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ペーパーフォトフレーム・写真台紙を販促品として展開【チクマ】



株式会社チクマは、昭和48(1973)年に現代表の中島正信氏により東京都北区に設立されました。当時のカメラは、撮影した写真を見るためにフィルムを現像する必要があり、現像した写真を保管するアルバムの需要は大きいものがありました。そこで同社はアルバムを中心とした写真関連用品の製造・販売を主たる事業とし、現代表の前職のネットワークを活かして家電量販店などを主たる販路としました。
昭和51年には埼玉県春日部市へ移転し、自社工場を設置しました。平成に入り、デジタルカメラ、撮影機能付き携帯電話、スマートフォンの普及に伴いフィルムカメラが減少し、写真業界はデジタル化の時代に入ります。この時代背景の変化に合わせ、写真を保管するアルバムの製造・販売から写真展示用の額やペーパーフォトフレーム、写真台紙などへと製品アイテムをシフトさせて事業を展開しています。
また、製品の品質に強いこだわりを持っており、米国産の高品質部材を製品に組み込んだり、品質マネジメントシステムのISO9001を取得(現在は廃止)したりするなど、高品質製品を競争力のある価格で提供しています。生産は多くの多能工が社内で行っているため、多品種少量生産・緊急生産・特注品への対応も可能となっています。
さらに、電子データ交換による受発注システムやインターネット通販を早期に導入するとともに、エンドユーザーに対して1個単位での取引にも対応するなど、取引の円滑化や販路拡大に邁進しています。
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企業名 | 株式会社チクマ | ||
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代表者名 | 中島 正信 | 従業員数 | 29名 |
資本金 | 1,400万円 | 売上高 | 3億900万円(平成25年2月期) |
住所 | 埼玉県春日部市豊野町2-16-5 | ||
電話番号 | 048-738-1815 | ||
主要製品 | 写真用品・紙工品製造・販売 |
現在、専務を務める中島泰輔氏は以前、中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画のセミナーへ出席したことがありました。当時は経営革新計画の作成には至りませんでしたが、新事業を計画的に展開する必要性についての認識は持ち続けていました。
今回、経営革新計画の作成・承認により、さらなる販路拡大を実現するべく春日部商工会議所に相談したところ、専門家の支援を受けられるとの助言も受け、当該制度を活用することとしました。
中島専務、春日部商工会議所の経営指導員、専門家の3名で経営革新計画を作成すべく、同社の強み・弱みといった内部環境分析、同社を取り巻く機会・脅威といった外部環境分析を進めていきました。
そのプロセスの中で同社のホームページを経由し、地方の水族館や旅館より施設のロゴが入ったフォトフレームに関する問い合わせがあり、製作の上テスト的に販売をしたところ、当該施設より定期的に受注できるようになったことがわかりました。
発注先の施設ではサービスとして、スタッフが施設を利用したお客様の写真を撮影し、チクマが製作した施設のロゴの入ったフォトフレームに写真を収納し渡しています。お客様はこれを自宅に飾ることにより、その施設のロゴを頻繁に目にすることとなり、リピーターになっていただける可能性が高まります。
このような使い方は水族館や旅館に限らず、卒業記念写真を撮りたい着物学校、顧客のライフスタイルや家族構成を把握したい生命保険会社、新車購入の納車記念サービス品として使いたい自動車ディーラーなどさまざまな業種に受け入れられると考えられます。
よって、ある地方に限らず全国展開していくことや、水族館や旅館に限らずさまざまな業種にアプローチしていくことにより販路の拡大が見込めることとなります。
上記の内容を新事業のテーマとしましたが、ターゲット顧客を広げすぎることは負荷も大きいため当初は全国のホテルに絞って事業展開をすることとしました。
- 「専門家派遣」(春日部商工会議所)
- 「経営革新計画承認制度」(埼玉県)
同社への支援が終了し、経営革新計画の承認を得た直後に繁忙期に入ってしまいました。よって、立案した計画にすぐに着手できない状況となってしまいましたが、繁忙期の対応の中で、市町村の記念式典に使用する写真台紙や、大企業の子会社から広告主向け販促物としのペーパーフォトスタンドへの問い合わせがあり、経営革新計画で想定した販路がさらに広がる可能性があります。
また、社内向け勉強会を開催し、経営革新計画の内容を詳しく説明し、全社一丸となって計画に取り組む予定です。
- お問い合わせ先
- 春日部商工会議所
- 048-763-1122