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世界に挑戦する埼玉発の光ファイバー・センシング・システム【渡辺製作所】




開発部部長の斧田氏
渡辺製作所はNTTグループを主要顧客として通信機器、部材を製造販売しています。昭和60年(1985年)より、メタリックケーブルを伝送メディアとした固定電話のコネクタを主要製品としてきました。最近では、LAN用のコネクタに加えて光コンセントなど、屋内光配線用部材にも力を入れています。
同社の製造方針として、人材と技術の保有という総合的な観点から、製品のパーツ類を外部に依存せず、金型の設計から成形に至るまですべて自社生産しています。平成14年(2002年)に開発経験豊かな大企業OBのシニア技術者が入社したことをきっかけに、製品の飛躍的な高付加価値化と新規分野開拓、併せて若手技術者の強化育成を狙って光ファイバー・センシング・システムの開発を始めました。
当分野では、自然防災や大規模建造物のヘルスモニタリング、大規模プラントの計装分野で需要が高まっていました。従来方式を差別化する新しい光ファイバーセンシングの方式の開発に成功したことをきっかけに、これまでの主事業であるメタリックケーブルと光ファイバーのコネクタ事業に加えて、提案型の光ファイバー・センシング・システムの研究開発事業に乗り出しました。
![]() 光ファイバー・センシング・システム |
![]() 展示会に出展 |
| 企業名 | 株式会社渡辺製作所 | ||
|---|---|---|---|
| 代表者名 | 社長 渡辺伸治 | 従業員数 | 58名 |
| 資本金 | 2,000万円 | 売上高 | 約7億円 |
| 住所 | 埼玉県さいたま市桜区道場709-1 | ||
| 電話番号 | 048-856-0866 | ||
| 主要製品 | 通信機器部品の開発・製造 | ||
同社での本格的な製品開発は、LANコネクタの開発で平成14年(2002年)度補正「創造技術研究開発」の補助を受けたことが制度利用のきっかけです。光技術には経験がなかったため、シニア開発者の人脈を活かして開発の仲間を組み、平成17年度に関東経済産業局の「地域新生コンソーシアム」の委託研究補助を活用し、新しい光ファイバー反射計測方式の開発に成功しました。同社の光ファイバーセンシング技術は、すべてこの研究で得られた成果が基礎となっています。
地域新生コンソーシアムの開発期間は2年間でした。埼玉県中小企業振興公社(現在は産学連携支援センター埼玉)が管理法人となり、(有)DSP技研、(株)リンク、日置電機(株)を主要メンバーとして、鹿児島大学、埼玉県産業技術総合センターの協力を仰ぐ形で、連携開発を行いました。
擬似ランダム符号相関方式を採用することによって、OTDRと呼ばれる従来の光ファイバーパルス試験器より大幅なコストダウンを図るとともに、これをベースに光ファイバーセンシングの新しい方式を開発することを目標に掲げました。
国の開発補助金によって、従来とても手の出なかった高価な光測定機器を揃えることができました。加えて、コンソーシアムのメンバーがそれぞれの専門技術と知識を動員し共同開発を行った結果、目標どおり、新しい光ファイバーセンシング方式の開発に成功しました。
主要メンバーによる開発連携は、本格的な実用化に向けてその後も続いています。地域新生コンソーシアムが残した最大の財産です。
開発成果の多くは、その後の成果も含めて特許出願するとともに、平成19年春以降、内外の学会、研究会や展示会、論文誌や新聞紙に発表するなど、積極的に情報発信に努めています。平成20年4月には、豪パースで開かれた光ファイバーセンサーの国際学会OFS2008に発表したところ、非常に高い評価を得ました。
情報発信と並行してポテンシャル顧客にプレマーケティングを展開しています。幸い多くの引合いが得られるようになり、ここにきて事業化の展望が具体的に開けてきました。
- 「地域新生コンソーシアム研究開発事業」経済産業省(現在は公募なし)
光ファイバーによるセンシングシステムは、(1)長距離の遠隔センシングが可能、(2)センサー部に電源が不要、(3)雷などの電磁誘導障害を受けない、などのメリットがあります。
このため、自然防災、大規模建造物のヘルスモニタリング、プラントの計測制御など、従来の電気を使った方式では限界のある分野で、期待が高まっています。
また、従来の光ファイバー・センシング・システムは、非常に高価で使い勝手が悪かったため、普及が阻害されてきました。新システムは、従来品の半分以下と低コストであるため、普及が期待されています。
- お問い合わせ先
- 産学連携支援センター埼玉
- TEL:048-857-3901


