J-Net21レポート

02.事業の拡大は「出会い」から
   〜日本最大級のマッチングイベント〜

さて、前回は、中小機構のマッチングイベントについての、その「種類」や「規模」、「効果」などについて、ざっくりとお話をいたしました。
  で、今回は、このイベントに出展したときの「効果」について、より詳しく知っていただこうということで、担当課(新事業支援部 マッチング・交流推進課)に取材に行ってきました。

「事業化まであと少し」をサポート

新事業支援部 マッチング・交流推進課 綿引前課長

新事業支援部 マッチング・交流推進課 綿引前課長

J-Net21編集部(以下J-Net):はじめまして。よろしくお願いいたします。
  今日は、中小機構のマッチングイベントについて、いろいろお話をお伺いしたいのですが、先ずは、概略についご説明いただけますか?

綿引課長(以下綿引):はい。主なマッチングイベントは、大きくは、2つあります。
  1つは、「ベンチャーフェアJapan」、もう1つは、「中小企業総合展」です。
  「ベンチャーフェア」は、年1回の開催で、今年度は2月、東京国際フォーラムで開催いたします。
  「中小企業総合展」は、年2回で、今年度は東京(11月)と関西(5月)で、それぞれ、東京ビッグサイトと、インテックス大阪で開催いたします。

J-Net:「ベンチャーフェア」と「中小企業総合展」では、どういった違いがあるのでしょう。

綿引:まずは、成長ステージの違いがあります。ベンチャーフェアは文字通り、ベンチャー企業が出展するイベントです。だから、創業前、あるいは、創業後15年以内の、いわゆるアーリーステージにある企業に出展の募集をしています。
  それに対して、総合展は、創業期から成長期に達していて、市場性もあるけれど、一般のイベントで大手の企業と競争するには、まだちょっと早いかなという企業の出展に向いていますね。
  2つとも、ある程度、製品化が進んでいる企業向けのもので、事業化まであと少しのところをあと押しするのが、このイベントの目的といってよいでしょう。

J-Net:では、どちらも「販路開拓」がメインとなるんですか?

綿引:そうですね。ただし、ベンチャーフェアは、ベンチャー企業向けなので、事業提携先や、資金調達先と出会いを求めている面もあります。

J-Net:出展にあたって、業種の条件ってあるんでしょうか?

綿引:特に制限はないんですよ。

J-Net:えっ、どんな業種でも出展できるんですか?それってスゴイ!!

綿引:そうなんです。「もの」に限らず、「サービス」も出展できるんですよ。

J-Net:たしかに、この出展募集要項にある「出展対象分野」(※1)を見ると、なんでも当てはまりそうですね。

綿引:何でもOKだというのは、総花的だという側面もあります。でも、いろんな業種が集まるからこそ、通常のイベントであれば、あり得ないような出会いもあるんですよ。そうした出会いが、意外な組み合わせを生み、事業化が進んだ例や、製品の意外な使い道、意外な販路が見つかった例もあります。

J-Net:そこは、通常のイベントでは、業種が限られますものね。また、総花的とはいっても、これだけきちんと業種区分がなされて、出展できるのであれば、出展者も来場者もわかりやすいですよね。

綿引:そのようなコメントを頂けるとありがたいです。なにぶん、大規模な展示会ですので、中小企業総合展(東京)にいたっては、出展企業だけでも、約530社。来場者は3日間ののべ人数ですが、34,774人(※2)になりますからね。

抜群の費用対効果 〜営業の基盤づくり〜

「中小企業総合展 2008 in Tokyo」

「中小企業総合展 2008 in Tokyo」

J-Net:すごい人数ですよね。日本最大級を謳っているだけのことはありますね。
  さきほどもご説明いただきましたけど、総合展は大阪でも、開催されているんですよね。やはり、大都市での開催ということの意味は大きいのでしょうか。

綿引:首都圏、近畿圏は主な市場として魅力だと思います。地域の企業にとっては、出展する際の旅費だけでもかなりの額になるのでしょうが、東京、大阪の会場で出展して認知されることの効果は大きいと思います。
  通常、こうした成長ステージにある企業で、営業をするとなると、割ける人員は、1人か2人程度。そうした人員で、会社に営業訪問したりして、名刺を集めるだけでも大変ですよね。でも、このイベントに出展すると、あっという間に、多数の企業や人の名刺が集まる。 今年の5月に大阪で開催した中小企業総合展では、3日間で1社平均約100枚の名刺が集まっていますね。もちろん、そこからの展開が重要なのであって、その名刺をもとに再度営業をかけたり、そこからじっくり本当の引き合いを待ったりと、いろいろなんですけれども、そもそも、こうしたことも出展して、それだけの名刺が集まって、つまり、「出会い」があって、企業に認知してもらえてはじめてできること。その点では、営業の基盤を築く、絶好のチャンスだと思います。

J-Net:通常の訪問営業にかかる時間で比べたら、短時間でものすごい効果ですよね。しかも、東京、大阪の大都市の企業と知り合いになるわけですから、距離的にもコストの削減になっている。普通は、東京・大阪でそう営業できるものではないですものね。

綿引:だから、全国から出展をいただいています。本当に、出展していただくと、このイベントの効果、「認知度向上」や、「出会う」ことの重要性や効果を、もっと実感していただけると思います。

J-Net:そういえば、出展者の満足度は非常に高いようですね。

新事業支援部 大高部長(左)と綿引前課長

新事業支援部 大高部長(左)と綿引前課長

綿引:おかげさまで、出展した企業のうち、だいたい9割の方に、満足いただいております。

J-Net:再度、出展する企業も多いのでしょうか。

綿引:新しい製品・サービスを出展してもらうイベントなので、なかなか、新製品や新サービスを生み出すのは大変だと思いますが、再度出展したいという意向の企業は多いですね。

J-Net:中小企業総合展だと、東京でも大阪でも出展する企業というのは?

綿引:ありますね。すごく多いというわけではないですけれど。

J-Net:東京と、大阪では、違いってあるんでしょうか?

綿引:報告によると、大阪のほうが熱い気がします。今年5月の中小企業総合展は、ちょうど、新型インフルエンザが流行って開催があやぶまれたくらいなんですが、それでも、29,427名の来場者がありましたし・・・

関連情報

※1 「ベンチャーフェア」の出展対象分野は、医療・福祉関連分野/生活文化関連分野/情報通信関連分野/新製造技術分野/流通・物流関連分野/環境関連分野/ビジネス支援関連分野/海洋関連分野/バイオテクノロジー関連分野/都市環境整備関連分野/航空・宇宙(民需)関連分野/新エネルギー・省エネルギー関連分野/人材関連分野/国際化関連分野/住宅関連分野
「中小企業総合展」の出展対象分野は、部品・製品・製造技術関連/情報通信関連/ビジネス支援関連/流通・物流関連/新エネルギー・省エネルギー関連/環境・都市環境整備関連/住宅・土木・建築関連/生活文化・福祉関連/食品・医療・バイオ関連/人材・教育関連

※2 「中小企業総合展2008 in Tokyo」の数値である。

J-Net:それって、気質の違いでしょうかね。(笑)でも、この資料を拝見すると、大阪のほうが、小規模企業が頑張っている(※3)感じですね。

綿引:そういう傾向はあると思います。関西は、5月の開催なんですけれども、ちょうど、他のイベントがあまりない時期ということもあって、出展応募の倍率が、東京と比較して高くなっています。

出展は事業化の可能性評価?

「中小企業総合展 2009 in Kansai」

「中小企業総合展 2009 in Kansai」

J-Net:そういえば、出展するには、審査に通らなければいけないんですよね。

綿引:そうなんです。専門家による審査があるんです。

J-Net:特にどういったところを審査されるのでしょうか?

綿引:まずは、出展する製品やサービスの「新規性」、「独創性」。「市場性」や「事業化の実現性」。それに、出展へのアピール度も見ています。

J-Net:では、審査に通ったということは、一定レベルの市場性があるというお墨付きもらうようなものなんじゃないんですか? それに、マスコミの取材も多くて、イベント自体の認知度も高いということは、審査に通って出展できるというだけでステイタスがあるようにも思うのですが。

綿引:そう考えていただけるとありがたいですね。でも単に出展するというだけではなくて、企業のほうにも、いろいろ頑張っていただけると、効果が全然違ってくるんです。

J-Net:えっ、どういうことでしょうか? 出展企業側の頑張り次第で、効果のほどがかわってくるというのは。そこをもう少し、詳しく教えていただけますか?

(つづく)

関連情報

※3 「中小企業総合展 2009 in kansai」では、資本金500万円未満の企業が8割を占めている。

前へ次へ

J-Net21レポートのTOPへ戻る