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施策活用企業事例
納期遅れ解消へ生産情報データベースを構築
有限会社 中野精工 平成19年
企業概要
 (有)中野精工は昭和40年(1965年)に創業した小物・中物の金属製部品加工の専門企業です。アルミニウムや鉄などの鋳物製部品や製缶部品の精密機械加工と試作品加工を得意としています。100%受託製造で、10社程度がリピート先ですが、1社への依存度は40%を超えないように営業努力をしています。

 ここ数年、原材料費が高騰しているにもかかわらず、受注単価の引き上げが難しく、収益が圧迫されています。そのため社内の加工業務の効率化と製造原価の見直しが急務となっていました。そこで(財)高知県産業振興センターに相談したわけです。

 要因分析の結果(1)加工方法や冶具の見直しをしているにもかかわらず実工数(実加工時間)のフィードバックが不十分で、加工コストがタイムリーに把握できていない、(2)材料費と外注費を含む実質の加工原価が把握できていないため、受注単価が適正かどうか分からないなどの問題が判明しました。

 また、過去の加工段取りや不具合内容、ノウハウなどの一元管理ができていませんでした。こうしたことが作業の効率化を妨げているうえ、生産管理も十分行われていなかったため、多品種少量生産、数量変動、短納期に対応できず、納期遅れなどの原因になっていました。

 このような状況を打破するため、全社一丸となって生産計画をはじめ受注出荷管理、進捗管理など生産管理の概念を導入、合理的な工場運営を目指した結果、納期遅れを回避する体制ができあがりつつあります。
生産システムの一元管理ができるようになった工場
生産システムの一元管理ができるようになった工場
 
実際の現場で生産システムの成果発表
実際の現場で生産システムの成果発表

支援内容
 高知県産業振興センターへの相談は人員を増やさず、稼働率を上げることでした。これをIT化の基本に据え、平成18年8月から生産管理システムの導入に取り組み始めました。18年度は中小企業基盤整備機構のIT推進アドバイザー派遣事業を、19年度は経済産業省のIT経営応援隊事業を活用しました。

 この継続的な支援によって、見積り・原価管理、受注入力、作業指示書出力、週単位機械別山積み累計時間(週単位山積み表)の出力、実績入力の一連の流れを完成しました。

 これにより見積り原価と実際原価の差も明らかになり、次回の見積りに反映させることが可能となるなど、利益の確保にも効果が現れています。

 また、各機械の稼動状況と納期などがキャッチアップできるため、受注した案件について、どの機械を組み合わせて作業指示するのかを、見積り・過去の受注履歴から容易に検索し決定でき、作業指示の的確さと迅速化も図られました。

 支援機関の専門家派遣制度活用などで、投資額を極力抑え中小製造業にマッチした生産管理システムの構築ができました。

企業者の声
 派遣された専門家の指導により(1)5週間スパンで機械の負荷状況把握や、要員計画、生産計画が立てられるようになった、(2)製造に要する時間が正確に把握できるようなった、(3)工程管理ができるようになった、(4)顧客のクレームやトラブル情報、製造に関するノウハウなどをデータベース化することで、生産システムの一元管理が可能になるなど、当初の構想より広がりと深みのあるシステムが構築できました。

 また平成19年度は、手入力してきた進捗情報をバーコードシステムに切り替えました。これにより半自動入力ができるようになり、生産管理システムのリアルタイム化が前進しました。これを足掛かりに現場との情報共有化を促進したいと考えています。

担当者の声
 中野精工の要求に合わせ、IT投資を極力抑えつつIT化を進めました。当初計画以上のシステムができました。並行して企業内での情報化人材の育成を念頭に置いた指導も行っています。この成果を地元製造業の経営者に普及させるため、成果発表会や工場見学などにも、積極的に協力してもらっています。

企業基本データ
代表 代表取締役 中野 次郎
住所 高知県高知市神田1400-1
電話 088-833-0450
e-mail koji-nakano@nakano-seiko.co.jp
URL http://www.nakano-seiko.co.jp/
従業員 20人
業種 精密部品製造業
主要製品 鋳物製部品、ステンレス製部品、鉄製部品、アルミ製部品などの加工