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施策活用企業事例
「米ぬかで床磨き」をヒントに、安全な床材用塗料を開発
日本キヌカ株式会社 平成19年
企業概要
 長田竜太社長は有機栽培の稲作を本業としていますが、米ぬかに含まれる栄養成分の利用を目的に(有)ライスクリエイトを設立、機能性食品などを開発しています。さらに米ぬかで床を磨くという先人の知恵に着目し、この知恵を現代風にアレンジすることで、有効に活用できないかと考えた結果、塗料にいきつきました。

 開発にあたってこだわったのは「100%天然素材の安全な塗料」ということでした。一番難関だったのは「塗布後の乾燥時間短縮」でした。市場には天然素材を原料とした製品が多く販売されています。しかし、そのほとんどは天然素材と言いながら、乾燥を早めるため15%程度の化学溶剤を含んでおり、シックハウス症候群の一因になっているとも言われています。

 このシックハウス対策をクリアするため、米ぬか成分を利用して化粧品を開発した(株)ルバンシュ(石川県能美市)に協力を仰ぎ共同で研究してきました。両社はそれぞれの技術を活かしながら開発を進め、平成17年には(財)石川県産業創出支援機構(ISICO)の「産学官連携新豊かさ創造実用化プロジェクト推進事業」に採択されています。

 何千回もの実験の末に、ある種子油を混ぜると2〜4時間で乾燥することがわかり、通常の塗料と遜色ない製品になりました。この製法は特許庁の早期審査制度により、審査から3ヵ月で特許を取得することができました。「乾燥時間の短縮」のクリアに加え「低温時での品質安定化」、「引火性低減」などの課題も順次解決しました。

 さらに商品化に際して、皮膚科医の協力によりパッチテストを実施しました。その結果、皮膚への刺激はまったくなく「肌に塗っても、なめても大丈夫」というお墨付きを得ました。

 発売後、埼玉県内の保育園でコルクフローリングの床用塗料に採用され、塗布作業などの様子がNHKのニュース番組で紹介されたため、400件以上の問い合わせがあるなど、大きな反響がありました。

 平成18年7月に、ライスクリエイトが開発した自然塗料「キヌカ」の販売会社として日本キヌカ(株)が設立されたわけです。

 「キヌカ」を平成18年8月の「ジャパンDIYホームセンターショー2006」(千葉・幕張メッセ)に出展したところ「人と環境にやさしい商品」のバイヤー・ユーザー人気投票で金賞を受賞、審査委員会賞も受け、この展示会で初のダブル受賞となりました。平成19年もバイヤー・DIYアドバイザー・一般ユーザーから「人と環境にやさしい商品」の「人気投票部門」でトップとなり、2年連続の金賞を受賞しました。

 現在、工務店を通じた建設関係の需要を掘り起こしていますが、今後の取り組みとして、安全というキヌカの特性を活かし、小中学校などの教材や備品として活用できないか考えています。
シックハウスもない安全な床用塗料

支援内容
 ISICOでは、「産学官連携新豊かさ創造実用化プロジェクト推進事業」により、ライスクリエイトの米ぬか油を使った「人と環境にやさしい木部用表面処理剤組成物の開発」を採択しました。補助事業として研究開発への資金的支援と、特許流通アドバイザーによる速やかな特許申請と取得を指導しました。

企業者の声
「コメの新たな価値を見出したい」と言う長田竜太社長
 コメづくりからスタートした私の事業は、機能性食品の開発から塗料の分野へと進んでいます。多角化しているように見えるかもしれませんが、私としては農業の基本と原点を忘れず、食品から塗料までを、コメというキーワードの一貫として取り組むことで、新たな価値を見出したいと思っています。

 また「農業本来のあり方を追求する」というテーマのもと、よりユーザーに信頼してもらえるような新製品の開発に取り組みたいと思います。

担当者の声
 キヌカはホームセンターの全国展示会で2年連続金賞を受賞、とくに「バイヤーや一般ユーザー」という利用者側から高い評価を得ました。さらには自然素材の住宅を開発するハウスメーカーと提携し拡販を図っています。

 平成19年度には金沢の木材・住宅機器販売メーカーが、キヌカを用いたことにより、国内で初めて塗装済みの不燃集成材として国土交通省の大臣認定を取得するなど、着実に製品の実績をあげています。

 ISICOは今後も販路拡大やPRなどでの支援を行っていきたいと考えています。

企業基本データ
代表 代表取締役 長田 竜太
住所 石川県小松市白江町夕339
電話 0761-22-8559
e-mail info@kinuka.co.jp
URL http://www.kinuka.co.jp/
従業員 1名
業種 製造業、卸売業
主要製品 住宅用塗料「キヌカ」の製造・販売