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施策活用企業事例
エンジンピストンにも採用された金属アルミ表面への鉄合金めっき
日本プレーテック株式会社 平成19年
企業概要
 日本プレーテック(株)は昭和24年(1949年)に銅、ニッケル、クロムめっき処理加工を業として創業、平成3年に(株)及川鍍金化学工業所から日本プレーテックと社名を変更しました。この間、亜鉛めっき、ニッケルめっき、スズめっきを中心に業容を拡大、防衛庁(現防衛省)規格(MIL)認定工場となり、品質ではISO9001、環境ではISO14001の認証を取得し、現在は自動車部品やエレクトロニクス部品を中心に表面処理の事業を展開しています。当初は防錆や装飾を目的とするめっきが主でしたが、機能性をもつ新しい表面合金素材の開発など新技術の開発に力を入れています。

 「どんな無理難題にも対応するプロ集団になる」との経営方針のもとで、研究開発に力を入れ、「夢づくりめっき工房〜那須山麓〜」と呼ぶ試作専用ラインも平成18年に完成しました。顧客からの試作依頼が多様化・複雑化していることから、試作専用のラインを作ったものです。試作から短期間で量産に移るため、若い技術社員と顧客が一体となって、新規開発モデルや量産検討モデルにマッチした表面処理法を開発する体制を整えています。

 同社の特徴は、アルミニウム表面への鉄合金めっきに関する優れた技術をもっていることです。アルミニウムは、軽くて軟らかい金属ですが、摩耗には弱い欠点があります。アルミニウム表面に鉄合金をめっきすることで、耐摩耗性と軽さを兼ね備えた材料にします。

 業界にはアルミニウム表面に鉄をめっきするという発想はなかったので、鉄めっき液まで自らの手で作り、栃木県産業技術センターや宇都宮大学などの協力を得ながら開発を進めました。この製品は軽くて耐摩耗性があるため、レース用オートバイのブレーキ部品として最初に実用化されました。

 また、めっき時の対向電極を工夫し、曲面にも均一に鉄合金めっきができるようになり、量産化にも成功しました。現在、このアルミニウム鉄合金めっき技術はエンジンピストンに採用されています。

 「樹脂成形アルミニウム金型の表面への鉄合金めっき処理による高機能金型の事業化」というタイトル名で関東経済産業局から「新連携」の認定も受けました。素材が軟らかく試作用にしか利用できなかったアルミニウム金型を、表面に鉄合金めっき処理を施し、硬さと耐摩耗性を付与することで金型の長寿命化を図り、試作から量産加工まで対応ができる高機能金型を製造するというミッションです。開発過程で、めっき後に熱処理をした結果、密着性が向上、また、めっき工程で偶然に出現した表面の亀甲状の亀裂が油道となって、耐摩耗性やしゅう動性も高まりました。近い将来、さまざまな分野での応用が可能だと考えられます。

 こうした技術が評価され、平成17年に第21回素形材技術表彰で中小企業庁長官賞、平成18年は表面処理技術協会賞、平成19年には日本熱処理技術協会賞技術開発賞(杉山賞)を受賞するなど多くの技術表彰を受けています。
那須山麓にある夢づくりめっき工房の試作ライン
那須山麓にある夢づくりめっき工房の試作ライン
 
アルミニウム鉄合金めっきはエンジンピストンにも採用された
アルミニウム鉄合金めっきはエンジンピストンにも採用された

支援内容
 (財)栃木県産業振興センターは、アルミニウム表面への鉄合金めっき技術の開発から事業化まで一貫した支援を、栃木県産業技術センターなど他機関と協力しながら行ってきました。研究開発については「アルミニウム合金の表面処理技術に関する研究」に対し、平成9年栃木県地域技術改善費補助金の支援や、めっき技術に詳しい専門家の派遣支援をしました。これらを踏まえ、栃木県のフロンティア企業認定を受けることをアドバイス、さらに産業振興センターで第21回素形材産業技術賞を推薦した結果、栃木県の中小企業では初めて中小企業庁長官賞を受賞しています。

 鉄合金めっきの事業を広げるべく、平成19年2月には新連携の認定を支援し、新連携の補助金である事業化・市場化補助事業を受け、樹脂成形高機能金型の販路開拓を含めた事業化の支援をしています。

企業者の声
「どんな無理難題にも対応するプロ集団になる」との方針を掲げる及川渉社長
「どんな無理難題にも対応するプロ集団になる」との方針を掲げる及川渉社長
 平成9年に栃木県の支援を受け、鉄合金めっきの開発に着手しました。その後も鉄合金めっきを「使い勝手の良い技術」に進化させるため、産業振興センターによる指導と支援を受けました。とくに産業振興センターの推薦で応募した素形材技術賞では中小企業庁長官賞を受賞しました。産業界から大きな反響があり、この技術開発への大きな弾みとなりました。

担当者の声
 めっき業が生き残っていくためには、高付加価値のめっき技術が不可欠であり、短期間で試作から量産までできることも重要な要素です。日本プレーテックは、経験豊かな技術者と若い技術者が一体となって、顧客の要望を先取りする形で事業を進めており、大いに期待できる企業と思います。

企業基本データ
代表 代表取締役社長 及川 渉
住所 栃木県那須塩原市西三島7-334
電話 0287-36-1050
e-mail info@n-platec.com
URL http://www.n-platec.com/
従業員 90名
業種 製造業(金属表面処理業)
主要製品 亜鉛・銀・鉄クロム合金などの電気めっき、ニッケル・スズなどの無電解めっき、そのほか化成被膜処理など表面処理