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施策活用企業事例 施策活用事例は、中小企業を支援する施策を活用した事例をご紹介しています。


[2015年]

延岡産米粉を原料としたサクサク最中の開発【虎屋】

[小売・卸|宮崎県]相談・アドバイスなしなし

企業概要

虎屋幸町本店の店舗外観

虎屋幸町本店の店舗外観

株式会社虎屋は、昭和24(1949)年に創業した、やぶれ饅頭・どら焼き等の和洋菓子の製造・小売り・卸売を行う企業です。
 今回の事業は、安全安心の米づくりを独自の製法で実践しているコメ農家の松田宗史氏が作る、地元延岡産の糯米粉を原料にした最中種(もなかだね、最中の皮)を作成し、その最中種を使って、種と餡とが直接接触しないよう、ppフィルムで遮断して、最中種のサクサク感が長く保てる方法により、新商品の開発を行ったものです。
 松田氏の米粉を、同社の菓子作りの主要原料に位置付け、どら焼きをはじめケーキのスポンジにも米粉を用い、食感と旨味の向上を実現すると同時に、安全安心の菓子作りを推進し、宮崎の農業従事者の所得増加と市民の健康増進に貢献していくことを目的としています。
 なおこの事業は、株式会社虎屋と祝子農園の松田宗史氏との農商工連携で取り組んだものです。

【役割分担】
株式会社虎屋:最中種と餡とを遮蔽して湿気を防ぎ、消費者が容易に食べられるパッケージの構造・デザイン開発。米粉を配合して、従来品の品質向上を実現するための配合開発。
提携者(祝子農園・松田宗史氏):安全安心を保証できる菓子製造に最適な米粉の開発。

虎屋幸町本店の店内虎屋幸町本店の店内 農商工連携で開発したサクサク最中(花衣)農商工連携で開発したサクサク最中(花衣)
企業名 株式会社虎屋
代表者名 上田 耕市 従業員数 42名
資本金 3,200万円 売上高 3億2,600万円
住所 宮崎県延岡市幸町1-20
電話番号 0982-32-5500
主要製品 やぶれ饅頭・どら焼き等の和洋菓子の製造・小売り・卸売

制度を利用するきっかけ

農商工連携の取り組みとなったきっかけは、延岡商工会議所の専門家派遣で中小企業診断士が同社を訪問したことが始まりです。また同社は、以前よりもち米を祝子農園から仕入れており、取引関係がありました。
 そこでたまたま、上田社長が、消費者が最中を作ることでサクサク感を味わえる最中の開発を思い付き、宮崎県産業振興機構の「農商工連携応援ファンド助成金事業」に申請することになりました。

支援内容

今回の支援で活用した「農商工連携応援ファンド助成金事業」は、宮崎県内の農林漁業者と中小企業者が連携して取り組む、農林水産物を活用した新商品・新サービスの開発や新しい生産技術等の開発や販路開拓に係る経費に対して、その費用の一部を助成する制度です。
 そこで月に2回程度、虎屋の上田社長・祝子農園松田氏・支援した中小企業診断士との3名で、新商品開発について、下記のことを決定していきました。

(1)サクサク最中の商品名の決定
 商品名の検討に当たり、最中種は「梅」型を採用することから『お手づくり最中 日向(ひむか)の花衣』とすることに決定しました。

(2)顧客像の検討とターゲットの明確化
 サクサク最中を提供する顧客像としては、従来のしっとりした皮の最中では満足できない本格志向の顧客を想定しました。低価格商品よりもサクサク感やあんこの味わいそして、最中を自分で作るという楽しさに価値を置く、こだわりを持つ客層です。年齢層としては、高年齢層だけでなく、あんこ好きな若年層・子供なども対象にしており、パッケージデザインも桃色を基調とした明るい色目のデザインにすることにしました。

(3)最中種のデザイン(形状と表面デザイン)の決定
 当初、同社オリジナルの最中種を作成することを計画しておりましたが、福岡の最中種製造業者「種広商店」と最中餡充填カップメーカー「マコトプラスチック(代理店・商社シンコー)」、そして同社の3社会議の際、餡充填には同社の自動充填機用の特製カップが必要と判りました(金型代:262,500円)。そこで、種広商店に同社の規定サイズに合う最中種を自社持ち型のなかから提案してもらい、サイズが合い広く使われていないものであればそれを採用して、最中の型代を不要とすることを考えました。その結果、「梅型最中」のサイズが丁度よく、同社以外へは卸さない旨の約束の下、これを採用することにしました。

(4)餡の充填カップの形状と材質・デザインの決定
 餡のカップは、既定のサイズ直径75mmの円形で、高さ調整により容量が決まります。また、材質の選定と厚みで餡の剥離性が決まります。業者に5回のカップ試作を行ってもらい、ようやく決定しました(容量60g)。

(5)餡充填試作の完成
 餡の充填は同社の工場長の甲斐氏が担当し、10回以上の試作を繰り返して、完成しました。

(6)パッケージデザインの決定
 パッケージデザインはヴォーク有限会社(パワナビ)に委託し、プロイラストレーターの「みよこみよこさん」に依頼し、白梅のイラストを前面に描いたイラストを採用し、そこに品名・宮崎の3大梅の紹介・牧水の白梅の歌・商品紹介、一括表示を掲載することを決定しました。

(7)原価計算と販売価格の決定
 原価計算は 材料原価+製造に関わる人件費+電力水道光熱費+パッケージ費用で算出、「花衣」が、消費者へ提供する新たな商品価値と卸販売をすることを考慮して、販売価格を税込価格の250円(本体238円+税12円)としました。

(8)マーケット調査の実施
 マーケット調査としては、サクサク最中試作品が完成したので、現在参加メンバー他、その家族や虎屋店頭などにおいて、試食を実施しました。その際、「手軽に作れるか」「味わいサクサク感がいいか」「価格は適正か」などについて、情報を収集し、製品化に向けて改良していきました。

(9)商品紹介パンフレット・ポスターデザインの完成
 「日向の花衣」に添える「お手作りの仕方」紹介のパンフレットやポスターのデザインは、パッケージデザイン同様にヴォーク有限会社に委託し、みよこみよこさんが作成を担当しました。

以上の取り組みを2年間行った結果、平成25年12月に無事、製品化することができました。
 現在、虎屋の各店のほか、イオン九州(マックスバリュ)の物産品コーナーで販売されています。1個250円(税込)という割と高価格にもかかわらず、お土産品として、利用されることが多いようです。

支援の結果と今後の展開

平成25年に製品化を果たし、現在破れ饅頭・どら焼きに次ぐ主力商品として、売上に貢献しています(月間約300個販売)。
 今後は、地元の大学と連携して、体に優しい甘味料を利用した新たなお菓子の開発を、産学連携事業で取り組むことを検討しています。

お問い合わせ先
(一社)宮崎県中小企業診断士協会
0985-55-1836

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