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施策活用企業事例 施策活用事例は、中小企業を支援する施策を活用した事例をご紹介しています。


[2015年]

パワー半導体向けインサート成形品の生産力アップによる国際競争力の強化【KANOCS】

[その他|大阪府]その他なしなし

企業概要

生産力向上に寄与したロータリー式射出成形機

生産力向上に寄与したロータリー式射出成形機

KANOCS株式会社(施策活用時の社名は三興化成)は、インサート成形(あらかじめ金型に金属などのインサート品を装着し、成形することによって、一体成形品を金型内で形成する技法)専門の射出成形品メーカーです。平成9(1997)年に創業した当初は、大手電機メーカーや自動車部品メーカーを最終ユーザーとするパーツ製品などの孫請け・ひ孫請けからのスタートでした。その後、下請け町工場からの脱却を目指し、「図面通りにモノを作る」だけの工場から「図面に意見し改訂してもらえる」よう積極的に提案活動を展開し、大手電機メーカーとの直接取引を実現するなど、順調に売上を拡大してきました。
 さらに、多くのメーカーが海外生産シフトを強める中、現地の競合企業に技術面で追いつかれる時代がやがて訪れるかもしれないという危機感を強め、各種工業製品の設計開発→試作→部品量産→組立アッセンブリーまでを一貫して受託できる体制への転換を進めてきました。こうした中、平成20(2008)年頃からパワー半導体向け製品の受注増加が見られるようになりました。パワー半導体に使用されるインサート成形パーツは生産が困難で、大手メーカーが海外調達を進めようとしても安易にシフトできない技術面での特殊性があります。そこで、思い切って製造品目を絞り込み、インサート成形品を専門とする希少性を強みに付加価値の高いパワー半導体向け製品を主力として事業展開を進め、他社との差別化を図ってきました。

二次加工工程用に試作開発した半自動省力機二次加工工程用に試作開発した半自動省力機 主力製品であるインサート成形品主力製品であるインサート成形品
企業名 KANOCS株式会社
代表者名 呉宮 興隆 従業員数 28名
資本金 1,000万円 売上高 1億1,000万円
住所 大阪府八尾市南本町9-6-14
電話番号 072-923-9098
主要製品 パワー半導体向けインサート成形パーツ等

制度を利用するきっかけ

パワー半導体向け射出成型品の生産設備導入資金として、平成24年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金活用しました。設備の老朽化や後継者難などによって町工場が減少していく中、国内で大手メーカーが安定的に部品調達できる環境を作ることや、さらなる製品の高付加価値化を目指すために、今回の施策活用に至りました。最新設備の導入により、生産能力拡大、コスト低減、高品質化を図り、自社が強みとする製品分野で、海外メーカーに対する競争優位性を高めるためでもありました。

支援内容

今回活用した補助金は、きめ細かく顧客ニーズをとらえる創意工夫に取り組むために、中小企業経営力強化支援法の認定経営革新等支援機関(認定支援機関)等と連携しつつ、ものづくり中小企業・小規模事業者が実施する試作品の開発や設備投資等を支援するものです。
 パワー半導体は、大容量電力品の交流や直流の変換、微妙な電力値を制御する機能を有するパーツで、日本のメーカーが今後世界的に取り組みを強化すべき「環境・省エネ型製品」と密接な関わりのあるアイテムです。クリーンエネルギーシステム、エアコン、ハイブリッド自動車や電気自動車などにおいて、重要なファクターとなっています。全世界で使用されるパワー半導体の市場規模は、2011年調査時点の約157億ドルから、今後パワーモジュールが市場を牽引することによって、2020年には約290億ドルに拡大するものと予測されています。パワー半導体の世界シェアにおいて、上位10社のうち5社は日本メーカーが占めており、その中でも600V以上の高耐圧タイプの分野では、日本メーカーのシェアが約7割を占めるなど、日本勢が強みを持つカテゴリーの1つです。今後も世界的に市場成長が期待されていることから、日本が引き続き主導権を握って牽引していきたい産業であると言えます。競合する海外の後発企業にシェアを奪われないためには、日本メーカーにおける国際競争力の高い製品開発や生産システムの構築が不可欠です。パワー半導体のモジュールタイプには、インサート成形品が多く使われています。これらの製品を作る従来型の単動式成形機では、人手によって金型にインサートする端子などをあらかじめ挿入する工程が必要となり、その間、成形機は待機状態であるため、1ショットあたりの成形サイクルが長くなります。KANOCS社の生産工程においても同様で、「生産能力不足による受注減」「インサート成形作業中の機械待機による生産サイクルロス」などの課題がありました。さらに、パワー半導体で使用する成形品は、端子曲げ、端子圧入やナット圧入などの後処理工程(二次加工工程)が多く、「受注からの生産リードタイムが長期化」「人手による作業のバラツキが多く、歩留まりが悪化」「コスト高」などの要因にもなっていました。これらの課題を解決するための方策として、今回の施策活用により「ロータリー式射出成形機の導入」「二次加工工程における省力機器の試作開発」に着手しました。ロータリー式射出成形機は、作業ステージを2箇所装備しています。1ステージ目でインサート作業を行い、2ステージ目で並行して射出成形を行うことで生産サイクルロスが解消され、人手による作業を要しないことから、生産能力不足の解消やコストダウンが可能となります。

支援の結果と今後の展開

ロータリー射出成形機の導入、および二次加工工程における半自動型省力機の試作開発によって、サイクルタイムが短縮し、生産能力が向上(射出成形で20%、二次加工工程で50%)しました。同時に、品質が安定し、加工賃ベースで5%のコストダウンを実現しました。これらの成果をもとに、今後、海外メーカーとの競争力向上による受注増や、製品開発力を高めることによって、異業種分野への受注拡大を推進していきたいと考えています。

お問い合わせ先
大阪府中小企業団体中央会 ものづくり中小企業支援室
06-6947-4378

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