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施策活用企業事例
ハマナスから分離したオリジナル酵母を使った新しい清酒
福司酒造株式会社 平成19年
企業概要
 福司酒造(株)は、大正8年(1919年)に釧路市米町で酒類・清涼飲料・雑貨・食品の卸売りを目的に合名会社敷島商会として創業、大正11年に現在地に酒造蔵を新築、大正12年から『福司(ふくつかさ)』の醸造を開始しました。平成3年7月に会社組織変更と同時に社名も福司酒造に変更しました。

 酒の原料米は、北海道産の「吟風(ぎんぷう)」などを使用しており、水は摩周湖、阿寒湖、屈斜路湖などが水源となっている釧路湿原の下を流れる伏流水を使用しています。

 生産量は市販酒に換算し年間約350klです。吟醸・純米・本醸造・普通の4種類の酒を生産しています。手造り地酒のため、出荷の約8割は釧路管内に、残りは札幌を中心とした道内、一部を首都圏などに出荷しています。

 国内の清酒消費量が減少傾向にある一方でニーズが多様化しており、酒類販売業界ではセールスポイントのある新商品を求めています。また観光業界でも地域色が豊かでオリジナリティのある新商品へのニーズが高まっています。

 福司酒造は、これらのニーズに対応するとともに、北海道にある食材との相性や熟成貯蔵の研究、北海道・道東をイメージした商品開発に取り組んできました。その中で商品化したのが、北海道の花・ハマナスから分離した酵母により醸造した清酒『花華(hanahana=はなはな)』です。

 開発にあたり、同社では北海道らしい清酒づくりというコンセプトを打ち出しました。北海道の花であり、実が食用であり、しかもイメージがいいハマナスに的を絞り、釧路管内の海岸に自生するハマナスの花を採取し、アルコール発酵のための酵母を分離しました。

 しかし酵母菌の活動には、比較的高い温度が必要なため、気温の低い北海道内では醸造過程に耐える酵母を分離することは難しいと言われていました。

 そこで酵母について東京農業大学、北海道立食品加工研究センターの指導も受けながら、多数の酵母株の中からアルコール生成能力が高く、香りや味が花のイメージに近い優秀株を絞り込みました。

 完成した清酒『花華』は、甘酸っぱい香りで、ハマナスという花のイメージに合うフルーティな味わいとなり、この味わいが評判を呼び、販売するとまたたく間に完売するほどです。
北海道ならではの地酒(左が『花華(hanahana)』)

支援内容
 (財)北海道中小企業総合支援センターは、北海道創造的中小企業育成条例に基づく従業員等派遣補助事業により研究員の技術習得を支援しました。また、ハマナスから分離した酵母による清酒醸造技術の研究費の一部を、同条例に基づく研究開発補助事業によって助成しました。

企業者の声
「研究開発にはセンターの補助金も活用」と梁瀬之弘社長
 今回、北海道中小企業総合支援センターの補助事業によって研究設備の充実を図ることができました。大学・研究機関に出向くことなく、社内で研究ができるようになり、時間・労力ともに飛躍的に軽減できました。今後も支援センターなどの指導を受けながら新たな製品開発などを進めていきたいと思います。

担当者の声
 福司酒造は、清酒の市場拡大のために消費者ニーズに対応した新商品開発に熱心に取り組んでいます。新商品の開発には、研究資金を要しますが、研究開発補助事業を利用して、資金負担の軽減を図ってもらいたいと思います。

企業基本データ
代表 代表取締役社長 梁瀬 之弘
住所 北海道釧路市住吉2-13-23
電話 0154-41-3100
e-mail info@fukutsukasa.jp
URL http://www.fukutsukasa.jp/
従業員 10名
業種 酒類製造業
主要製品 日本酒