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知的障害者の雇用を進め、型枠の軽量合金化と乾燥炉更新で、トップメーカーに!
株式会社 宇佐ランタン 平成16年
企業概要
 当社は、提灯産地である名古屋市で10年間の修業を経て故郷にUターンした谷川社長が、昭和48年に創業した提灯専業メーカーで、生産量が月間約2万5千個(年間30万個)にも及ぶ国内トップメーカーである。

 今でこそビニール提灯が主流となっているが、かつて提灯といえば紙製が全盛であり、先鞭をつけたのは当社である。「雨や風に強いビニール提灯の需要が必ず伸びる」と考え、不慣れなビニール提灯に敢えて取り組んだことが、今日の国内トップメーカーの地位を築く大きな要因となっている。

 もう一つの特徴は、従業員18名のうち10名を知的障害者で占めていることだ。平成4年、当社は旧労働省と日本障害者雇用促進協会共催の「第1回障害者雇用促進のための施設・設備改善コンテスト」で優秀賞を受賞しているが、知的障害者を“戦力”として活用していることが、この業界では後発ながらトップメーカーに登り詰める原動力となっているといっても過言ではない。提灯作りに最も重要で熟練を要する工程は「ひご巻き」と「貼り付け」だが、この作業は障害者にとっては至難の業だ。このため、知的障害者でも形や大きさの異なるものを容易に操作できる自動化機械の開発や、作業を専門化した働きやすい作業環境整備に意欲的に取り組んできた。つまり、機械化と分業化による“工場生産方式”の導入であるが、このことが価格の安い外国製にも対抗するコスト低減につながっている。

 社長は、いま新たな挑戦を開始している。かつて主流だった紙素材への回帰に向けた取り組みがそれだ。「燃焼処理するのに無害な素材を見つけなければ、いずれ塩ビ製の提灯は社会に受け入れられなくなる」との危機感によるもので、すでに雨や水に濡れても破れない特殊加工した和紙を使った提灯を開発。トップメーカーとして、今後、その普及に全力をあげて取り組む意向である。
工場(従業員の6割近くを知的障害者で占める。作業能率を考えた働きやすい職場環境づくりが生産性をあげている)
 
型枠(型枠を軽量合金化したことで半永久的な使用が可能になり、大幅なコスト削減を実現。手前は従来の木製型枠)

支援内容
 当社に対する設備エンジニアリング支援は、平成14年度から3段階に分けて実施している。

 まず、第1ステップは「木型の劣化・摩耗対策」である。アドバイザー派遣制度を活用して、大分大学工学部の木下和久助教授の支援により、複雑な木型形状を3次元CADで図面化、材質を軽量合金に変更することで、重量も従来の木質と同等の金型を開発。生産性・品質・コストの大幅な改善に目途をつけた。

 第2ステップが「老朽化した乾燥炉の更新」である。設備エンジニアリング経験の豊かなアドバイザーを派遣して、社長の設備に対する考えを徹底的にヒアリング。その上で最適技術の検討を行い、20数項目の設備仕様を織り込み、これに基づいて設備メーカーから出された図面・仕様をチェックして不具合箇所を修正するという方法で進め、更新設備の早期立ち上げを支援した。

 今年度は、第3ステップとして、知的障害者が多い当社の特殊性を考慮して働きやすい作業台の改善に取り組んでおり、さらなる生産性の向上が期待されるところである。

企業者の声
代表取締役社長
長谷川 忠洋氏
 従来の木型は3カ月も使用すると変形・摩耗し、形状が複雑なことに加えて知的障害者が多いという特殊性もあって作業効率が非常に落ちていました。価格も1セットで約3〜5万円もかかり、大きなコスト負担となっていましたが、軽量合金化したことで“半永久的”に使えるようになり、大幅なコストダウンが実現できそうです。

担当者の声
地域産業育成課
産学官連携推進室兼総合支援課
総合コーディネーター
小林茂氏
 この業界も中国への製造シフトが進み、短納期・多品種少量・高品質生産に活路を求めて、これまで社長自らが設備改善・生産革新に孤軍奮闘していました。今回の支援を介した成果で付加価値向上率約60%(3年計画)が見込まれ、当社は経営革新支援法に基づく認定を受けることができました。

企業基本データ
代表 代表取締役社長 谷川忠洋
住所 大分県宇佐市橋津29−4
電話 0978-37-1584
e-mail lantern@elf.coara.or.jp
URL http://www3.coara.or.jp/~lantern
従業員 18名
業種 製造業
主要製品 ビニール提灯