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施策活用企業事例
大学発ベンチャー創出事業から誕生したVB
吸着技術工業株式会社 平成19年
企業概要
 吸着技術工業(株)は平成17年度の長崎県大学等発ベンチャー創出事業に(財)産業創造研究所の泉順・化学研究部部長(九州大学客員教授・工学博士)が応募し、採択されました。これに基づき設立されたベンチャー企業です。

 最近、世界的にも環境問題がクローズアップされていますが、同社は揮発性有機化合物(VOC)などを簡単に処理する方法として、VOCとオゾン(酸化剤)を同時に吸着・反応させて瞬時に分解、無害化する高効率な空気・水質浄化装置を開発し、製造・販売を開始しました。

 これまでの吸着式VOC処理装置では、吸着した有害物質などを処理するために、熱または圧力を加えて脱着したのち、高温燃焼処理をしなければならず、熱源や燃焼装置などが必要でした。このシステムでは、有害物質を含む空気や水を、微細孔をもつハニカムを通過させるだけで、常温で分解・無害化することが可能です。そのため装置導入に伴うコストやランニングコストの大幅な削減が図れるようになりました。

 改正大気汚染防止法に基づき、平成22年4月1日から既設のVOC排出施設に対して新排出基準の適用が始まるため、産業界におけるVOC処理装置へのニーズが高まっており、半導体工場、印刷業、化学工場などから多くの引合いが寄せられています。

 また、化石燃料の価格高騰やCO2削減への取り組みの強化を受けて、化石燃料代替エネルギーとしてバイオガスの利活用が浮上していますが、メタン発酵施設から発生するメタンガスを、天然ガスなみの純度に精製する装置を開発し、環境省や(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発プロジェクトで実証試験を行っています。
吸着技術工業のオゾン吸着反応器を内蔵したシルバー精工のVOC処理装置

支援内容
 (財)長崎県産業振興財団では、同社の吸着相酸化反応式VOC分解処理装置について平成17年度長崎県大学等発ベンチャー創出事業に採択し、装置開発などに必要な開発資金を助成、並行して会社設立に向けて支援を行いました。また、長崎県産業振興財団のインキュベートルームに入居してもらい、継続的な経営支援を行っています。

 平成17年度から振興財団が「吸着技術分科会」を設置・運営し、この事業分野での異業種交流を促進、コア部品である吸着反応ハニカムを生産する企業や、陸上生けす用浄化装置の商品化を進めている企業など数社と、当該技術を応用した新製品の商品化を進めています。

 同社は平成18年度に異分野連携新事業分野開拓計画の認定を受け、新たな展開を図っており、振興財団でもきめ細かい支援を行っています。

企業者の声
展示会でシステムを説明する泉順社長
 新製品の開発から商品化まで、中小企業では負担しきれないくらいの資金が必要です。振興財団の積極的な支援を受け、国や県の研究開発助成金を得ることができました。それが今回の商品化につながっています。

担当者の声
 泉社長は卓越した吸着技術をもっています。しかし会社経営には、開発技術だけでなく、ヒト・モノ・カネに関するさまざまな調整技術が必要です。泣き笑いをしながら、自らの経験の積み重ねで獲得していくしかないと思っています。

企業基本データ
代表 代表取締役社長 泉 順(工学博士)
住所 長崎県大村市池田2丁目1303番地8
電話 0957-52-1430
e-mail VYB03313@nifty.com
URL http://www15.ocn.ne.jp/~kyucyaku/
従業員 8名
業種 一般機械器具製造業 化学機械・同装置製造業
主要製品 PSAガス分離装置、精製装置、吸着相酸化反応式VOC分解処理装置の設計・製造・販売