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施策活用企業事例
機械的強度と柔軟性をもつ生分解性プラスチックフィルムの用途を開発
株式会社カンポテクニコ 平成19年
企業概要
 (株)カンポテクニコは、平成17年3月に大手樹脂メーカーのデュポン(株)先端技術研究所を円満退社した人見清貴社長が、環境保全と自然保護、地域への貢献を目指し、独自に生分解性樹脂を開発、それを活用した製品を開発するために創業しました。

 社名のカンポテクニコは、イタリア語で畑を意味する『campo』と、技術を意味する『tecnico』からなる造語で、「畑にさらなる技術を」との思いが込められています。

 同社はポリオレフィン系樹脂と同等の機械的強度と柔軟性を兼ね備える生分解性プラスチックフィルムを開発、現在は用途開発を進めています。

 その一つに農業用マルチフィルムがあります。従来の生分解性農業用マルチフィルムは、機械的な強度が不足していたために、農業機械を使って張ったり、野菜の苗を定植したりすることが困難でした。また性質上、使用期間が短く、越冬や栽培期間の長いものに対応できず用途も限られていました。

 同社の開発した製品はこれらの課題を解決したもので、農業分野での用途拡大が期待されています。そのほかにも農業分野で独自の資材開発とその製品化に取り組んでいます。

 また、これまで強度不足のために用いられなかった新規応用分野として、業務用ゴミ袋(60〜90l程度)があり、現在、実用化を進めています。大型スーパーや外食産業などは食品リサイクル法の適用を受け、食品残渣の堆肥化を進めていますが、その際に生分解性ゴミ袋であれば、そのまま堆肥に投入できます。自治体でも同社の一般家庭用生分解性ゴミ袋の採用が増えつつあります。
同社の農業用マルチフィルムは強度を維持しながら分解される
同社の農業用マルチフィルムは強度を維持しながら分解される
 
生分解性プラスチックフィルムのゴミ袋も徐々に浸透している
生分解性プラスチックフィルムのゴミ袋も徐々に浸透している

支援内容
 (財)栃木県産業振興センターでは平成17年5月に創業相談を受けたのをきっかけに、法人化するための支援を行いました。また、産業振興センターが支援している研究目的を共有する企業グループへの参加を勧めたところ、多彩な経験をもつ人々と情報交換するようになり、人的ネットワークの形成ができました。資金調達に関しては金融機関と連携、物性試験のためには、隣接する栃木県産業技術センターや民間の分析評価会社を紹介、特許出願については知的所有権センターと連携することで、支援の実をあげています。

 産業振興センターが提供する無料の創業支援室を約10ヵ月利用、その後、産業振興センターのインキュベーションルームに入居し課題解決を目指しました。このほか経営のレベルアップを図るため専門家を派遣したり、生分解性ゴミ袋を利用している市や町の担当課に連絡、直接の担当者に同社の製品を紹介するなどをしています。

企業者の声
「研究者から経営者への変化が求められた」と言う人見清貴社長
「研究者から経営者への変化が求められた」と言う人見清貴社長
 大企業にいたときは、与えられた専門分野の仕事を行うことで、自らの責任を果たすことができました。しかし起業したとき、一研究者から経営者に変化していくことが求められました。製品開発に加えて経営計画、販売、財務さらには財務諸表や損益計算書の作成、銀行との交渉や税に関することなど、すべてに対応することが要求されました。これらについては、多くの支援を受けたことで対処できました。新規の事業を軌道に乗せるにはまだ多くの課題がありますが、産業振興センターのような公的機関を活用することにより克服できると思います。

担当者の声
 自社開発の生分解性樹脂素材を使用し、環境配慮型製品を目指した研究開発の成果を、魅力ある商品として提供し、販売していくのはこれからが本番です。これまで以上に同社と連携を密にして支援していきたいと考えています。

企業基本データ
代表 代表取締役社長 人見 清貴
住所 栃木県宇都宮市刈沼町369-1(株)とちぎ産業交流センター302号室
電話 028-670-8260
e-mail info@campotecnico.com
URL http://campotecnico.com/
従業員 1名
業種 製造・販売業(生分解性プラスチック、バイオマスプラスチックなど環境配慮型製品の製造・販売とハロゲンフリーの無機難燃剤の販売)
主要製品 フィルムやフィラメントなどの生分解性プラスチック製品、バイオマスプラスチック製品(射出成形品)、ハロゲンフリーの無機難燃材