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木の特性を活かした新発想木材乾燥システムを開発
共立工業株式会社 平成17年
企業概要
 当社は、東燃ゼネラルの配管工事の指名業者である(株)共立工業所が昭和43年に海南鋼管(株)(現住友金属工業(株)和歌山製鉄所)の製缶工事・配管工事を専門に施工する会社として設立。

 当初は、海南鋼管(株)の構内設備の製缶工事・配管工事が中心であったが、圧延ロールの交換及び整備を手掛けるようになり、和歌山製鉄所構内全工場のロール整備を担当するまでになった。

 しかしながら、当社の事業内容は構内の設備に関するものだけであり、当然のことながら親企業の好不況の波に左右されると言う課題があった。

 そこで、海南鋼管(株)の後押しもあり、精密機械の加工・組立分野に進出し、実績を重ねていくなか、住友金属工業(株)系列の企業からの精密加工機械の生産委託を請け負うまでに成長した。現在、圧延ロールの整備作業及び製缶工事・配管工事を行う「海南営業所」、機械の組立及び製缶加工品の組立を行う「和歌山営業所」、油圧機械の組立及び製缶製品・鉄骨製品の加工を行う「初島工場」、油圧機械精密機械等の部品加工を行う「海南工場」の2営業所2工場体制で事業を行っている。

 次のステップとして、自社の製品の開発を模索していたところ、当社の技術を知る技術部長の恩師から、電磁誘導加熱装置DPH(ディアルパックヒーター)という高温加熱蒸気を常圧で広範囲に精度よく温度が設定(100度〜500度)できるニュータイプの熱エンジンの紹介を受け、これを使った木材乾燥装置の開発に取り組むくことを提案された。

 和歌山県は古くから、良質の木材を産出しており、木に携わる事業所も少なくない。また、当社には熱交換機や真空炉の技術的ノウハウがあるため熱エンジンの特性を理解すると伴に新たな事業の可能性を見いだし、装置開発に取り組むこととなった。

 木材は、自然乾燥で長期間じっくりと乾燥させたものが耐久性と強度のある良質な製品となる。これはリグニンという成分が木の耐久性、強度を保っているためであり、従来の乾燥機による強制乾燥では、水蒸気と一緒にリグニンが流出するため強度、耐久性が落ちることが課題であった。

 当社が開発した木材乾燥システムは、リグニンの流出を抑え、乾燥時間が1/2程度ですむ(自然乾燥と同じ効果が得られる)ため、良質の木材を低コストで生産することが可能となる。

 今後は、紀州木材の更なるブランド化の一翼を担うべくこの木材乾燥装置の普及に取り組み、共立工業(株)の第3の柱として育てていく意向である。
初島工場
 
初島工場
ミニプラント研究室

支援内容
 平成16年9月より新しい木材乾燥装置の開発のため専門家を派遣し次の支援を行った。

 ・既存の木材乾燥の最近の動向情報並びに木材リグニン利用技術について

 ・特殊水蒸気による木材乾燥装置の開発プロジェクト推進計画指導について

 ・木材乾燥の要求レベル推移及び多様な木材乾燥の技術情報について

 ・特殊水蒸気の発生装置取扱説明並びに木質試験計画指導、木材改質の実験推進指導等

企業者の声
 当社は、熱交換機、真空炉の熱に関する業務にも携わっていたため木材乾燥装置の開発に取り組みましたが、木の特性或いは高温加熱水蒸気での乾燥については初めてのことで、暗中模索でありました。

 いくつもの技術と知識の集合体が一つの製品として成立し、新しい製品の開発には時間と労力、コストがかかります。

 専門家派遣により開発時間が短縮され、新しい発想を生み出すことが出来たことを感謝します。

担当者の声
 当社は、受注型の企業から一つ一つ堅実に技術力を高め自社製品の開発に取り組み、経営革新を図っています。

 今後は、自社製品の販売、営業戦略等について適宜、適切な支援策等を提供し支援していきたい。

企業基本データ
代表 代表取締役社長 脇本順之
住所 和歌山県海南市船尾260番地183
電話 073-483-1255
e-mail kyoritsukougyo@yahoo.co.jp
URL
従業員 35名
業種 設備工事業、精密機械器具製造業
主要製品 圧延ロールの整備、配管工事、製缶工事、精密機械加工、精密機械組立