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施策活用企業事例
ニッチ市場に狙い定め世界から顧客を獲得
ケイ・エス・ティ・ワールド株式会社 平成19年
企業概要
 平成10年に創業したケイ・エス・ティ・ワールド(株)は、半導体装置メーカーや半導体デバイスメーカーの新製品テストや研究開発に使用するシリコンウエハを成膜加工する会社です。成膜加工品は、半導体関連機器や材料の評価のためには不可欠であり、半導体産業ではなくてはならないものになっています。

 創業当初、半導体成膜加工の専業メーカーは国内になく、現在でも競合の少ないニッチな市場です。そのため収益性がよく、急成長を遂げてきました。

 加工にあたり、クリーン度がクラス10というクリーンルームや、最新の製造設備・検査装置を導入した工場を有しているのが大きな特徴で、高集積化する半導体製品の流れとマッチし、多くの企業から注目を集めています。

 また困難とされていた「熱酸化法」による厚膜形成処理技術を独自の製法で確立しています。これによって得られた成膜加工品は、光デバイスメーカーで使用される光部品の製品基板材料に使われています。さらに半導体デバイスメーカーで使用される加速度センサー・ジャイロセンサーなど、MEMS(メムス=Micro Electro Mechanical Systems)製品向け基板材料や研究開発にも用いられています。MEMSは機械要素部品やアクチュエーター、回路などを1つのシリコン基板上に組み込んだ微小電気機械素子で、同社の成膜加工品はMEMS向けを中心に、世界の半導体メーカーから受注しています。現在のところ25μmの膜厚を世界で唯一製造できるメーカーです。

 平成16年に経営革新計画の承認を受けたほか、18年には経済産業省の「元気なモノ作り中小企業300社」に選定され、また19年には「関西フロントランナー大賞」や新事業支援機関連絡協議会(JANBO)の「JANBOアワード」の大賞を受賞するなど、各方面から高い評価を得ています。

 
厚膜形成したシリコンウエハは光通信やMEMS分野に用途が広がっている

支援内容
 (財)ふくい産業支援センターでは、プロジェクトマネージャーや職員が福井県内の企業を訪問し、製品やサービス、市場、販路分析などを基に、成長を促すお手伝いができる企業を発掘しており、ケイ・エス・ティ・ワールドもその一つです。こうした企業には、事業を的確に推進するために、各分野の専門家と協力して、開発・知的財産・販売・経営管理・資金調達まで総合的な支援を実施しています。

 同社に対してはプロジェクトマネージャーを中心に、経営革新計画の作成段階から、計画を推進するうえでの開発、生産、販売、資金面など広範にわたる支援を継続して行ってきました。とくにプロジェクトマネージャーのもつネットワークを活用して、新規受注や顧客の獲得、新たな市場開拓を手伝うなど、業績向上のための具体的な支援を行っています。同社の場合、経営者が経営革新に意欲的に取り組んだ成果として、支援を開始した翌年には黒字に転換、売上高は支援前に比べて2倍以上に増加しています。

企業者の声
「社内ベンチャーが開花した」と言う川崎正寛社長
 繊維会社の社内ベンチャーとしてスタートし、ITバブルの崩壊以降、経営の舵取りが難しい時期に、(財)ふくい産業支援センターと出会い、経営に関するあらゆる面で支援を受けました。

 日進月歩で技術革新が進む半導体市場で生き残るためにも、引き続き支援を求めていきたいと思っています。

担当者の声
 シリコンウエハの厚膜形成で様々な賞を受賞したことは、同社のモノづくり技術が広く認知され、高く評価された結果だと考えています。当センターの支援などにより、世界に通用する企業に成長したことは非常に喜ばしいことです。今後も継続して支援を行い、ケイ・エス・ティ・ワールドとともに福井の技術を世界に発信していきたいと思います。

企業基本データ
代表 代表取締役社長 川崎 正寛
住所 福井県福井市下六条町13-23
電話 0776-41-7333
e-mail office@kstworld.co.jp
URL http://www.kstworld.co.jp/
従業員 27名
業種 半導体部品製造・加工業
主要製品 シリコンウエハ成膜加工