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食品産業にトヨタ生産方式の導入で、衛生面改善、品質向上、生産性向上
薩摩ハム株式会社 平成17年
企業概要
 当社は手作りのハム・ソーセージ加工工場で、前身にあたる「薩摩ハム協業組合」が昭和56年6月に設立され、平成8年6月に組織・社名を変更して現在に至っている。主に、スーパーマーケット向けのスライス製品をはじめ、インストア用の原木(スライス前のハム・ベーコン・焼豚)や百貨店向けの高級ギフト製品など、美味しさにこだわった製品づくりを進めている。約50品目に及ぶ取扱アイテムを、南国鹿児島から全国各地へ向けて出荷している。

 当社の清田社長は、大分県に所在する食肉総合商社の経営にも携わっている。同社において、衛生管理の万全を期するため専門家の派遣を受けて5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)活動に取り組み始めたところ、外部の専門家からの指導が有効であると感じ、グループ企業である当社でも同様の取り組みをした。

 トヨタ生産方式について見識の深い専門家の派遣を受け、「ムダをとる」という基本的な考え方からスタートして、衛生面の改善から、品質向上に、生産性向上にと自然に発展し、着実な成果を上げることができた。

 これを契機に基本励行を地道に継続し、課題が発生すれば迅速に解決しつつ、安心・安全で高品質・高旨味を誇る手づくり作品を提供していく体制が、これからも当社の成長を支えていくに相違ない。
外観
1階部分が工場
写真一覧
 
原型ロースハム
写真一覧

支援内容
 製造現場の衛生管理・品質管理・生産管理について相談を受け、専門家の派遣によってトヨタ生産方式を活用した改善を指導した。

 当初は、クレーム低減のために衛生管理・品質管理を重視した、5S活動を中心とする現場指導であったが、その成果が出るに従い、徐々に生産性向上に重点を置いた取り組みを行なった。

 その主な内容と結果は、次の通りである。

 [1]クレームの減少
平成17年3月末現在、社外クレームは対前年比約50%、社内クレームは同約83%。完全撲滅には至らないが、社外クレーム減少は初期目標をなんとか達成。作業者が事前に製品の不具合に気づき、社外に出てゆく可能性が減少している。

 [2]リードタイムの短縮
製品をスライスし、真空包装し、冷蔵保管庫へ搬入する、これらの一連の時間を短縮することができた。途中で余分な殺菌工程を加えることなく衛生的な製品を出荷するプロセスができ、衛生面と品質面と生産性の同時改善につながった。

 [3]工場内のドライ化
床に肉クズや脂クズが落ちているのが常態という業界の常識を覆し、一切クズを落とさないことの完全励行に取り組んだところ、床に水をまく頻度が少なくなり、衛生面の向上もさることながら、掃除の負担も大幅に軽減され、作業者の転倒の危険性も少なくなった。

企業者の声
代表取締役社長
清田浩徳氏
 専門家の方は食品工場の指導は初めてにもかかわらず、「モノ造り」の基本は同じという考え方のもと、机上のみならず、特に現場において実践的な指導をしていただきました。また、業種の異なる専門家からの指導を受けたことで、自分たちの作業では「当たり前」とされていたことを、新たな視点で改善に向けて見直す良い機会にもなりました。

担当者の声
 現場の改善の積み重ねが経営の指標面にも現れています。専門家派遣を始めた期は、BSE(牛海綿状脳症)問題の影響で需要が牛肉からハムの原材料である豚肉にシフトし、原材料が高騰しましたが、キロ換算で7%のコストダウンが実現しています。生産性を向上させることで原材料高騰分を吸収できた、現場改善の効果に目を見張る思いです。

企業基本データ
代表 代表取締役社長 清田浩徳
住所 鹿児島県鹿児島市谷山港2丁目4-36
電話 099-262-1186
e-mail
URL
従業員 20名
業種 食料品製造業
主要製品 ハム・ソーセージ