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沖縄発バイオ企業 "研究所"から"儲ける会社"へ、社内改革を図る【AMBiS】



株式会社AMBiSは、「沖縄から、遺伝子技術を応用した最先端技術で医療・福祉に貢献する」ことを目的に、琉球大学発のベンチャー起業として平成11年(1999年)に設立されました。バイオ・IT産業の育成拡大を目指す沖縄県や国の支援を受けながら、技術や設備の高度化を図ってきました。
主要事業は、小ロットのプラスミドDNAの培養・精製技術を軸に、治験用プラスミドDNAの廉価な受託生産です(プラスミドDNAとは、遺伝子治療においてその目的となる細胞に遺伝子を運ぶ、運び屋のこと)。また、分泌型タンパクの簡単手軽な培養精製装置を開発し、販売することを目指しています。
平成14年から平成19年まで続いた、文部科学省による「タンパク3000(タンパク質の構造・機能の研究開発を推進する国家プロジェクト)」の終了とともに、大学や研究機関からの受注量が減少し、国内の医薬系ベンチャー企業にとっては厳しい状況が続いています。このことについては、AMBiSも例外ではなく、平成19年以降の売上高は下降気味です。
AMBiSの顧客ターゲットは、遺伝子治療およびDNAワクチン研究を行う大学や企業の研究機関、創薬ベンチャーおよびその受託会社です。よって、極めて専門性・秘密性が高い商材を扱う、高い情報収集能力が求められる市場にあります。営業拠点を本土に持たない同社は、営業に関して最初からハンディがある状況でした。この状況を創意工夫で克服しないかぎり、業績回復は望めないと思われます。しかしAMBiSには高い技術力と国内有数の設備が備わっていました。
TFF浸透膜採用のプラスミド生産施設 |
信念と我慢の人である喜久川政直社長 |
| 企業名 | 株式会社AMBiS | ||
|---|---|---|---|
| 代表者名 | 喜久川政直 | 従業員数 | 4名 |
| 資本金 | 9,798万円 | 売上高 | - |
| 住所 | 沖縄県南城市大里字大里2013番地 | ||
| 電話番号 | 098-835-8878 | ||
| 主要製品 | 生物化学的製剤製造業(プラスミド生産受託およびタンパク受託) | ||
AMBiSは、平成19年に「治験用プラスミドDNAの受託生産及びタンパク培養精製装置販売」をテーマに、新連携の認定を受けました。現在も支援期間中であり、中小企業基盤整備機構のハンズオン支援を受けながら、事業化へ向けて活動中です。新連携支援の一環として、中小企業基盤整備機構沖縄事務所の薦めで、専門家派遣による支援を受けることになり、医療系バイオ事業に詳しい中小企業基盤整備機構近畿支部所属の専門家から、販売戦略構築に向けたアドバイスを受けました。
中小企業基盤整備機構の「専門家派遣事業」で派遣された専門家は、医薬品大手メーカー出身のエキスパートで、3カ月間で計10回にわたり沖縄と近畿を行き来して支援をしました。
取り組んだのは、AMBiSの強みを最大限に活かした明確な販売戦略の再構築でした。同社の強みは、(1)独自の技術で高収量培養・低価格で提供可能、(2)GMP設備のみならず医薬品製造許可を受けている、(3)90?培養装置と閉鎖系で連動したプラスミド精製装置(特許取得済)など、素晴らしい技術と設備を有している。これらの強みを示すツールや、根拠となるデータを作成し、販売代理店や関係会社にも渡すことから始めるようにアドバイスを受けました。
そして「研究員は研究だけが仕事ではない!全員が営業員なのだ」と意識改革を促し、経営への参画意識を高めるため、原則全員参加の「経営運営会議」の定期開催を求めました。社長の示す経営方針・経営戦略に基づき、(1)明確な販売戦略の策定、(2)販売体制の見直し、(3)販売代理店に対する明確な方針提示、(4)顧客別取引条件の策定と早急な提示などの具体策についてきめ細かい助言を得ました。
営業面での支援では、平成21年7月に東京ビックサイトで開催された「国際バイオEXPO」において、アドバイザーの人脈を最大限に活用し、約60社と接触しました。その結果、今後の協力の取りつけや具体的商談見込みなど、AMBiSの技術や設備に魅力を感じた10社程度の企業から有益な情報を得て、その中から新規の取引も生まれました。
AMBiSの業容拡大、収益改善に向けた新しい取組みは始まったばかりです。しかし、自社の強みを数値化し再認識することで、他社との優位性が明確になり、社員の自信とやる気につながり、全員が経営への参画意識をもって行動し始めたことは、大きな成果です。すでに、平成22年の売上げ予想は、前年度を大きく上回ることが確実な状況になっており、5年後の売上高目標を3億円と設定しました。
- お問い合わせ先
- (独)中小企業基盤整備機構 沖縄事務所
- TEL:098-859-7566

TFF浸透膜採用のプラスミド生産施設
信念と我慢の人である喜久川政直社長