取り組んでおられるから、いろんな意見をくださいます。その点では、このマッチング・イベントというのは、出展企業さんと一緒に築きあげてきた事業の一つですよね。

J-Net:だから、ほかでは真似できないんですね。
  ところで、もう一つ気になっているのが、この出展者説明会なんですけど・・・

内容も充実。必見のセミナー

新事業支援部 マッチング・交流推進課 井上主任

新事業支援部 マッチング・交流推進課 井上主任

井上主任(以下井上):では、こちらは、わたくしのほうからご説明しましょう。

J-Net:あっ、よろしくお願いいたします。

井上:まずは、出展に関する手続きの説明を行います。これは、どこでも必要なことですよね。
  それで、ここからが、ポイントなんですけれど、セミナーをやるんです。

J-Net:セミナーですか?

井上:はい。内容は、例えば、イベント出展における接客の方法などです。どうやったら、ブースに人を呼び込むことができるのか、お客様のこころのつかみ方、迷惑な客の上手な断り方とかですね。1人あたりに多くの時間を割いていては、多くのお客の対応はできませんからね。そこら辺を、いかに対応するといいのか・・・といった話などをしてもらっています。

J-Net:そのセミナー、わたしも聞きたいです! いや、わたしも仕事がら、イベントに出展することがあるんですけど、いつも話の長いお客につかまってしまって。 その上手に断る秘訣、是非、聞きたいですねぇ。ほかには、どんなセミナーがあるんですか?

井上:お客さまを惹きつける展示方法など、具体的な展示手法についても、レクチャーしていただいています。

J-Net:それも重要な点ですよね。製品とサービスでは、展示方法も違うでしょうからね。
  それで、これも無料だと。

井上:はい、無料で受講できます。

J-Net:これは、参加しないと損ですね。

プレゼンの威力

井上主任(左)と新事業支援部 マッチング・交流推進課 山崎主任

井上主任(左)と新事業支援部 マッチング・交流推進課 山崎主任

井上:そのほかには、これは、中小企業総合展の企画なんですけれど、1分間プレゼンというのを行っています。これは、当日、レポーターやカメラマンなど取材班が、各企業のブースを訪問するので、そのときに、1分間で自社のプレゼンを行ってもらいます。このプレゼンの模様を、会場内に5か所、モニターを設置するのですが、会期中ずっとそこで上映するのです。

J-Net:1分間ですか・・・1分間で有効なプレゼンってできるんですか?

綿引:そういう意味では、CMは15秒から30秒であれだけの訴求力があるんだから、1分間もあれば十分プレゼンができるという人もいますね。それに、みなさん、これに合わせてプレゼンの練習をするんです。それも狙いです。プレゼンが上手にできないと出展の効果があがらないですから。実際、見ていると、やはりこうしたプレゼンに力を入れた企業というのは、出展の効果も高いですよ。ブースに人が多く集まってきますね。
  しかも、これにはオマケがありまして、来場者に展示が上手だった企業、プレゼンがうまかった企業、対応がよかった企業などを投票してもらい、表彰をしています。

J-Net:なるほどね。これも、面白い企画ですね。来場者がちょっと目にすることで、印象に残ることもあるでしょうし、出展企業にとっては、自社PRだけでなく、他の企業のプレゼンを見て学ぶことができますね。
  そういう点では、このイベントに出展することによって、通常のイベントに出展するための練習をするという意味合いもあるのかもしれませんね。

綿引:そうですね。このイベントでは、営業の基盤を築くだけでなく、いろんな経験をしていただきたいと思っています。

J-Net:いままで、いろいろ詳しくお話をうかがってきましたが、どうでしょう、実際にこのマッチングイベント事業を担当されていて、思うことというのはありますか?

綿引:毎年行っているイベントですが、やっぱり1回1回違う気がします。昨年から担当して、これで一巡したので、今年はもう少し違った視点で見られるかもしれないけれど。でも、1回1回出展する企業も違うし、その年の状況も違うという意味においては、やっぱり1つ1つ違うものなんじゃないかな。

J-Net:そういえば、去年と、ポスターのイメージが違いますね・・・ベンチャーフェアは、昇り竜ですし、中小企業総合展のコピーも「チャンスを活かせ」と、全体的に上昇を促している感じになっていますが。

綿引:そうなんです。昨年までは企業の活躍の場所をいかに引き出すかという点をメインにしていたのですが、この不況で中小企業もここのところ元気がない。ならば、こういうときは中小機構がもっと頑張って、まさに「チャンスを活かせ」という意気込みで取り組んでいます。

J-Net:中小機構の今の「気持」のあらわれですね。


綿引:とにかく、中小企業が元気でなくては。われわれも中小企業と一緒に取り組み、頑張っていきたいと思っています。

J-Net:今日は、長時間ありがとうございました。

  今回、取材をして感じたこと。それは、取材をさせていただいた担当者は、地方の企業が「出会う」ことの難しさを熟知している。そして販路開拓における「出会う」ことの重要性をもよく熟知している。ということだ。
  だからこそ、このイベントに出展した企業がいかに「効率的」に「出会えるか」、その仕組みづくりに余念がない。そして、その仕組みはきわめてよくできていて、機能的である。おそらく、こうしたノウハウを蓄積して実践しているイベントはそうないだろう。 そして、「1回1回違うと感じる」という言葉が印象的だった。中小機構にとっては、何年もつづけているイベントだが、出展企業にとっては、大切な1回のチャンスなのだ。中小企業により添い、その出会いの「一回性」を大事にしているからこそ出てくる言葉だとあらためて感じた。

  今回は出展の現場についてお届けすることができませんでしたが、後日、中小企業総合展(東京)のキックオフミーティング、および、実際に出展の現場を取材して、番外編としてレポートする予定です。お楽しみに。

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