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施策活用企業事例 施策活用事例は、中小企業を支援する施策を活用した事例をご紹介しています。


[2014年]

ノーベル賞の分析技術を食品の品質管理に活かせるか!?【サイム】

[機械|福岡県]コーディネート(TLO等)なしなし

企業概要

プラスチック分子が振動しているイメージ

プラスチック分子が振動しているイメージ

株式会社サイムは福岡県に本社を置く、中古パソコンリユースや廃プラスチックリサイクル事業を展開する企業です。同社はリサイクル技術の開発にも注力し、中でも「ラマン分光法」を用いた廃プラスチック識別・選別技術では唯一無二の存在です。

ラマン分光法は、昭和5(1930)年に「光散乱に関する研究とラマン効果の発見」でノーベル物理学賞を受賞したインド人物理学者のチャンドラセカール・ラマンに由来します。

それは、ある物質に光(レーザー)を当てた時に散乱する光の一部に、その物質を構成する分子振動に応じて波長が変化する現象で、この変化を捉え既知のデータと比較することで物質を特定することができます(写真1、写真2、写真3)。

廃プラスチックのリサイクルだけでなく他の分野への応用も可能で、製薬業界ではラマン分光法を用いたプロセスモニタリングや入荷品の受入検査などでも利用されています。

従来、ラマン分光法は、装置の処理能力から実験室のみで利用されていましたが、同社は廃プラスチックを識別する作業現場で使用できるよう、平成17(2005)年からプラスチックの選別装置開発に着手しました。

そして家電由来の混合廃プラスチックの素材を識別・選別し、マテリアルリサイクルを可能にする大量処理向けの装置として開発を進めた結果、平成21年には経済産業省より、プラスチック選別装置の実証実験を委託されました。

その後開発が進み、家電や自動車由来のシュレッダーダストの年間5,000tの処理能力と処理実績があります。

プラスチック容器のラマンスペクトルプラスチック容器のラマンスペクトル データベースのデータと照合しPPと判明データベースのデータと照合しPPと判明
企業名 株式会社サイム
代表者名 土田 保雄 従業員数 17名
資本金 2,300万円 売上高 2億2,900万円
住所 福岡県嘉穂郡桂川町吉隈430-42
電話番号 0948-20-2081
主要製品 中古パソコンリユース、廃プラスチックリサイクル

制度を利用するきっかけ

各種展示会に出展するとプラスチックリサイクル業界以外に、食品メーカーにおいて「品質管理への応用」について関心が高いことがわかりました。

そこで地元の食品工場の調査を始めましたが、工場ではなく本社でないと対応できないという理由で難航しました。これを受け、中小企業基盤整備機構九州本部に相談したところ、大手食品会社が多く所在する首都圏でアプローチを支援してくれる販路開拓コーディネート事業の利用を勧められ、最終的に中小企業基盤整備機構関東本部の支援を受けることとなりました。

支援内容

販路開拓コーディネート事業は、優れた新商品(新製品・新技術・新サービス)を持ちながら、新規性が高く具体的な市場が顕在化していない、また広域的な販路開拓を行いたいが手がかりがないなど、単独での販路開拓が困難な中小企業の皆様を対象として、首都圏市場へのアプローチを側面から支援するものです。

販路開拓コーディネート事業による支援の第1段階として、ラマン分光法の食品業界での用途や、利用されている他の検査方法(目視・手選別、色彩や風力選別、X線検査、金属探知機など)との違いを検討しました。

検討結果からは、マーケティング企画をブラッシュアップして仮説を構築し、測定対象や原材料の確認・異物の検出など、ラマン分光法の利用シーンを資料にまとめました。

支援の第2段階として仮説を検証しました。4名の販路開拓コーディネーターとともに食品メーカーを中心に計24回(そのうち、18回は同行訪問)の訪問活動を実施しました。品質に関する情報・責任・権限・予算があり、他の企業や部門への展開を期待できる部署に対してアプローチし、さまざまな情報を収集しました。

具体的には調味料メーカーと機密保持契約を締結し、工場の内情や課題をヒアリングしました。

菓子メーカーでは菓子の型枠の劣化という課題を抱えており、劣化を予知する方法を探りました。この2社とは研究を継続することとなりました。

また、飲料メーカーから飲料の充填後の商品のラマン分光法の活用の検討要求があり実験したところ、充填後は商品内部まで光が届かず、活用できないことが判明しました。

さらにX線や近赤外線の異物検査機器の納入価格情報や、ラマン装置を普及させるための価格帯の情報を得られました。

支援の第3段階としては、検証結果の評価と今後の方向性について提言を受け、商品改良や今後の食品業界での販売促進の進め方が確認されました。

支援の結果と今後の展開

支援の結果として2社と継続的に研究開発を進めていくこととなりました。

今後は、(1)活動を通じて収集した情報を整理し、ラマン分光法の得意分野や限界を検討して、ターゲットとする用途の優先順位をつけること、(2)今回の訪問先と継続的に研究開発をする中で、食品業界におけるビジネスノウハウを蓄積していくこと、(3)長期的には知的財産権の保護や研究・営業・生産などの事業推進体制を整備すること、との提言を受けました。

お問い合わせ先
(独)中小企業基盤整備機構 関東本部 経営支援部 マーケティング支援課 
03-5470-1638

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