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施策活用企業事例
格段の切れ味と耐久力もつ新素材刃物を開発・事業化
堺刃物素形材研究所 平成19年
企業概要
 堺刃物素形材研究所の高田恒夫代表は、家業が堺の刃物製造業であったことから、就職先の大手鉄工所でも素材の製造技術や材料研究に20年以上にわたって携わってきました。

 そうした中、高田代表は平成13年に「夢の白鋳鉄」と言われる球状炭化物材料(球相材料)に出会いました。この球相材料は、鉄の中に白い斑点状のバナジウム炭化物が均一に分散しているもので、金属材料の中ではトップレベルの硬さがあるため、刃物に利用した場合、世界一の刃物になることが期待されていました。

 刃物への応用に強い関心をもつ高田代表は、勤めていた会社を退社、公設研究機関の技術支援を受けながら、球相材料を刃物材料として実用化するための研究を重ねました。

 そして自身で設置した鋳造設備を用いて、さまざまな刃物を試作しながら、最適な応用分野を模索してきたところ、平成18年にペットボトルなどの廃プラスチック切断用刃物として最も有効に利用できると判断、同年12月に個人事業としてスタートを切りました。

 特許出願済みのこの新素材刃物は、従来の主要材料である鋼(SK5)製品と比べ、切れ味の持続性(耐久性)がデータ上では35倍と格段に優れています。現在では切断機械の刃物として重用され、生産性向上とトータル刃物コストの低減に寄与しているほどです。

 この球相材料は、鍛造・圧延加工することも可能なことが確認されているため、今後はフラット板材化することができると考えられています。また、同社では新材料刃物の利用範囲を広げていくことにより、堺の地場産業である刃物産業の振興にも役立つと考えています。

 社内には、木型製作から鋳造、熱処理、刃付加工、品質管理までの一貫試作設備が整っており、販売後の研ぎ直し用の研磨機も整備されています。
球状炭化物材料を用いたプラスチック切断用刃物

支援内容
 新材料の研究段階では大阪府立産業技術総合研究所の支援を受けつつ実用化を図り、事業化に際しては大阪泉北地域中小企業支援センターのサポーターが相談を受けながら計画をまとめてきました。

 (財)大阪産業振興機構・大阪府中小企業支援センターが運営する、大阪の活性化を先導する創業者を創出するための支援制度「テイクオフ大阪21」に応募しました。この支援制度は新規性・革新性・競争優位性などが認められる事業計画について、助成金交付やマネージャーがアドバイスなどを行っていくものです。

 高田代表のプロジェクトについては、府支援センターの担当サブマネージャーによる指導の下で、実現可能な事業化計画にブラッシュアップしたところ、高い評価を得て「テイクオフ大阪21」の認定を受けました。この奨励金により刃物研磨機械や硬度測定器を導入、ハード面でのインフラは万全のものとなりました。

 認定後は府支援センターで策定した支援方針に基づき活動しており、技術・営業面では派遣アドバイザー制度をフルに活用して事業を軌道に乗せ、さらに府支援センターの紹介により近畿経済産業局が主催する「販路マッチング・ナビゲート事業」でプレゼンテーションの機会を得て販路拡大に努めました。

企業者の声
高田恒夫代表は設備投資から販売まで1人で効率的にこなしている
 「テイクオフ大阪21」認定に伴う奨励金で、加工技術確立と研ぎ直しサービスに必要だった「刃付け加工機械」と、品質管理用の「硬度計」を購入することができ、また営業・販路開拓面においてサブマネージャーやアドバイザーの効果的な支援を得て、事業を早く立ち上げることができました。

担当者の声
 高田代表は、府支援センターのアドバイザー派遣制度を活用、「テイクオフ大阪21」の認定を受けるきっかけになりました。メディアへの製品紹介、担当マネージャーとの相談などの制度もフルに活用し、効率のよい事業を推進してきました。今後は、法人化や体制構築などが課題と認識しており、適切なアドバイス、紹介支援を行って行きたいと思います。

企業基本データ
代表 代表 高田 恒夫
住所 大阪府堺市堺区南庄町1-1-12
電話 072-288-7505
e-mail info@sakai-cutlery.jp
URL http://www.sakai-cutlery.jp/
従業員 1名
業種 切断刃物の開発・製造・販売
主要製品 切断用刃物

提携に関する情報
 現在は技術開発を基盤にして個人で事業を推進していますが、技術・製造・販売分野で協力していただけるパートナーを期待しています。